コント・ジョルジュ・ド・ヴォギエ シャンボール・ミュニジー 1997年

シャンボール・ミュジニーの名門ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギエの村名1997年ヴィンテージです。名手によるシャンボール・ミュジニーの古酒のすばらしさを実感できる1本でした。

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギエのワインについて

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギエ (Domaine Comte Georges de Vogüé)は、長い歴史をもつシャンボール・ミュジニー村を代表するドメーヌです。1980年代までは、やや不調でしたが、1986年にフランソワ・ミエが醸造長に就任し、ドメーヌの名声を確固たるものにしました。
2015年8月にヴォギエの畑を見に行きました。ミュジニーの畑ですが、流石に手入れの行き届いた、すごく綺麗な印象の畑でした。

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下記は、ボンヌ・マールの畑ですが、赤土っぽい土壌です。一見して、収穫量が抑えられていることが分かります。コルドン仕立てだったと思います。

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ヴォギエを最初に飲んだのは、80年代(確か1986年)のボンヌ・マールです。すごく期待が大きかったのですが、正直あまり印象には残っていません。実際にこの80年代は不調だったようで、90年代以降に本来の調子を取り戻したようです。最近の価格は、この村名でも3万円を超えており、ミュジニーに至っては、10万円を超えるものも目にします。入手し難いワインになってしまいました。昨年、近所の酒屋で1996年、1997年を数本安く購入することができ、今回は、そのうちの1本です。ラベルがカビで汚れていますが、これは、購入後保存していたフォルスターのワインセラー内で付いたものです。コンプレッサー式は、どうしても季節によりますが、加湿気味になる傾向です。

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購入先での保存状態がちょっと怪しく、不安でしたが、コルクは極めて健全でした。色調は、レンガ色が入ったガーネットで、かなり熟成が進んでいる色調です。ドライベリー、レッドチェリー、イチジク。リコリスやクローヴのスパイス香。酸はそれほど強くなく、枯れた色に不安がよぎりました(濁っている訳ではありません)が、果実味は十分残っており、タンニンはきれいに溶け込んでおり、シャンボール・ミュジニーらしい柔らかさと、健全な熟成を感じます。時間経過とともに、紅茶、マッシュルーム、腐葉土、枯れ葉といった熟成香が顕れ、古酒の魅力である妖艶な香りが漂います。さすがに果実の厚みは無くなっていますが、特に、揮発酸やひね香は感じられず、良い意味で予想を裏切られました。

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特に1995年ヴィンテージくらいからブルゴーニュに嵌ったこともあり、この時代の古酒は今でも時々飲みますが、やはり造り手によって印象はかなり違います。一般に1997年のブル赤は、1995、1996年と良年が続いた影響もあり、あまり評価されていなかったと記憶しています。しかし、熟成した1997年を意外と飲むと過小評価されているとていると感じています。同じような例は、(飲み頃はもう過ぎていますが)1991年ヴィンテージでも感じています。

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いつもながら、ブル赤の古酒と焼き鳥の組み合わせは最高です。
鴨つくね+柚子胡椒+ブル赤が絶妙にマッチします。新しいヴィンテージは、ちょっと手が出しにくくなってしまいましたが、これは、まさに造り手の力量が感じられる素晴らしい村名古酒でした。

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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