シルヴァン・カティアール ニュイ・サン=ジョルジュ オー・ミュルジュ 2006年

希少性が高く今やカルト的人気の造り手のシルヴァン・カティアールのニュイ・サン=ジョルジュ1級オー・ミュルジュの2006年です。人気と共に価格も高く、なかなか飲めない造り手のひとつです。昨年の5月以来になります。

ドメーヌについて

昨年飲んだ2005年のシルヴァン・カティアールのヴォーヌ・ロマネ・マルコンソールは、昨年飲んだブルゴーニュのなかでは、ベストと記憶しています。
 https://www.wine-and-cheese.net/2019-05-10-124144/

 昨年、2度目のヴォーヌ・ロマネを訪れた際に偶然見つけたドメーヌの建物です。ボルドーのシャトーに比べ、家族経営の多いブルゴーニュのドメーヌは、かなり地味です。建物が地味であるのとドメーヌ名が記された看板や表札も目立たないことろが多いのですが、このシルヴァン・カティアールの表札は、目を凝らして見ないとわかりません。ヴォーヌ・ロマネの中心にあるDRCも同じですが…。後ろに見えるジョルジュ・ノエラのような表記は稀です。

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 ▼SYLVAN CATIARD ET FILSという表記が示すように、息子(セバスチャン)とドメーヌを運営しています。現在は、実質、この4代目のセバスチャンが栽培から醸造まで担当しているようです。

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ドメーヌが所有する畑は、ヴォーヌ・ロマネを中心に、ニュイ・サン=ジョルジュとシャンボール・ミュジニーにある総計5haほどです。フラッグシップは、ロマネ・サンヴィヴァン(0.17ha)ですが、既に10万円を軽く超えています。それに次ぐのが、ラ・ターシュの隣にあるマルコンソール(0.74ha)です。2005年のラ・ターシュとシルヴァン・カティアールのマルコンソールを飲みましたが、ラ・ターシュにも劣らない素晴らしいワインでした。

▼ニュイ・サン=ジョルジュ1級オー・ミュルジュは、ヴォーヌ・ロマネ村の近くに位置します。レ・ダモード、オー・ブドー、レ・リシュモンの1級と同様、土っぽさを感じるニュイ・サン=ジョルジュ村のワインよりも華やかで、エレガントなヴォーヌ・ロマネ村のワインの特徴を持つことで知られています。

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シルヴァン・カティアール ニュイ・サン=ジョルジュ 1級 オー・ミュルジュ 2006年
Sylvain Cathiard & Fils Nuits-Saint-Georges 1er Cru Aus Murgers 2006

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深みと艶のあるガーネットの外観。グラスの底ははっきり見えており、中程度の濃さ。縁に僅かにみられるレンガ色に熟成感がみられる。ラズベリー、アメリカンチェリー、スミレ、ドライハーブ、甘草、シナモンのベーキングスパイス。なめし皮、林床、スーボア。味わいは、アタックに酸はしっかり感じられるが、過剰ではない。果実味・酸・タンニンのバランスが取れているが、やや硬さも感じられる。時間の経過とともに、腐葉土や獣っぽい妖艶なアロマも出てくる。余韻も長い。

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やや薄い色調ながら果実が凄く凝縮しているという印象ですが、2006年ヴィンテージにありがちな内向性が少し出ているように感じます。1年違いの2005年マルコンソールとは、かなり異なる性格ですが、これはこれで美味しいワインです。

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ヴァン・ド・ガルド(長熟タイプのワイン)で知られているシルヴァン・カティアールのワイン、最近購入した2014年や2015年は、すぐには飲めそうもありません。2000年代のバックヴィンテージが出てくれば買いなのですが、なかなか手に入りそうにありません。

(了)

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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