200年4月に飲んだワインの記録

2020年4月に飲んだワインで個別にブログで取り上げなかったワインの記録です。久しぶりのアニェス・パケ、相変わらずの美味しさのドメーヌ・フェランのシャトー・ヌフ・デ・パプ、暖かくなると飲みたくなるプロヴァンスのロゼ等々です。

目次

イタリア アブルッツォ州のバローネ・コルナッキアのペコリーノというイタリア中部(主にマルケ州)の土着品種から造られるワインです。アブルッツォ州の造り手といえば、大手のファンティー二(ファルネーゼ)社が有名ですが、ファルネーゼが、1994年創業という新しい造り手であるのに対して、バローネ・コルナッキアは、16世紀創業の超老舗です。全ての畑は、アブルッツォ州唯一のD.O.C.G.であるモンテプルチャーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネの中にありますが、このペコリーノ種の産地は、コッリーネ・テラマーネD.O.C.G.の中にある、コントログエッラというD.O.C.に含まれるようです。

「ペコリーノ」と言えばイタリアの羊乳製チーズのことですが、羊が好んで食べるブドウとうことで付けられた名前のようです(別説もあるようです)

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濃いめのレモンイエロー。フレッシュな熟した柑橘系の香りにややトロピカルなアロマ、黄桃、マンゴー、パイナップル、アプリコットの黄色い果実、少しオレンジピールの香りも。アカシアの花。味わいには、溌溂とした酸と石灰のミネラルのニュアンス。やや酸が支配的ですが、果実味に比較的厚みがあり酸を和らげている、ペコリーノ単一品種だと思いますが、混醸のように割と複雑。余韻にミネラルの苦み。ちょっと面白い品種だと思います。

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▼ボリュームのあるワインなので、天ぷら(タラの芽、いか)やコリアンダーに良く合います。

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久しぶりのアニェス・パケ。(アニェス・パケの赤白比較はこちら)
オーセイ・デュレスのイメージが強いですが、今回は、ポマール・レ・コンブ、良年2012年です。

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「レ・コンブ」は、ヴォルネーとポマールにまたがる区画で、1級のクリマもあるようですが、これは村名の区画です。自社畑は0.8haほどで、平均樹齢35~40年以上。新樽率30%で12ヵ月間の熟成。初ヴィンテージは2008年。

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縁に熟成感のあるレンガ色が入るガーネット。濃さは中程度。
ラズベリー、ブルーベリー、ブラックチェリーのやや黒系寄りの赤黒果実の香り。薔薇、ドライハーブ、リコリス。腐葉土や紅茶のブーケ。アタックの酸はやや高めだが、許容範囲。ポマールらしい力強さよりも柔らかさを感じる果実味。タンニンは溶け込んでおり、滑らか。インパクトが格別強い訳ではないが、綺麗に熟成している感じ。冷涼で、エレガントで正統的なブルゴーニュという印象。

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▼イタリアのトリュフ入りの羊乳セミハード・チーズ、カチョ・ディ・ボスコ(Cacio di Bosco)です。トリュフとブルゴーニュ赤は結構相性が良いと思います。

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評判の良かった2016年のアンブロワーズは、フラッグシップのコルトン・ロニェを含めて色々と買い込みましたが、結局未だレジョナルの赤・白しか飲んでいません。家飲みデイリーブルゴーニュの定番です。

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 レジョナルにしては、かなり濃いめのガーネット。縁は僅かに淡くなり始めている。
アメリカンチェリー、ブラックベリー、ブラックプラム等完熟したやや黒系果実の香りとヨードを感じるミネラル。リコリス、レザー、コーヒー。以前飲んだ時よりもやや強めの酸を感じる。凝縮した果実味。中程度のタンニンは収斂性はなく滑らか。アンブロワーズのレジョナルの白は、結構ミネラルまみれですが、この赤も豊かなミネラルが感じられるワインです。
とにかく相変わらずの濃さです。

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ドメーヌ・ド・フェランは、シャトーヌフ・デュ・パプで18世紀から家族経営でワインを造り続けているドメーヌです。2度目の2012年のシャトーヌフ・デュ・パプです。

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1月に飲んでいますが、その時感じたほど濃さは感じません。全く同じヴィンテージなのですが…

ブラックベリー、ブラックプルーンの黒系果実、甘草、ナツメグ、黒胡椒のスパイス香り、なめし皮。中程度の酸に甘く滑らかなタンニン。余韻はやや長い。前回同様、重く引っ掛かるところのない、洗練さを感じるエレガントなグルナッシュ主体のワインです。

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オーストラリア大手ワインメーカーのジェイコブス・クリークです。ブドウを収穫に最も適した「夜間」に行なうことで、フレッシュで切れがよく軽いスタイルに仕上げています。

このロゼは、イオングループの限定商品のようです。普段はなかなか買わないワインですが、ロゼが飲みたくなって買ってみました。

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かなり濃いめのサーモンピンク。セニエ?
スイートストロベリー、アセロラ。フレッシュで溌溂な酸で、開栓後、微かに発泡も感じる。少しスパイスとミネラル香を感じるが、口に含むとやはり甘みが支配的。温度が上がるとさらに甘みを強く感じ、ちょっと料理を選んでしまう。ギンギンに冷やして飲むのが正解かも?

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▼ハーブ入りのソーセージと。ロゼと相性抜群です。

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両親がDRCで長年働き、自身もDRCでワイン造りを学んだジャン・ルイ・ライヤール。栽培面積3.5haで年間生産量7千本程度のミクロ・ドメーヌです。
馬による耕作、低収穫、非除梗等、DRCの栽培や醸造方法を受け継いだワイン造りを行っています。

ヴォーヌ・ロマネ村にあるリューディ”レ・パキエ”にある0.45haほどの小さな区画、平均樹齢 53年のブドウから造られるワインです。3000本を切る生産量。f:id:turque1991:20200521230841j:plain

やや淡い色調のラズベリーレッド。
ラズベリー、アメリカンチェリーの赤系果実の華やかな香りながら、少し清涼感も感じられる。薔薇やドライハーブ。樽熟からの軽いバニラ香。2016年らしい酸がしっかり感じられ、冷涼感がある。酸はアフターまで長く続く。2日目は、香りの輪郭がよりはっきりしてくるが、タンニンの少し強めに感じられるようになる。一方で酸は少し落ち着いてくる。
最近多い外向的でチャーミングなブルゴーニュとは異なり、ちょっとクラシカルな面も感じる美味しいブルゴーニュ赤だと思います。2016年の特徴を表しているようにも思います。
日本人好みの薄旨系のワインで、この裾ものを飲んだだけで、ドメーヌの人気の高さが伺えます。

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南仏の代表的な避暑地ニースの近郊で造られる辛口のロゼです。15世紀創設で、かつてはフランスの王室御用達だったという由緒のあるワイナリーのようです。日本では、ロゼはややマイナーな印象がありますが、フランス人には人気です。ブルゴーニュ以外のフランスを旅する際に、昼食は、必ずと言ってよいほど、プロヴァンスのロゼを注文しています。夏のレストランのテラスで飲むプロヴァンスロゼは最高で、料理は魚でも肉にでも合わせることができます。ただ、稀に結構甘めのプロヴァンス・ロゼに出会うこともあるので、できれば注文時に確認した方が良いかもしれません。

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オレンジがかった綺麗なサーモンピンク。
ミネラル、柑橘系の香り。少し苦みを伴うオレンジピール。清涼感を感じるフレッシュな酸。フルーティながらきちんと辛口に仕上がった好みのプロヴァンス・ロゼです。
瓶の形やエチケットデザイン(時々変わるようです)もシャレており、これはお奨めロゼです!

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▼ギンギンに冷やして、シーフードと。

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ジュヴレ・シャンベルタンの好きな造り手、ジョセフロティのジュヴレ・シャンベルタン村名です。

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中程度の濃さの艶のあるガーネット。ダークチェリーやブルーベリー、プルーンの赤黒系果実の香り。薔薇、ドライハーブ、バニラ、コーヒー、リコリスにオールスパイス、ナツメグ等のベーキングスパイス。やや強めのトースト香。わずかに林床、下草。酸は比較的豊かで、ほどよい果実の凝縮感。タンニンはきめ細かいもののしっかり感じられる。甘みと苦みが混ざるフィニュシュ。美味しいが、もう少し熟成感が欲しい。

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飲み頃には入っていますが、村名と言えども、やはり基本的にロティのジュヴレ・シャンベルタンは、長熟タイプのワインです。2012年もあと2~3年程待った方が良いかもしれません。

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トスカーナの老舗の名門・カステラーニ社の傘下の小規模優良ワイナリー、テヌータ・ディ・ブルキーノが作る赤。ゴヴェルノは、15世紀頃から、キアンティをはじめこのエリアのワイン造りに用いられてきた伝統的な製法で、干し葡萄状まで乾燥させ糖度の高くなった葡萄(又はそれを圧搾したマスト)を、すでに出来あがったワインに加え、再びゆっくりと発酵(二次発酵)させます。セパージュは、サンジョベーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、チリエジョーロ10%。

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少し紫がかった濃いめのダークチェリーレッド。レッグが結構長い(アルコール度数は14度)。
完熟プルーン、クレーム・ド・カシス等の甘い黒系果実。牡丹、スミレ、バニラ、コーヒー、なめし皮、タンニンは豊かだが滑らか。製法に起因する甘みを結構感じる。サンジョベーゼ主体にしては酸は比較的控えめ。甘みの強さから酸が隠れて感じられるのかもしれない。樽香も強く、なかなかボリューミーなワイン。

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<了>

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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