5月28日、シモン・ビーズに続き、この日、2軒目となるドメーヌ・ダヴィド・デュバンを訪問しました。
世代継承で名声を築き上げたドメーヌが多いブルゴーニュの中にあって、一代にして名声を築きあげ、今やトップ生産者に迫る評価を得ている日本でも人気の生産者です。
ドメーヌは、オート・コート・ド・ニュイの中心部にあるシュヴァンヌ(Chevannes)村に本拠を置いています。

ドメーヌについて
1971年生まれのダヴィド・デュバンは、20代で父ピエールが1965年に創設したドメーヌを継承します。ピエールは、ボーヌの共同組合にブドウを全量販売していましたが、ダヴィドは20歳でワイン醸造を開始すると、自ら瓶詰めを始めます。ダヴィドは、ピエール・アミオやアルローで修行を積み、更に、同じオート・コート・ド・ニュイに本拠を置くジャイエ・ジル創設者のロベール・ジャイエからも醸造哲学を学んでいます。2006年には、引退したジャッキー・トルショのグラン・クリュを含む畑の栽培・醸造を任され、一気にドメーヌを飛躍させます。
栽培においては、畑仕事が全てという考えを持ち、畑は、ビオロジック(有機栽培)を実践し、エコセール認証も取得しています。ビオディナミ認証は取得していませんが、土壌の生命力を高めるためにビオディナミ手法を段階的に導入・実践しています。
醸造においては、当初は100%除梗し、新樽を使用した抽出の強いワインを造っていたようですが、2000年代後半からは、全房発酵を取り入れ、新樽率を大幅に下げ、エレガントなワイン造りに舵をとり、そのワインが評価され、名声を一気に高めました。
所有畑は、約17haとされていますが、これは、管理している元ジャッキー・トルショの畑(実際の所有者は、実業家のフランソワ・フュエ氏で、同氏の名前のラベルでもワインがリリースされています。中身は、全く同じだそうです)を含んでいると思われます。所有畑の大部分は、父親から引き継いだオート・コート・ド・ニュイのあるようです。
シャンベルタンもありますが、これはラトリシエール・シャンベルタンとともに、ルイ・レミーから譲り受けたもののようでう。
買いブドウによるワインを造っており、「レ・テール・ド・フィレアンドレ(Les Terres de Philéandre)」という独自のネゴシアン・ブランドを立ち上げているようです。
テースティング
テースティングは、ドメーヌの2階にある畑が見渡せるテースティングルームで行われました。
リリースされているワインがずらりとならんでいます。

↓ドメーヌもののラインナップです。

↓こちらは、前述のネゴシアンブランドLes Terres de Philéandreです(飲んだことはありません)

↓中央には、こんな写真が飾られていました。
左下に”Les Gobeloteurs”とありますが、これは、フランス各地のトップ生産者が集まり、テロワールや哲学を語り合う“造り手の友愛グループ”のようです。ピエール・イヴ・コランやジャン・クロード・ラモネなどのブルゴーニュ生産者に加え、シャンパニューのピエール・ラルマンディエ、ロワールやローヌの生産者も含まれているようです。

試飲アイテムです。オート・コート・ド・ニュイからグラン・クリュまでの2023年ヴィンテージです。
2023年に関しては、暑い年だったが、気候的なアクシデントはなく、どこかの村で雹が降ったということもなく、全ての村で順調だったとのこと。2020年は非常に暑かった(これは、どこのドメーヌでも同じ認識のようです)。2018年も暑い年といわれるが、ダヴィドはそうでもないという認識のようです。
古いヴィンテージのストックを聞いたところ、2017年まではとってあるが、古いボトルをずっとキープしていると、税がかかるので、それも考慮しているようです。

まず、オート・コート・ド・ニュイから。
2023 Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits “Louis Auguste”
ドメーヌの看板ワインです。過去、結構飲んでいますが、最近はご無沙汰です。
ドメーヌの公式資料では、新樽25%、13か月熟成・3ヶ月間タンクで、無清澄・無濾過。樹齢50年の古樹です。
赤系果実のアロマが良く開いています。綺麗な酸とジューシーな果実味。バランスの取れた味わいです。以前は、もっと濃厚なスタイルだったような気がしますが、なかなかエレガントなワインです。
(試飲ボトルではありませんが)中央のワイン、LOUIS-AUGUSTEと書かれていますが、通常のオート・コートとは違います。ラベルデザインだけの問題かと思われますが….ちょっと確認できませんでした。

2023 Vosne-Romanée
Les BarreauxとAux Ormesの区画から。ヴォーヌ・ロマネの上と下とのこと。樹齢35年。
華やかなアロマ。僅かにスモーキー、フレッシュな酸と滑らかなタンニン、柔らかな口当たりですが、意外に骨格も感じます。メモには、「美味しい」の文字も👍
2023 Gevrey-Chambertin
ブロション寄りの北側の畑の複数区画のブレンドのようです。
赤系果実のアロマ。リニアな酸のアタック、シルキーなタンニン。ミネラル感も。前銘柄よりは、心持ち力強さが増しますが、ジュヴレらしい骨格や鉄っぽさというより、エレガントな感じのワインです。冷涼なブロションということもあるかもしれませんが、全房発酵も影響しているのかもしれません。
2023 Nuits-Saint-Georges
ヴォーヌ・ロマネ寄りの村の北側La CharmotteとAux Saints-Juliens(80%)と村の南側のLes Plateaux(20%)の区画から(アメリカのインポーターの資料から)
赤い果実風味、スパイスに加えて、石を舐めるよな強めのミネラルを感じるワイン。
村名の中では、最も生産量が多く、ダヴィドのお気に入りのようです。
2023 Morey-Saint-Denis
Les Porroux、Clos des Ormes、Les Cognées、Les Brâsの区画から(アメリカのインポーターの資料から)
モレらしい土っぽい感じは控えめで、エレガントな感じ。NSGと似ており、ミネラル感が比較的強く、タンニンは細かくピュアな果実味が感じられる。
何度か飲んでいることもあり、個人的にはドメーヌの看板的な村名ワインと感じています。
2023 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Aux Thorey
全房発酵80%、新樽40%で14ヶ月熟成、約3ヶ月タンクで静置し瓶詰め
意外に香りは開いており、赤系ベリーやドライハーブの華やかなアロマ、しっかりとした酸と果実味、きめ細かいタンニン。若いNSGのプルミエクリュとしては、エレガントさを感じるワイン。
2023 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Les Procès
アルヌー・ラショーのイメージが強い畑です。
Aux Thoreyが村の北側(ヴォーヌ・ロマネ側に)に対し、Les Procèsは村の南側に位置しています。
醸造については、Aux Thoreyとほぼ同じようです。
Aux Thoreyに比べて、僅かに骨格があるように感じます。まだ若く、飲み頃は、結構先になりそうです。
迷いましたが、早く飲めそうなAux Thoreyを購入しました。
2023 Clos de la Roche Grand Cru
シャルム・シャンベルタンと並んで、ドメーヌを代表するグラン・クリュのイメージが強いです。
全房比率は、約90%と高く、新樽率と樽熟期間は、全銘柄と同じようです。
黒系寄りの果実のアロマ。このクリュの特徴である岩を舐めるようななめらかなミネラルを感じます。
当然、若いですが、丸みのある果実からの甘みも感じられます。美味しいですが、値段も高い!
2023 Charmes-Chambertin Grand Cru
全房比率は、クロ・ド・ラ・ロシュと同じ90%と高め。新樽率と樽熟期間も同じですが、樹齢は約85年とかなりの古木のようです。
香りは、クロ・ド・ラ・ロシュよりも複雑に感じられました。滑らかな口当たりで、グラン・クリュらしい骨格は感じられるものの柔らかなテクスチャーを持ち合わせちます。気にいったのですが、やはり高くて買えない(笑)
このワインは2024年も試飲させてもらえました。
2024 Charmes-Chambertin Grand Cru
生産量が激減した2024年ヴィンテージです。2024年については、最初は難しかったが、瓶詰め間近になってよかったとのこと。
淡い色調を想像しましたが、さすがにグランクリュ、それほど淡くはありません(写真を撮ればよかったのですが…
2023年はおそらく10年待つ必要があるかと思いますが、こちらは、割合早く飲めそうです。今飲んでも美味しい👍
2024年に関しては、非常に生産量が少なかったので、各インポーターには、2018年、2019年、2020年のオファーも出しているようです。日本のインポーターが注文してくれるかわかりませんが…
ちなみに、ダヴィドさんのお気に入りは、2023年と2019年、フレッシュさという点では2021年もとのことでした。
このドメーヌの醸造の特徴でもある全房発酵については、直接話しは聞けませんでしたが、(2023年ヴィンテージということもあるのかもしれませんが)試飲した全てのワインで、青っぽさや苦みは一切感じず、総じてピュアでエレガントな印象を受けました。
ダヴィドさんは、とても気さくで、サービス精神旺盛な方で、惜しげもなく、グランクリュも試飲させてくれたことに感謝したいと思います。

了

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