ニュイ・サンジョルジュに本拠地を置くグランメゾンであるフェヴレの代表的な自社畑であるNSG 1erCru レ・サンジョルジュ2009年とエシェゾー2010年です。
ブルゴーニュの名門フェヴレはネゴシアンのイメージが強いですが、ブルゴーニュに120haもの自社畑を持つドメーヌでもあります。
本拠地であるニュイ・サン・ジョルジュを代表する1級畑 レ・サン・ジョルジュ(Les Saint Georges)と人気の高いヴォーヌ・ロマネの特急畑 エシェゾー(Echezaux)です。
フェブレ ニュイ・サン・ジョルジュ・1erCru・レ・サン・ジョルジュ 2009年
まず、ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュから。
グラン・クリュの存在しないニュイ・サン・ジョルジュのなかにあって最もグラン・クリュに近いと言われている1級畑です。ニュイ・サン・ジョルジュ村の南端、プレモー・プリセ村に接する場所にあり、レ・ヴォクラン、レ・カイユという同様に評価の高い1級畑にも接しています。他の有名な所有者としては、アンリー・グージュやロベール・シュヴィヨンとかでしょうか?ニュイ・サンジョルジュを代表する畑であり、当然、ニュイ・サン・ジョルジュの力強く、男性的と言われる特徴を備えています。

グレートヴィンテージの2009年ということもあり、色調はやや濃いめのラズベリーレッド。ラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリー、レッドプラム等の赤黒系の果実に香り。ドライハーブ、リコリス、グローブ、なめし皮、紅茶、下草、スパイシーながらもしっかりとした酸・果実感が印象的です。タンニンは柔らかくなりつつあるよですが、まだしっかりしたグリップ感も残っており、熟成で更に良くなるワインだと思います。
(3.5)

フェブレ エシェゾー・グラン・クリュ 2010年
次にエシェゾーです。こちらのビンテージは、2010年。2009年に引き続き評価の非常に高いヴィンテージです。色調は、中程度~やや濃いラズベリーレッド。アメリカンチェリー、クランベリー、ラズベリーの華やかな赤系果実や赤い花の香りがくっきり。冷涼なヴィンテージからのハーブやリコリスやシナモン、ナツメグのベーキングスパイスにバニラやなめし皮、少し時間がたつと下草、紅茶、そして腐葉土の熟成香や動物的な化粧香も顕れます。よく熟した果実からの甘みを伴いながら、しっかりと感じられる高めの酸、こなれて滑らかなタンニン。余韻も長いです。これは素晴らしい。
(4.0)
2本のワインは抜栓日が異なり、エシェゾ―やニュイ・サン・ジョルジュの翌日に抜栓しています。従って、以下の両者の比較は、抜栓後1日経過したニュイ・サン・ジョルジュと抜栓後1Hほど経過したエシェゾ―の比較です。
写真では分かり難いかもしれませんが、色調は、エシェゾーの方がやや薄めです。香りには比較的明確に差が顕れます。エシェゾーや柔らかながら華やかさと伴う果実香が中心で、アタックに感じるタンニンもほぼ溶け込んでいます。一方でニュイ・サン・ジョルジュは、土っぽい香りとアタックにはタンニンをより感じます。まさに女性的と男性的というテロワールの特徴をまさに具現化しているような違いです。一緒に飲んだ妻も最初の日にニュイ・サン・ジョルジュは、美味しいという感想でしたが、翌日エシェゾーを飲んだところ、やはりこちらの方が美味しいとのこと。エチケットを見てしまったことも影響しているかもしれません(笑)
実は前日飲んだサン・ジョルジュにはこの土っぽい香りはそれほど感じられませんでした。時間との経過で出てきたのか、エシェゾ―との比較で感じたのか分かりません。
このエシェゾーの特徴は、華やかさと滑らかな「甘露さ」だと思います。マルコンソール、ラ・ターシュ、スショでもボーモンでもきれいに熟成したヴォーヌ・ロマネと共通して感じられる風味です。

あわせた料理は、子羊のレモンソースの煮込みです。美味しいピノノワールとのペアリングは最高でした。
<了>
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