2020年4月に飲んだワインで個別にブログで取り上げなかったワインの記録です。久しぶりのアニェス・パケ、相変わらずの美味しさのドメーヌ・フェランCNP、暖かくなると飲みたくなるプロヴァンスのロゼ等々です。
バローネ・コルナッキア カサノヴァ ペコリーノ 2017年
Barone Cornacchia [2017]Casanova Pecorino
イタリア アブルッツォ州のバローネ・コルナッキアのペコリーノというイタリア中部の土着品種から造られるワインです。アブルッツォ州の造り手といえば、ファンティー二(ファルネーゼ)社が有名ですが、ファルネーゼが、1994年創業という新しい造り手であるのに対して、バローネ・コルナッキアは、16世紀創業の超老舗です。全ての畑は、アブルッツォ州唯一のD.O.C.G.であるモンテプルチャーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネの中にありますが、このペコリーノ種の産地は、コッリーネ・テラマーネD.O.C.G.の中にある、コントログエッラというD.O.C.に含まれるようです。
「ペコリーノ」と言えばイタリアの羊乳製チーズのことですが、羊が好んで食べるブドウとうことで付けられた名前のようです。
やや濃いめのイエロー。レモン、ライムのよく熟した柑橘系の香りに黄桃、パイナップルの黄色い果実、洋梨やアプリコット、オレンジピールの香りも。石灰のミネラルが感じられ、溌溂とした酸。やや酸が支配的ですが、トロピカルなアロマもあり、ペコリーノ単一品種だと思いますが、混醸のように割と複雑。面白い品種だと思います。
(3.0)
▼天ぷら(タラの芽、いか)やコリアンダーに良く合います。
ドメーヌ・アニェス・パケ ポマール・レ・コンブ 2012年
Domaine Agnès Paque [2012] Pommard Les Combes
久しぶりのアニェス・パケ。(アニェス・パケの赤白比較はこちら)
今回は、良年2012年のポマール・レ・コンブです。
「レ・コンブ」は、ヴォルネーとポマールにまたがる区画で、1級のクリマもあるようですが、これは村名の区画です。自社畑は0.8haほどで、平均樹齢35~40年以上。新樽率30%で12ヵ月間の熟成。初ヴィンテージは2008年。
縁にレンガ色が入るラズベリーレッド。濃さは中程度。
ラズベリー、アメリカンチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実。ドライハーブ、リコリス。腐葉土、紅茶の熟成アロマ。タンニンは溶け込んでおり、滑らか。やや酸度が高いが許容範囲。インパクトが格別強い訳ではないが、綺麗に熟成している感じ。エレガントで正統的なブルゴーニュという印象。
(3.3)
▼イタリアのトリュフ入りの羊乳セミハード・チーズ、カチョ・ディ・ボスコ(Cacio di Bosco)との相性がベストでした。トリュフとブルゴーニュ赤は結構相性が良いと思います。
ドメーヌ・ベルトラン・アンブロワーズ ブルゴーニュ 2016年
Domane Bertrand Ambroise [2016] Bourgogne
評判の良かった2016年のアンブロワーズは、フラッグシップのコルトン・ロニェを含めて色々と買い込みましたが、結局未だレジョナルの赤・白しか飲んでいません。
レジョナルにしては、かなり濃いめのラズベリーレッド。少し紫色も。
ラズベリー、ダークチェリー、カシス、ブラックベリー等完熟した赤黒系果実の濃縮した香りとヨードっぽい香り。コーヒー、甘草、タンニンは溶け込んでいるが、以前飲んだ時よりもやや強めの酸を感じる。アンブロワーズのレジョナルの白は、結構ミネラルまみれですが、この赤も豊かなミネラルを感じるワインです。
とにかく相変わらずの濃さです。
(3.1)
▼ソテーしたチキンが良く合います。
ドメーヌ・ド・フェラン シャトーヌフ・デュ・パプ 2012年
Domaine de Ferrand Châteauneuf-du-Pape 2012
ドメーヌ・ド・フェランは、シャトーヌフ・デュ・パプで18世紀から家族経営でワインを造り続けているドメーヌです。2度目の2012年のCNPです。
1月に飲んでいますが、その時感じたほど濃さは感じません。全く同じヴィンテージなのですが...
ブルーベリー、プルーンの黒系果実、甘草、黒胡椒、なめし皮、甘く滑らかなタンニン。前回同様、重く引っ掛かるところのない、洗練さを感じるグルナッシュ主体のワインです。
(3.3)
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ジェイコブス・クリーク・クールハーベスト ロゼ 2017年
Jacob's Creek [2017] Cool Harvest Rose
オーストラリア大手ワインメーカーのジェイコブス・クリークです。ブドウを収穫に最も適した「夜間」に行なうことで、フレッシュで切れがよく軽いスタイルに仕上げています。
このロゼは、イオングループの限定商品のようです。普段はなかなか買わないワインですが、ロゼが飲みたくなって買ってみました。
濃いめのサーモンピンク。
スイートストロベリー、アセロラ。フレッシュで溌溂な酸で、開栓後、微かに発泡も感じる。少しスパイスとミネラル香を感じるが、口に含むとやはり甘みが支配的。温度が上がるとさらに甘みを強く感じ、料理を選んでしまう。
ギンギンに冷やして飲むのが正解かも?
(2.7)
▼ハーブ入りのソーセージと。ロゼと相性抜群です。
ジャン・ルイ・ライヤール ブルゴーニュ レ・パキエ 2016年
Domaine Jean Louis Raillard Bourgogne Les Paquiers
両親がDRCで長年働き、自身もDRCでワイン造りを学んだジャン・ルイ・ライヤール。栽培面積3.5haで年間生産量7千本程度のミクロ・ドメーヌです。
馬による耕作、低収穫、非除梗等、DRCの栽培や醸造方法を受け継いだワイン造りを行っています。
ヴォーヌ・ロマネ村にあるリューディ”レ・パキエ”にある0.45haほどの小さな区画、平均樹齢 53年のブドウから造られるワインです。3000本を切る生産量。
やや淡い色調のラズベリーレッド。
ラズベリー、アメリカンチェリーの赤系果実の華やかな香りながら、少し清涼感も感じられる。薔薇やドライハーブ。樽熟からの軽いバニラ香。2016年らしい酸がしっかり感じられ、アフターまで長く続く。2日目は、香りの輪郭がよりはっきりしてくるが、タンニンの少し強めに感じられるようになる。一方で酸は少し落ち着いて目立たなくなる。
最近多い外向的でチャーミングなブルゴーニュとは異なり、ちょっとクラシカルな面も感じる美味しいブルゴーニュ赤だと思います。
日本人好みの薄旨系のワインで、この裾ものを飲んだだけで、ドメーヌの人気の高さが伺えます。
(3.2)
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シャトー・ド・ロムラード キュヴェ・マリー・クリスティーヌ プロヴァンス ロゼ 2018 年
Chateau de l'Aumerade [2018] Cuvee Marie Christine Provence Rose
南仏の代表的な避暑地ニースの近郊で造られる辛口のロゼです。15世紀創設で、かつてはフランスの王室御用達だったという由緒のあるワイナリーのようです。日本では、ロゼはややマイナーな印象がありますが、フランス人には人気です。ブルゴーニュ以外のフランスを旅する際に、昼食は、必ずと言ってよいほど、プロヴァンスのロゼを注文しています。夏のレストランのテラスで飲むプロヴァンス。ロゼは最高で、料理は魚でも肉にでも合わせることができます。ただ、稀に結構甘めのプロヴァンス・ロゼに出会うこともあるので、できれば注文時に確認した方が良いかもしれません。
オレンジがかった綺麗なサーモンピンク。
ミネラル、柑橘系の香り。少し苦みを伴うオレンジピール。清涼感を感じるフレッシュな酸。フルーティながらきちんと辛口に仕上がった好みのプロヴァンス・ロゼです。
瓶の形やエチケットデザイン(時々変わるようです)もシャレており、これはお奨めロゼです!
(3.5)
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▼ギンギンに冷やして、シーフードと。
ドメーヌ・ジョセフ・ロティ ジュヴレ・シャンベルタン 2012年
Domaine Joseph Roty [2012] Gevery Chambertin
ジュヴレ・シャンベルタンの好きな造り手、ジョセフロティのジュヴレ・シャンベルタン村名です。
やや濃い目のラズベリーレッド。
熟度の高いラズベリー、ダークチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実の香り。甘草、ドライハーブ、バニラ、コーヒー、黒胡椒。やや樽香が強め。タンニンはきめ細かいもののしっかり感じられる。甘みと苦みが混ざるフィニュシュ。
(3.3)
飲み頃には入っていますが、村名と言えども、やはり基本的にロティのジュヴレ・シャンベルタンは、長熟タイプのワインです。2012年もあと2~3年程待った方が良いかもしれません。
テヌータ・ディ・ブルキーノ ゴヴェルノ アッルーゾ トスカーノ I.G.T 2016年
Tenuta di Burchino [2016] Governo All’Uso Toscano I.G.T
トスカーナの老舗の名門・カステラーニ社の傘下の小規模優良ワイナリー、テヌータ・ディ・ブルキーノが作る赤。ゴヴェルノは、15世紀頃から、キアンティをはじめこのエリアのワイン造りに用いられてきた伝統的な製法で、干し葡萄状まで乾燥させ糖度の高くなった葡萄(又はそれを圧搾したマスト)を、すでに出来あがったワインに加え、再びゆっくりと発酵(二次発酵)させます。セパージュは、サンジョベーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、チリエジョーロ10%。
少し紫がかった濃いめのダークチェリーレッド。レッグが結構長い(アルコール度数は14度)。
完熟プルーン、クレーム・ド・カシス等の甘い黒系果実。牡丹、スミレ、バニラ、コーヒー、なめし皮、タンニンは豊かだが滑らか。製法に起因する甘みを結構感じる。サンジョベーゼ主体にしては酸は比較的弱い。甘みの強さから酸が隠れて感じられるのかもしれない。樽香も強く、なかなかボリューミーなワイン。
(3.0)
▼この甘さは、ゴルゴンゾーラ(ドルチェ)にぴったり!
<了>