ドメーヌ・デ・クロワのボーヌ村名と1級ボーヌ・レ・ブレッサンドです。高評価だった2012年ヴィンテージは、そこそこの本数を購入しましたが、リリース直後は閉じこもった印象でした。8年経った今、そろそろ飲み頃に入っていることを期待して、村名と1級を開けてみました。
ドメーヌについて
ドメーヌ・デ・クロワの当主ダヴィト・クロワは、1978年生まれの42歳。名門ネゴシアンのカミュール・ジルーの醸造長に僅か22歳で抜擢され、ネゴシアンを再建したことで脚光を浴びた若手生産者です。ドメーヌを立ち上げたのは2005年ですが、2010年ヴィンテージくらいから購入しています。決して、樽香の利いたタニックなワインでないのですが、果実の濃縮度が高く、比較的濃いめの印象でした。それが故か、開くのに時間がかかるイメージを持っており、少し時間を置いて飲むようにしています。
ドメーヌ・デ・クロワ ボーヌ 2012年
2022 Domaine des Croix Beaune

やや濃いめのガーネット。抜栓後30分で香りははほぼ全開に。ラズベリー、アメリカンチェリーやスミレ、薔薇、ドライフルーツ、ドライハーブ、リコリス。味わいは、バランスの取れた酸とタンニン。そこそこ熟度を感じる赤系の果実味。樽香はかなり抑えられている印象。腐葉土や獣香の妖艶な熟成アロマが見え隠れするクロワはこのワインが初めて。
(3.2)

ドメーヌ・デ・クロワ ボーヌ 1級 レ・ブレッサンド 2012年
2012 Domaine des Croix Beaune 1erCru Bressandes
ボーヌの北西部に位置する約17haの大きな1級畑です。アルベール・モロー、トロ・ボーなどが所有しています。

色調は、ボーヌ村名と殆ど変わらないながら、香りには深みが増す印象。赤系果実に少しブラックベリー、ブルーベリー等黒系果実の混ざる香りとより複雑なベーキングスパイス香と紅茶や林床の熟成香。果実の濃縮度は一枚上だが、差はそれほど大きくない。酸やタンニンは、村名同様にこなれているが、妖艶と言えるほどの熟成香は、こちらにはまだ控えめに感じる。ボーヌの銘醸畑らしい高いポテンシャルが感じられるが、香りや味わいが全開になるには、あと5年ほど必要か?
(3.4)

▼BIO(右)とノーマルな(左)フルムダンベール2種です。ほとんど変わりませんが、BIOの方が心持ちながら柔らかな印象です。ブルーチーズには、一般的には、濃厚なワインが合いますが、このチーズは、シャープな風味のブルーチーズの中では、マイルドなほうで、ブルゴーニュの赤も合わせられることから、ほぼ常備のブルーチーズになっています。

▼オッソ―・イラティ、コンテ34M、カチョ・ディ・ボスゴ(黒トリュフ入り)。
濃厚な赤ワインに良く合います。

村名のボーヌは、熟成香もそれなりに感じられる、まさに、今飲んで美味しい2012年ブル赤です。1級のブレッサンドの方は、村名に対して、より深みと複雑性を増していますが、現時点では、それほど大差は感じられません。
やはり、このクロワのワインの本領を発揮させるためには、少し時間が必要なようです、2012年のグラン・クリュ(コルトン)に関しては、もう少し、寝かしておきたいと思います。
<了>
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