ドルーアン・ラローズのジュヴレ・シャンベルタン・クローズ・ド・ベーゼ1995年ヴィンテージです。シャンベルタンと並んでジュヴレ・シャンベルタン村のなかでも別格の特級畑、24年間熟成させたシャンベルタン・クローズ・ド・ベーゼを味わいます。
ドルーアン・ラローズ(Drouhin Laroze )は、ジュベレ・シャンベルタンに本拠を置くドメーヌです。現在の当主は5代目のフィリップ・ドルーアン氏。所有する畑15ヘクタールのうち、何と半分以上がグラン・クリュです。具体的にはボンヌ・マール、クロ・ド・ヴージョ、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、ラトリシエール・シャンベルタン、シャペル・シャンベルタン、そして年間生産量600本のミュジニーの6つの畑になります。ブルゴーニュワインが高騰している中で、このドメーヌのワインは、比較的良心的な価格に抑えられています。評論家の評価が、あまり高くないことも要因になっているようです。それほど飲んでいる訳ではありませんが、特別悪い印象は持っていません。ただ感動するようなワインに出会っていないのも確かです。しかし、直近の2016年の評価は凄く高くなっており、今回のシャンベルタン・クロ・ド・べーゼもWA96-98pの凄い評価です。


暗めで淡いガーネット、縁はオレンジがかったレンガ色で。外観からはかなり熟成が進んでいるように見えます。調理したレッドプラム、ドライイチジク、少し燻したような香り。丁子、ナツメグ、胡椒、鉄っぽさに、なめし皮、腐葉土、紅茶のニュアンス。酸はまだ衰えておらず、タンニンはほぼ液体に溶け込んでいます。抜栓後30分ほどは、酸と僅かに残るタンニンが競い合っているなかで、少し土っぽさも目立ち、やや落ち着かない印象ですが、時間とともに徐々にバランスが取れてきて、最初は感じなかった甘露さも出てきます。流石に力強いクロ・ド・ベーゼとは行きませんが、上手く熟成した古酒という印象です。

チーズは、羊乳のセミハードチーズ、オッソーイラティです。ミルキーで優しいチーズなので、本来は力強いシャンベルタンなどには合わないチーズですが、この枯れかけた古酒とのマリアージュは、それほど悪くはありません。
ちなみに、この1995年は、1年ほど前に近くの酒屋の閉店セールで14Kで購入したものです。恐らくリリース時は1万円前後だったと思われます。前述の、2016年は、確か2万円ちょっとだったと記憶していますが、あっという間に売り切れてしまい、購入できませんでした。替わりに、シャペル・シャンベルタンを15Kで購入しました。こちらもWA94~96pとかなりの評価です。ただ飲み頃はかなり先だと思います。
了
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