ヴィエ・ディ・ロマンス&セラファンとチーズのペアリング

 イタリア・フリウリの北の巨匠、ヴィエ・ディ・ロマンスのチャンパニエ・ヴィエリス シャルドネ2015年とクリスチャン・セラファンのジュヴレ・シャンベルタンVV 2003年です。ボリューム感のあるシャルドネに、猛暑のヴィンテージ2003年のブル赤と色々なチーズとの相性を試してみました。

ヴィエ・ディ・ロマンス チャンパニス・シャルドネ 2015年

まず、北イタリアフリウリ州のシャルドネから。ヴィエ・ディ・ロマンスは、イタリア最高峰の白をつくる造り手で「北の巨匠」と呼ばれています。ここ数年は、毎年何本か購入しており、セラーには常に数本ストックしているお気に入りのワインです。今回のシャルドネやソーヴィニヨン・ブランのほか、マルヴァジーア・イストリアーナ、トカイ・フリウラーノ、リースリング、ピノ・グリージョ等のフリウリで栽培されているブドウから単一品種や混醸のワインを造り出しています。どれも果実味溢れるワインです。シャルドネには、樽を使用していないワイン(チャンパニス シャルドネ)と樽を使用しているワイン(ヴィエ ディ ロマンス シャルドネ)の2種類がありますが、今回はステンレスタンク熟成と瓶内熟成のみで造られるチャンパニス・シャルドネです。

ちなみにヴィエ・ディ・ロマン(Vie di Romans)は、ローマ人の道という意味で、ワイナリーが所在する場所にその道があったようです。

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照りのある黄金色。しばらく冷蔵庫で冷やしていたので、抜栓直後は、香りがあまり立ちませんが、それでも際立つミネラル香が顔を出しています。少し時間が経ち、温度が上がってくると華やかな果実や花の香りと濃密さが出てきます。青りんご、ライム、洋梨、レモングラス、火打石、樽は使っていないようですが、僅かに甘いバニラのような香りもあります。さらに時間が経つとパイナップルやアカシアの花等、さらに華やかな感じになります。アタックには尖っていないが豊かな酸。ここの白ワインは、ほぼひととおり飲んでいますが、果実味溢れるという点で、期待を裏切られたことはありません。3千円後半から4千円後半と決して安いワインではありませんが、誰が飲んでも美味しいと感じられるお奨めイタリアワインです。

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ドメーヌ・クリスチャン・セラファン ジュヴレ・シャンベルタン・VV 2003年

続いて赤です。やはりお気に入りのドメーヌ・クリスチャン・セラファンです。
最近飲んだ2009年と2011年のヴィンテージについては、下記の記事をご参照ください。

https://www.wine-and-cheese.net//2019-08-01-224522/

今回は、2003年のジュヴレ・シャンベルタン・VVです。2003年ヴィンテージは、ブルゴーニュが猛暑に襲われた年で、この年のワインの評価は分かれるようです。一般に、米国の評論家は高い評価をしているようですが、日本での評価はあまり高くないようです。理由は、酸の少なさです。甘く濃厚だが酸が足りないワインが多いというのが一般的な評価になっているようです。

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かろうじてグラスの底が見える中程度のガーネット。縁に僅かに茶色も混じります。ラズベリー、レッドチェリーに煮詰めたプラム、ドライイチジクの甘い香り、甘草、皮、タバコに腐葉土の熟成香。アタックにはやはり甘みを感じますが、甘いだけの緩めのワインでなく中盤からアフターにかけては、柔らかいものの、はっきりしたタンニンを感じます。
2日に渡って飲みましたが、2日目は更に甘みを増したように感じます。確かにヴィンテージの特徴の甘さは、はっきりと顕れていますが、古酒特有の複雑さは十分感じられ、それなりに楽しめるワインでした。

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2003年のブル赤はバックビンテージとして手に入る機会も段々少なくなっていますが、
見つけると買ってしまいます。最近、クロード・デュガのシャルム・シャンベルタン2003年を入手しました。力強いワインの造り手なので、どのような2003年を造り出したのか興味が沸きます。

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2本を5種類のチーズに合わせてみました。

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左上から、

 コンテ18か月(フランス・セミハード 900円/100g)
 ヴァランセ(フランス・シェーヴル 2820円/個)
 ピアーヴェ ヴェッキオ・オーロ(イタリア・ハード 830円/100g)

左下から、

 フルム・ダンベール・オ・ヴァンモワール・ロドルフ(フランス・1160円/100g)
 ピエダングロア(フランス・ウォッシュ 1299円/200g)

チーズとの相性

コンテ18M:

どちらも悪くありません。このチーズは、赤白どちらもOKです。〇

ヴァランセ:

もともとピラミッドの形をしたチーズでしたが、ナポレオンの腹心であったロワールのヴァランセ城の主が、ナポレオンに出したところ、エジプト遠征に失敗したナポレオンの怒りを買って切り落とされて、独特の四角錘の形状になったという逸話があるチーズです。

ヴィエ・ディ・ロマンスとは、シェーヴルのさわやかな風味と酸との相性が良く、ワインも引き立ててくれるという意味でGoodです。◎

セラファンとは、シェーヴルの繊細さをやや覆い隠してしまいます。△

ピアーヴェ ヴェッキオ・オーロ:

イタリアということでもありませんが、ヴィエ・ディ・ロマンスとの相性は良いです。このチーズのもつパイナップルっぽい酸味とワインが同調します。◎

濃いチーズなので、セラファンとの相性も悪くはありません。〇

フルム ダンベール オ ヴァン モワルー:

フルムダンベールを甘口ワインに漬け込んで2ヶ月ほど熟成させたブルーチーズです。ロワールの甘口ワインに合うとされていますが、ヴィエ・ディ・ロマンス、セラファンともに相性はそれほど悪くはありません。△~〇

ピエダングロア:

賞味期限を迎えており熟成がかなり進んでおり、香り・塩味も強くなっています。ヴィエ・ディ・ロマンスは、完全にワインが負けてしまいます。×
セラファンでもやはり、チーズの個性が強すぎて、合いません。×
合いそうなのは、若いボルドーやシラーとかでしょうか?

<了>

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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