2025年2月の家飲みワインです。
ブルゴーニュは熟成ワインが中心です。素晴らしい香りが印象的なアントナン・ギヨンの2015年、綺麗に熟成したロベール・シュヴィヨンの2010年とブルノットの2009年のバローロが特に印象的でした。
パオロレオ エコシステマ・シャルドネ・ビオロジコ プーリア 2023
[2023] Paololeo Ecosistema Chardonnay Biologico
ワイナリーについて
リアルワインガイドで旨安大賞を受賞したプーリアの有機栽培のシャルドネのワインです。
カンティーネ パオロレオは、プーリア州に拠点を置く家族経営の生産者です。セラーは、サリチェ サレンティーノD.O.C.とサリチェ サレンティーノD.O.C.の2か所にあるようです。
150ha(そのうち70haが自社畑)の畑から、年間約300万本(輸出比率50%)のワインを生産しています。

テースティングメモ
やや濃いめのレモンイエロー。レモン、ライムの柑橘果実、青リンゴ、洋ナシ、僅かにフローラルな香りとミネラル。味わいは、シンプルで、アタックにすっきりとした中程度の酸。余韻に僅かな苦み。色の割合に凝縮度には欠けるが、その分、スルスルと飲める。リピートは、ちょっと無いかな?
(2.9)
ジャン・グリヴォー ヴォーヌ・ロマネ・1er・レ・ボーモン 2012
[2012] Jean Grivot Vosne Romanée 1er Cru Les Beaux Monts
ヴォーヌ・ロマネの名門、ジャン・グリヴォです。5代目のエティエンヌ・グリヴォ氏が名声を高め、現在は、6代目となる娘のマティルド氏と息子のユベール氏が醸造を担当して、ファミリー全体でドメーヌを運営しています。
個人的にもお気に入りのドメーヌですが、ワインはすっかり高くなってしまいました。


テースティングメモ
やや熟成を感じさせる中程度のガーネット。赤系寄りのベリー、アメリカンチェリーのシロップ漬けのような甘やかな香り。スミレ、リコリスやシナモンの甘苦スパイス。
味わいは中程度の酸、熟した果実のなめらなテクスチャー、タンニンは柔らかくきめ細かい。各要素がまとまっており、これはこれで美味しいけれど、2012年のVRボーモンに期待が大きすぎたのか、何かが足りない印象。華やかさ?、妖艶さを感じる熟成香?
ようやく飲み頃に入った印象の2012年のブル赤プルミエクリュですが、まだ開けるのは早いかなというワインが時々あります。これもそのような1本?
(3.2+)
プルノット バローロ・リゼルヴァ ブッシア ヴィーニャ・コロネッロ 2009
[2009] Prunotto Barolo Riserva Bussia Vigna Colonnello
ワイナリーについて
2023年にバローロのラ・モッラ村のワインショップで購入したバローロです。ブルノットは、ピエモンテにおいて、初めて「クリュ」の概念を導入した老舗ワイナリーで、現在はアンティノリ傘下にあります。


テースティングメモ
縁にオレンジ色の入った中程度のガーネット。ブルーベリー、乾燥させたブラックベリー、ブラックチェリー、スミレ、ドライハーブ、心地よいロースト香。下草や紅茶、僅かに枯れ葉やマッシュルームの熟成香。
味わいはやや高い酸、熟した果実に、甘やかで柔らかくはなっているが、まだしっかりしているタンニンが味を引き締めている。
適度な熟成感と甘苦の絶妙なバランスの美味しいバローロ。やはり、バローロの良さを最大限引き出すのはこのくらいの熟成期間は必要かなと感じさせてくれるワイン。
(3.7)
マーカス・モリトール ハウス・クロスターバーグ ピノ・ノワール 2019
[2019] Markus Molitor Haus Klosterberg Pinot Noir
ワイナリーについて
モーゼル中部のヴェーレナー・クロスターベルクの地で8代続く家族経営のワイナリーです。現当主のマーカスが、名声を確固たるものにし、パーカー高得点ワインを連発している名門のワイナリーですが、これは、エントリークラスのピノノワールワインです。半年ほど前に2018年ヴィンテージを飲んで気に入り、リピート。但し、2018年は売り切れで、今回は、2019年を購入。


テースティングメモ
やや淡いラズベリーレッド。
香りはやや控えめな、ラズベリー、クランベリー、レッド(サワー)チェリーの赤系果実の香り。ドライハーブの冷涼な印象の香り。
味わいは熱量が抑えられておりドライ、酸はかなり高い。タンニンは中程度で、フレッシュなベリー系果実。中程度の余韻。2018年は、甘味の強い同年のブル赤に比べ、冷涼さが気に入りましたが、このヴィンテージは現時点では、高い酸がちょっとバランスを崩している感じ。おそらく、もう一年くらい寝かせれば、美味しくなると思われます。
(3.1+)
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シャトー・オー・サルプ サンテミリオン グラン・クリュ・クラッセ 2005
[2005] Ch. Haut Sarpe Saint Emilion Grand Cru Classé
ワイナリーについて
サン・テミリオンで最も古いブドウ園を所有。1867年のパリ万国博覧会で金メダルを獲得。現在は、ジョゼフ・ジャヌエックス家所有。所有畑は21.5ha、年間生産量は10000ケース
サンテミリオンの良年の2005年ということで最近購入。メルロー70%、カベルネ・フラン30%のセパージュ。


テースティングメモ
中心はまだ黒っぽく、濃いめのガーネット。カシス、ブラックチェリー、プラムの黒系果実、ドライフィグ、バニラ、シダー、黒鉛、リコリス、クローブ、ナツメグ、皮革、タバコ、キノコの熟成香。抜栓直後の味わいは、まだしっかりとしたやや多めのタンニンだが収斂性は無く落ち着いている、酸は中程度。スパイシーで完全なドライながら、果実味もしっかり感じられ、余韻もやや長め。
抜栓後力強く感じたタンニンは、1時間半くらいで、少し柔らかくなり、果実味とのバランスが取れてくる印象。
高級レンジのグラン・クリュ・クラッセではないが、しっかりと骨格をもつクラシカルなヴァン・ド・ギャルド。最近のヴィンテージの造りは不明ですが、最低10年は寝かしたほうが良いと思われるワイン。
(3.2)
シャトー・カリヨン フロンサック 2008
[2008] Ch. Carillon Fronsac
ワイナリーについて
フロンサックの小規模なシャトー。ほぼ無名といっても良いかと思いますが、ムーリスのシャトー・シャス・スプリーンと同じ所有者のようです。
1380円で購入した安ボルドー古酒(以前購入した2006年は999円!でした)
テースティングメモ
縁に僅かにレンガ色も見られるが、まだ黒っぽさが残る濃いガーネット。
抜栓直後は、やや閉じこもった香り。カシス、ブラックベリー、ダークチェリー、リコリス、クローブ、ナツメグ、皮革、土、タバコの香りが徐々に開いてくる。アタックは、中程度の比較的円やかな酸、タンニンはまだしっかりしているが収斂性はない。香り、果実の凝縮度や余韻の長さでは、前出のオー・サルプにかなわないが、タンニンはより円やかで飲みやすい。
過大な期待は禁物だが、デイリーボルドーとしては、下手な金賞ワインよりお薦め。
(3.0)
ロベール・シュヴィヨン ニュイ・サンジョルジュ・1er レ・ヴォークラン 2010
[2010] Robert Chevillon Nuits Saint Georges 1er Cru Les Vaucrains
ワイナリーについて
有名な造り手なので詳しい説明不要かと思いますが、100年以上の歴史をもつニュイ・サン・ジョルジュの名門ドメーヌです。ドメーヌ名となっているロベール・シュヴィヨンは既に引退しており、現在は、2人の息子ドゥニ(栽培)とベルトラン(醸造)が運営しています。
昔からお気に入りの造り手で、今はモダンなエチケットが採用されていますが、これは、2011年に変更される前のエチケットです。
ここのワインもご多分に漏れず、価格が上がってしまいましたが、時々、オールドヴィンテージが出ることがあり、迷わず購入しています。


テースティングメモ
縁にかけてレンガ色のグラデーションが見られる中程度のガーネット。
ブルーベリー、アメリカンチェリー、イチジクの果実香、スミレ、セージ、ドライハーブ、リコリスにスーボア、僅かに腐葉土や紅茶のニュアンスの心地よい熟成香も。味わいのアタックに中程度の柔らな酸、タンニンはきめ細かく滑らか。高い熟度を感じる赤黒果実味。ニュイ・サン・ジョルジュらしいアーシーな味わいも感じられるが、野暮ったくない。余韻は長め。
酸、タンニン、果実味が調和しており、ジャスト飲み頃だが、さらなる熟成も期待できそう。期待を裏切らない美味さ!
(3.6)
ドメーヌ・アントナン・ギヨン サヴィニー・レ・ボーヌ レ・グードレット 2015
[2015] Antonin Guyon Savigny les Beaune Les Goudelettes
ワイナリーについて
サヴィニー・レ・ボーヌに本拠を置くドメーヌで、ブルゴーニュとしては、大規模な48haもの畑を所有しています。
現在は、1970年代に創業者のアントナン氏から引き継いだ息子のドミニク氏が運営しています。
コート・ド・ボーヌのみならず、ジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニーまで畑を広げています。


テースティングメモ
縁にオレンジ色の入ったやや淡いガーネット。
抜栓直後から開いており、素晴らしい香り。甘やかなラズベリー、ブルーベリー、レッドチェリーの赤系寄りの果実香、セージ、ドラハーブに、リコリス、シナモンの甘苦いスパイスとほんのりバニラ、ロースト香。時間とともに、紅茶や腐葉土の熟成香も。
味わいは、甘やかな熟度を感じる果実味にやや高い酸。2015年らしい甘さはあるものの、酸もしっかりあり、バランスがとれている。タンニンは綺麗に溶け込んでおり滑らか。
2日目は、甘味が抑えられ、エレガントなクラシカルブルゴーニュに。
最近購入したものですが、5K円台の掘り出し物でした。結構お気に入りのワインで、既に半ダース近くリピートしています。
このドメーヌ、ちょっと過少評価されているかと思います。まあ、価格が上がらないのは助かりますが…。
バックヴィンテージが見つかれば、即買いだと思います。
(3.6)
ピエール・ミニョン アネ・ド・マダム ミレジメ 2009
[2009] Pierre Mignon Année de Madame Millésime
ワイナリーについて
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に拠点を置く1900年代初頭創業の家族経営のシャンパン・メゾンです。
後で調べてみると、このキュヴェではないとは思いますが、ロイズの生チョコレートに使用されているようです。
知っていれば、チョコレートと合わせてみたと思いますが…
アネ・ド・マダム ミレジメは、シャルドネ60%、ムニエ30%、ピノ・ノワール10%のミレジメシャンパン。

テースティングメモ
持続性のあるかなり細かい泡。輝きのある麦わら色の外観。シトラス、ライムの柑橘果実にリンゴ、蜂蜜、ブリオッシュ、トーストの心地よい香り。加えて、長い熟成を感じさせるヘーゼルナッツやキノコの香りが、複雑さを与えている。味わいは、豊かながら柔らかな酸のアタックとなめらかな口当たり。余韻も長い。
(3.4)
↓スイスのセミハードチーズ、テト・デ・モワンヌと合わせました。農家の納屋や干し草の香りが、熟成シャンパンとよく合います。

アンリ・グートルブ キュヴェ・トラディション・ブリュット NV
H. Goutorbe Cuvée Tradition Brut NV
ワイナリーについて
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、特にグラン・クリュのアイ村に拠点を置く家族経営のレコルタン・マニピュラン(RM)です。1940年代、ペリエ・ジュエ社の栽培責任者だったエミール・グートルブが苗木商としてスタート。所有畑は約25ha(うち10haがグランクリュのアイ村)
ピノノワール 70% シャルドネ 25% ムニエ 5%

テースティングメモ
やや淡い黄金色。きめ細かい持続性のある泡。ライム、グレープフルーツの熟した柑橘果実、青リンゴの果実香。ブリオッシュやトーストの香りもあるが、それほど強くはなく、フルーティー寄りのNVシャンパニュー。アタックは、フレッシュさを感じつつも柔らかな酸。中程度の余韻。厚みや複雑さは、それほど感じないが、その分スルスルと飲めてしまう。
探せば5K円台でも購入できるシャンパンで、セットシャンパンとしてもよく使われているようです。万人向けの味わいで、コスパは高いと思います。
(3.1)
ドメーヌ・ユベール・リニエ モレ・サン・ドニ・1er・シュヌヴリー 2016
[2016] Hubert Lignier Morey Saint Denis 1er Cru Chenevery
ワイナリーについて
言わずと知れたモレ・サン・ドニ村を拠点とする名門ドメーヌです。このブログでも何回か書いていますが、過去に後継者の息子ロマンの死去やその妻のケレン・リニエとの裁判沙汰のごたごたがありましたが、現在はユベールが復帰し、ロマンの弟のローラン・リニエが当主になっています。


テースティングメモ
艶のあるやや濃いダークチェリーレッド。紫は消えているものの、未だ若々しさの残る色調。抜栓直後から香りはよく開いており、ブルーベリー、アメリカンチェリーのコンポート、プラム等の赤黒系果実にスミレやドライハーブ、リコリス、ナツメグ、モレ・サンドニらしいアーシーな香り。
アタックに高い酸、骨格を感じるボディ、豊かながら滑らかなタンニン。強めの酸の長い余韻。現時点では、熟成香は、まだあまり顕著ではなく、2016年らしい凝縮した果実味が特徴として感じられるワイン。
ブル赤にとっては、天候に恵まれ熟度の高い2015年と早飲みができ親しみやすい2017年の間の2016年、生産量は少ないながらも、力強さを備えたワインも多くヴィンテージで、個人的には結構気に入っているヴィンテージです。ただ熟成感を味わうには、もう少し時間が必要なようです。
(3.5)
ドメーヌ・ジャン・マルク・ブレ ポマール 1988
[1988] Jean Marc Bouley Pommard
ワイナリーについて
ヴォルネイに拠を置く、1527年創業の古い造り手のようですが、日本では、あまり見かけません(ラベルのデザインは変わっています)。おそらく飲むのは初めてだと思います。
ボーヌのショップで購入したボトルです。
テースティングメモ
縁にレンガ色が入るが中心には黒味を帯びたエンジ色が残る色調。
ドライプルーン、干しブドウの果実香も漂うが、ちょっと気になる(オークでない)木質の香り。弱いブショネのように思われます。ちなみにコルクは全体にワインが染み渡りやや脆くなっていました。
味わいのアタックはやや強い酸、甘みを抑えたドライフルーツに土、枯れ葉、タバコやキノコ。タンニンは未だしっかりしている。さすがに果実味に衰えは感じるが、ドライアウトはしていない。ただ、ブショネっぽさを感じる香りが気になりました。
(2.5?)
了
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