2週間前に飲んだロベール・グロフィエのボンヌ・マールの1995年ヴィンテージは久々に完全なブショネでした。グロフィエのグラン・クリュは、こんなはずじゃないと思いつつ、今回は、伊東のホテルレストランにて10年後のヴィンテージ2005年のボンヌ・マールでリベンジです。
最近の常宿、静岡県伊東市の「東急ハーベストクラブ伊東」にある 炭火会席レストラン「竹のうち」です。

コロナ禍にも関わらず、GoToトラベルのせいで、東京から近い温泉地である熱海やこの伊東の宿泊施設は結構混みあっています。最近、ホテル内のレストランの利用は、席を間引いていることもあり、客室を予約するよりもハードルが高くなっており、なかなか予約が取れません。無理をお願いして、普段はあまり使わないカウンター席を予約させてもらいました。
この炭火会席のレストランは、カウンター越しに炭火で、魚や肉を調理する光景を見ることができるオープンキッチンになっており、カウンター席ではそれを目の前で楽しむことができます。更に調理している料理長と会話もでき、これは通常のテーブル席ではなかなか経験ができないことです。

肉は、炭火に加え、藁を焼いて香り付けをするそうです。

さて、今回、こちらに持ち込んだワインですが、
ドメーヌ・ロベール・グロフィエ ボンヌ・マール 2005年
[2005] Domaine Robert Groffier Pere & Fils Bonnes Mares Grand Cru
です。

▼こちらは2週間前に熱海で飲んだ同じロベール・グロフィエのボンヌ・マールです。最近購入した25年前の1995年ヴィンテージでしたが、残念ながら完全なブショネでした。
リベンジを兼ねて、今回は同銘柄の2005年ヴィンテージを持ち込みました。こちらは、リリース時に購入したもので状態には問題ないと思います(ブショネは、もともとはコルクの汚染ですが、保管状態にも左右されます)

▼艶のあるラズベリーレッド。カウンターの非常に明るい照明のせいもあり、縁に向かってオレンジのグラデーションがうっとりするような美しさを見せています。

赤黒のベリーとアメリカンチェリーやローズドライフラワーの赤い花の華やかな香り。デキャンタの効果に加えて、炭火の焼き場が近くで少し温度が高くなっていることもあり、まるで果実の香水のような素晴らしい香りが漂います。更にドライハーブやシナモン、リコリス、ナツメグ、オリエンタルスパイス、紅茶や林床、下草の複雑なブーケが絡みます。味わいは、甘みとふくよかな酸がアタックに感じられ、凝縮した果実感がワインに骨格を与えています。シルキーなタンニンが口中に広がり、華やかな余韻が続きます。甘酸タンニンが絶妙なバランス。
まさに、シャンボール・ミュジニー、まさにボンヌ・マールという素晴らしいワインでした。
(4.5)
いつもの炭火会席のコース料理です。
▼前菜の「和と洋の竹籠り」と椎茸の炭火焼き。キノコは選ぶことができます。
あわせた日本酒は、伊東の地酒「池のさと」(純米酒)です。

▼伊東半島沖の魚のお造り。クエと金目、マグロだったと思います。

▼好きな魚を選んで炭火で焼いてもらいます。この日の選択は、太刀魚です。

▼里芋揚げ出し汁

▼炭火焼きのステーキ。肉の種類も選べます。この日は、サーロインです。真ん中の赤いのは、新潟妙高の香味調理料「かんずり」です。

▼人参ご飯と赤出汁

▼デザートのリンゴのロールケーキ。

炭火焼きをカウンター越しに眺めながら、なかなか楽しめるディナーでした。
前回は残念だったグロフィエのボンヌ・マールですが、今回は、状態も抜群で、熟成のピークを迎えた素晴らしいボンヌ・マールを味わうことができました。
今回のワインは、2005年というグレートヴィンテージの恩恵が感じられるとともに、飲み頃に入った印象です。今やここのグランクリュも4万円を超えてしまいましたが、当時はちょっと無理して、シャンベルタン・クローズ・ド・べーズとシャンボール・ミュジニー・アムズールも同時に購入しており、いずれまた、素晴らしい料理とともに愉しみたいと思います。
<了>
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