エルヴェ・シゴー シャンボール・ミュジニー・1er・サンティエ 2003&1998

シャンボール・ミュジニー村のドメーヌ・アンヌ・エ・エルヴェ・シゴーのシャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・サンティエの2003年と1998年です。あまり飲む機会のないエルヴェ・シゴーですが、お気に入りの畑のヴィンテージの違いを楽しみました。

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エルヴェ・シゴーはシャンボール村で1950年代初めからワイン造りを行っている家族経営のドメーヌで、エルヴェ・シゴー氏の妻であるアンヌ・シゴー氏が現当主です。グラン・クリュを持たないこともあり、日本での知名度はあまり高くありませんが、シャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニに7つの一級畑を所有しています。
特にモレ・サン・ドニとの境界に接し、道路を挟んで、ボンヌ・マールGCと接するシャンボール・ミュジニー・レ・サンティエには、1947年の古樹が植えられており、そのワインは、実質的なドメーヌのフラッグといえるかと思います。過去、評論誌からも高い評価を得ているようです。

このワインは、4年前の2021年5月に2005年ヴィンテージを飲んでいます。
熟れた赤系果実とドライハーブ、甘やかなスパイスの華やかな香り、柔らかな酸と完熟果実の甘露さ、シルキーなタンニン、力強さよりも滋味が感じれれるとても印象的なワイン(当時のメモより)でした。

今回の2003年と1998年ヴィンテージは、同じショップから数ヶ月違いで購入したものでインポータも同じなので、おそらく保存状態に差は無いと思われます。

はっきりとして記憶はありませんが、上記2005年ヴィンテージのテースティングメモでは、2003年との比較に触れていたことから、以前(7~8年前?)飲んだことがあるようです。柔らかな酸と甘みのある果実味が類似しているという内容でした。

縁に少し煉瓦色が混ざるガーネットの外観。ドライレーズン、乾燥させたブラックベリー、リコリス、果実香に比べ、鞣し皮、マッシュルームやタバコの熟成香がやや目立つ。味わいの酸はやや低め、タンニンは液体に溶け込んでおり、滑らか。
最初の印象は果実味が想像したよりも落ちている印象でどちらかといえば、セイヴォリーなニュアンスをもち、やや不愛想な印象を感じましたが、1時間ほどすると、本来の果実の甘さが徐々に出てきます。
ただ酸は相変わらずやや控えめで、ジャミーさは感じないものの、暑い年の特徴が出ています。

(3.2)

続いて1998年です。ブルゴーニュの1998年は、冷害と(2003年ほどではありませんが、)酷暑に見舞われた年ですが、ワインの出来は、ヴィンテージチャート上は、平均よりやや上(5点中3点)とされています。
このヴィンテージ、ここ数年では、モンジャール・ミュニュレやアンヌ・グロのグランクリュを飲んでいますが、個人的には結構良い印象を持っているヴィンテージです。

流石に2003年に比べると淡くなっており、縁にオレンジ色が混ざります。
抜栓して間もなくラズベリーやレッドプラムの赤系果実の香りが前面が出てきます。リコリスやナツメグの甘苦スパイス、熟成からのドライローズや干し草、更に時間が経つと腐葉土の香りも。味わいで明らかに2003年と異なるのは酸の強さ。伸びやかな酸が感じられ、まだ健全な果実味と滑らかなタンニンとバランスが取れている印象です。

(3.6)

最初に飲んだ2003年の印象から、1998年は、果実味がフェードアウトしているのではないかと心配しましたが、さもあらず、非常に綺麗な熟成が感じられるすばらしい古酒でした。
想像ですが、おそらく酸の強さが長期熟成に影響を与えているように感じました。
なかなか興味深い比較試飲でした。

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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