ブルゴーニュ好きとはいえ、やはり、一度は訪れたかったボルドー&サンテミリオンです。2017年の8月に訪問しました。シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン、シャトー・ポンテ・カネ、シャトー・ベイシュヴェルの3軒のシャトーを訪れました。
今回のボルドー旅行について
8月21日にシャルルドゴール空港からTGVでボルドー駅に向かいました。

今回11回目のフランス旅行です。今回もレンタカーを利用した個人旅行で、ボルドー在住でフランス国家認定のソムリエの資格をもつ日本人の方(さちさん)に案内をお願いしました。流暢なフランス語を話し豊富なボルドーワインに関する知識をお持ちの非常に頼もしいガイドさんでした。
2日目にメドックのシャトーのアテンドと翌日にペサック・レオニャンと海辺のリゾート地アルカションのガイドをお願いしました。
メドックのシャトー訪問
到着日は、ボルドー駅近くのホテルに宿泊し、朝、ホテルにピックアップをお願いし、メドックへ向けて出発しました。2日目の訪問シャトーは、3件、ピション・バロン、ポンテ・カネ、そして、ベイシュヴィルです。
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン訪問
まず、ポイヤックの2級格付けシャトー、ピション・ロングヴィル・バロンです。
シンプルながら非常に美しいシャトーです。1987年に大手保険会社アクサの系列アクサ・ミレジム社の所有となり、劇的な品質向上がはかられています。


代表的なオーク樽メーカーのタランソー(Taransaud)社の樽を使用しています。1社の樽に絞らず複数のメーカの樽を使用しているとのこと。


テースティングルームです。

当日テースティングしたワインは、
シャトー・ロングヴィル・ピション・バロン(Pichon- Longueville Baron) 2014年
レ・トゥレル・ド・ロングヴィル(Les Tourelles de Longueville) 2014 年
シャトー・ピブラン(Pibran) 2014年
です。
2014年のファースト・ラベルのセパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン80%、メルロー20%とのこと。一方、レ・トゥレル・ド・ロングヴィルは、メルロー65%、カベルネソーヴィニヨン20%、カベルネフラン10%、プティヴェルド5%とのこと。
シャトー・ピブランは、やはり、アクサ・ミレジム社に1987年に買収されています。
ピジョン・バロンは、まだ紫色がかったガーネット。ブラックベリー、カシス等の黒系果実、流石にタニックで飲むにはやや早すぎる印象ですが、他のセカンドワインもピブランも決して軽いわけではありません。


ピション・バロンには、上記のレ・トゥレル・ド・ロングヴィルというセカンドワイン以外に、レ グリフォン ド ピション バロンというセカンドワインも造っています。一応日本にも輸入されているようですが、あまり、見かけないという理由で、ここで、購入しました。
なお、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの見学も調整をお願いしていましたが、残念ながら、こちらは実現しませんでした。
シャトー・ポンテカネ訪問

まずは、電動車で畑を案内してくれます。

畑を見ると、雑草が生え放題で一見手入れが行き届いていないように思えます。このシャトーは、オーガニック、ビオディナミにこだわっており、耕作も馬で行っているようです。農法について、色々と説明してくれましたが、ちょっと神がかっている印象を受けました。

醸造用タンクの中を見せてくれました。らせん状の冷却管が中心部に入っているのが見られます。

選果台です。
このシャトーは、最大の特徴は、熟成用に下のようなアンフォラのタンクを使用していることです。現在は、樽も使用されていますが、いずれ、アンフォラ主流に変えていくようです。驚きなのは、このアンフォラは、ポンテ・カネの畑の土壌を混ぜて造られている様です。テロワールの特徴を最大限に引き出す為とのこと。将来、樽香の全くしないワインがリリースされるのでしょうか?卵型のアンフォラについて、今回色々なシャトーで見ることができました。先のピション・ラランドでも一部導入しているようですが、未だ試行段階なようで、このように大胆に取り入れているシャトーは、ここだけでした。オーガニック栽培と合わせて、非常にこだわりをもった造り手であると感じました。


試飲は1種類ポンテ・カネ2008年です。
セパージュは、カベルネソーヴィニヨン65%、メルロ30%、カベルネフラン4%、プティヴェルド1%とのこと。
未だ濃い色ですが、流石に先のピション・バロンに比べると少しタンニンがこなれてきている印象です。

シャトー・ベイシュヴェル訪問
サンジュリアンのシャトー・ベイシュヴェルです。
ボルトワインを飲み始めた1990年代前半、それほどこのシャトーの評判は高くなかったように記憶しています。1989年にサントリーの資本(共同出資)が入り、品質の改善が進んだようです。今回、同じように見学可能なサントリー経営のシャトー・ラグランジュと迷いましたが、NHKのある番組でこのシャトー訪問が取り上げられており、その様子を見て、こちらを選びました。
素晴らしく手入れの行き届いた庭園です。

シンボルマークの帆船像です。

シャトー・ベイシュヴェルの歴史がプロジェクションマッピングで投影されます。


とても美しい熟成庫です。

醸造タンクを一新したようで、今後は更なる品質の向上が期待されます。
テースティングです。シャトー・ベイシュヴェル2011年とセカンドラベルのアミラル ド ベイシュヴェル2011年です。ベイシュヴェルのセパージュは、カベルネソーヴィニヨン47%、メルロー47%、カベルネフラン4%、プティヴェルド2%、新樽率50%、セカンドワインは、カベルネソーヴィニヨン44%、メルロー42%、カベルネフラン9%、プティヴェルド5%、新樽率30%とのこと。


現状で飲むならば、果実味が柔らかいセカンドワインの方です。ということで、アミラル ド ベイシュヴェル(木箱入り)を購入しました。
メドックのその他のシャトー(カーヴ見学なし)
シャトー・ラトゥール
5大シャトーのひとつ、ポイヤックのラトゥールです。畑の奥にジロンド川が見えます。川に近い畑が、品質的には優位なようです。

遥か奥の方に、ラトゥールを象徴する塔が見えます。

シャトー・レオヴィル・ラスカーズ
格付け2級のサン・ジュリアンのシャトー・レオヴィル・ラスカーズです。

シャトーは、反対側にあります。以外に質素です。

シャトー・レオヴィル・ポワフィレ
サン・ジュリアンのレオヴィル・ポワフィレの畑です。

シャトー・ムートン・ロートシルト
5大シャトーのひとつ、ポイヤックのシャトー・ムートン・ロートシルトです。


シャトー・ラフィット・ロートシルト
ポイヤックの1級シャトー、シャトー・ラフィット・ロートシルトです。

シャトー・マルゴー
5大シャトーのながで、最もエレガントなワインを産出すると言われるシャトー・マルゴーです。


過去2度ブルゴーニュを訪れましたが、やはりボルドーは豪華なシャトーと手入れの行き届いた広大なブドウ畑と、全く異なる印象を受けました。
2017年というヴィンテージですが、霜の被害がかなりあったようで、所々でダメになったブドウを見かけました。
ポンテ・カネやピション・バロンで見たアルフォンソがボルドーワインの風味にどう影響を与えるのか、注目したいと思います。
了
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