ヴォーヌ・ロマネの造り手、ドメーヌ・ブルーノ・クラヴリエのヴォーヌ・ロマネ・レ・オー・メジエールの2012年ヴィンテージです。あまり、メディア等に取り上げられることのないどちらかといえば地味なドメーヌですが、華やかでエレガントなワインの造り手だと思います。
DRCやルロワ等、ヴォーヌ・ロマネ村には、錚々たるドメーヌが存在していますが、一方で名門ながら、日本では、メディアやショップにあまり登場せず、やや知名度が低いドメーヌも存在しています。ジョルジュ・ノエラ、ミシェル・ノエラ、そして今回のブルーノ・クラヴリエもそのひとつかと思います。
今回のワインは、ヴォーヌ・ロマネの村名格の畑レ・オー・メジエールです。
▼この畑は、有名な1級畑レ・スショに道路を隔てて隣接したところにあります。南は道路を隔てて1級畑のレ・クロワ・ラモー、北側は、フラジェ・エシェゾー村に接しています。所有者として有名なのは、アルヌー・ラショーやモンジャール・ミュニュレあたりでしょうか?

▼こんな畑です。ちなみに、左側に塀で囲まれた場所がありますが、ここには畑に食い込むようにヴォーヌロマネ村の墓地があります。

▼何故か地図には表現されていませんが、結構大きな墓地です。

ドメーヌ・ブルーノ・クラヴリエ・ヴォーヌ・ロマネ・レ・オー・メジエール V.V. 2012年
[2012] Domaine Bruno Clavier Vosne Romanee Les Hautes Maizieres Vieilles Vignes

縁に僅かにオレンジ色の入っているものの中心は黒みがかったブルゴーニュにしては、やや濃いめガーネット。一応デキャンタージュしましたが、最初から華やかな香りが開いています。ラズベリー、レッドプラム、ブラックベリーやダークチェリーの赤黒系の果実香。薔薇やスミレ、ドライフラワー、ドライハーブの華やかなアロマにナツメグやシナモンのベーキングスパイスの香り。森の下草やダージリンの熟成香が複雑さを与えています。まさに華やかなヴォーヌ・ロマネの特徴が感じられるアロマ。酸は豊かながら突出感はなく滑らかな口当たり。熟度が感じられる厚みのある果実味が口中に広がる。タンニンは液体に溶け込んでおり、余韻も心地よく長め。何よりも酸と甘みとタンニンのバランスが絶妙。美味しい!
(3.6)

たまたま飲み残しのあった隣接するドメーヌ・ド・ラ・プレットのレ・スショと比べてみました。ヴィンテージも違うので比較自体あまり意味はありませんが、香りの方は、ラ・プレットのレ・スショも初日のやや不愛想さとは異なり、3日目は華やかに開いており、互角です。ただ、味わいは、果実味の厚さや滑らかさという点で、今回のブルーノ・クラヴリエに軍配があがります。

ヴォーヌ・ロマネのプルミエ・クリュとしては、レ・ボー・モンやオー・プリュレも所有しているようです。あまり見かけることのないドメーヌですが、機会があれば、また試してみたいと思います。
<了>
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