オーセイ・デュレスの女性醸造家、アニェス・パケの2015・2016年のワインです。以前は、ここの赤を好んで飲みましたが、ここの白は秀逸です。ややマイナーなアペラシオンから生み出されるピュアでナチュラルな味わいには、いつも魅了されます。
アニェス・パケ(Agnès Paquet)は、2001年に創業した新世代ブルゴーニュの代表的な作り手で、減農薬栽培(リュット・レゾネ)を実践しています。リュット・レゾネ(LutteRaisonnee)は除草剤や殺虫剤などに一切頼らない所謂ビオロジック(有機農法)に比べると現実的な農法と言われています。
過去の購入履歴を見るとアニェス・パケは、2005年ビンテージくらいからしばしば購入していますが、当初は、オーセイ・デュレスの赤が殆どでした。2,3年前位からここの白が気に入り、最近は、半分以上の割合で白を購入しています。
まず、ブルゴーニュ・シャルドネ2016年から。
ヴォルネイ村内のLes Luretsというムルソーに隣接した区画のブドウから造られるワインのようです。
ブルAOCとは思えないほど豊かなミネラルを感じます。青リンゴ、白い花、フレッシュ・ハーブ、やさわやかでありながら、綺麗にはっきり感じられる酸、ほんのり感じる甘さ、アフターの僅かな苦み。非常にバランスのとれたナチュラルなブルゴーニュAOCワインです。
3.4 コスパ高し!
エビとアボガドのサラダによく合います。
酸と後味に感じられる苦みとゴーヤとの相性も悪くはありません。
ボーフォール・ダルパージュです。やや塩味の強いチーズですが、このワインのはっきりとした酸とよく合います。
続いて、オーセイ・デュレス赤2015年です。
綺麗な明るいラズベリーレッド。クランベリー、ラズベリー、サワーチェリーの赤い果実、梅、薔薇、スミレ。酸は、まろやかで、甘みを感じます。一言でいえばチャーミングな赤ワインですが、決してジャムっぽさはありません。2015年ですが、閉じているという言葉は無縁のようです。複雑さよりも、華やかさを愉しむワインだと思います。するする飲めるため、あっという間に瓶が空いてしまいます。
ステーキに合わせるには、欲を言えばもう少し、スパイス感が欲しい感じです。
適度に甘みも感じられるワインなので、普段赤ワインを飲みなれない人でも美味しいと感じられるワインだと思います。これもお奨めです。
3.5
最後に、オーセイ・デュレス・ブラン2015年です。オーセイ・デュレスの南東部分は、ムルソー村に接していますが、ここの畑(レ・ゾ Les Hoz)は、その反対側、サン・ロマンの近くに位置しています。石灰質に富む土壌のようで、ミネラル感があふれるワインです。
ブルゴーニュと別なタイミングで飲んだので厳密な比較はできませんが、より強いミネラルと樽熟に起因すると思われる複雑さが加わりますが樽香は控えめです。時間が経つと、濃縮感やより豊かな果実味が顔を出してきます。ただ濃厚という感じのではなく、あくまでナチュラルな心地の良い酸味と甘みです。やはり、毎年ブレない綺麗な造りを感じます。
3.6
赤白ともに非常に魅力的なワインですが、特に白のミネラル感とバランスの取れた甘酸感は、秀逸だと思います。お奨めです。
<了>