Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

那須のフレンチでプティワイン会

那須のリゾートホテルにて昔勤めていた会社の先輩夫婦とフレンチとプティワイン会を愉しみました。ドラモットのブラン・ド・ブラン、アンドレ・ボノムのヴィレ・クレッセ とオスピス・ド・ボーヌ・マジ・シャンベルタンの泡・白・赤ですが、特にアンドレ・ノムのヴィレ・クレッセのフラッグシップは、ちょっと驚きのワインでした。

那須高原御用邸近くにある「東急ハーヴェストクラブ那須」です。

↓こちらのレストランG-Dining「光彩(きらめき)」です。過去何回か利用させていただきました。

当日オーダーのフレンチコースです(東急ハーヴェストクラブHPより引用)

まず、ドラモットのブリュット・ブラン・ド・ブラン・ミレジメ2012です。
(引きの写真を撮り忘れラベルのみになります)

輝きのあるゴールド、豊かながらきめ細かい泡立ち。よく熟した柑橘果実と洋梨、白い花、石灰からのミネラル、ブリオッシュやアーモンドの複雑な香り、味わいは、まだ溌溂とした綺麗な酸とブラン・ド・ブランでありながら、リッチでボリューム感も感じる果実味、口あたりはなめらかでクリーミー
暫く前まで家のセラーに常備していたNVのスタンダードキュヴェも好みですが、エレガントさと複雑さは、やはり、ミレジメのブラン・ド・ブランならではのものがあります。

(3.5)

このシャンパンは、前菜の「アスパラガスのブッラータチーズのソース」(写真なし)と「ホタテ貝と海老のミルフィーユ仕立て」と合わせました。

つづいて、白ワインです。

アンドレ・ポノームのヴィレ・クレッセ・オマージュ・ジゼル・ボノムの2018年です。
ドメーヌ・アンドレ・ボノームは、1956年創業の僅か6haの畑からヴィレ・クレッセ( マコン・ヴィレ)だけを生産している極上クラスの小ドメーヌですが、現地の栽培家の多くは、ボノームのヴィレ・クレッセは村一番と見ているようです。
広域のマコン・ヴィラージュに加えて、ヴィレ・クレッセだけで、10種類もの辛口ワインを生産していますが、その中のフラッグシップが今回のヴィレ・クレッセ・オマージュ・ジゼル・ボノムです。

Andre Bonhomme Vire Clesse “Hommage A Gisele Bonhomme” 2018

インポータ情報によると1930年代の葡萄を厳選した最高傑作で、創業者アンドレ・ボノムの妻でオレリアン・パルテにとっての祖母への尊敬や敬意を現した特別なオマージュキュヴェとのこと。

下の写真では分かりにくいですが、このワインのためにテーブルを担当して頂いたソムリエさんがモンラッシェタイプのグラスを用意してくれました。
最初は、「えっ、ヴィレ・クレッセにモンラッシェグラス?」と思いましたが、結果的にこの選択は大正解でした。
ちなみに長いコルクですが、これはDRCで使用されているものと同じものです。

輝きのあるゴールドの外観。まさにリッチな色です笑。
香りは華々しく開いており、リンゴ(青でなく赤リンゴ)、アプリコットやピーチ、マンゴといったストーンフルーツ、熟したパイナップル、蜂蜜、バニラ、石灰からのミネラルやメントール。モンラッシェグラスのおかげもあって、むせ返るような甘い芳香に魅了させられます。さらに熟成からのナッツの香りが複雑さを加えています。味わいのアタックは厚みを感じる果実味。甘いという感想もありましたが、豊かな酸が味を引き締めており、ふくらみのある辛口です。2018年という暑い気候が高い熟度に貢献しているのは間違いないかと思います。

(4.0)

実はアンドレ・ボノームのヴィレ・クレッセは、2010年くらいに結構購入して飲んでいた記録があります。銘柄としては、2千円台の(畑名なしの)VVが多く、確かにこれはこれで、フルーティーで美味しいかったのですが、それほどのインパクトは受けず、その後、同じ南のダニエル・バローのプィイ・フュッセに走ってしまいました。今ではバローのプィイ・フュッセは、20本近くセラーに眠っていますが、このワイン、複雑でリッチな味わいを楽しむのに結構時間がかかる印象をもっており、アンドレ・ボノームの上級ヴィラ・クレッセにもちょっとフォーカスしてみたい気になりました。
ちなみに、アンドレ・ボノームのワインの上位キュヴェは、2018年から2020年ヴィンテージで、3割近く値上がりしてしまったようですが、価格的にもリーズナブルと感じていたバローのプイィ・フュッセも最新ヴィンテージではプルミエ・クリュが8千円を超えてしまったことを考えると、まだまだリーズナブルなのかもしれません。

ブロッコリーのスープを挟んで、魚料理は「真鯛浅蜊のマルセーユ風蒸し煮」です。
美味しいですが、このワインとの相性で言えば、まず、クリーム系の料理が頭に浮かびます。こちらは、リースリングプロヴァンスの白あたりが合いそうです。

最後は、肉料理に合わせて、赤ワインです。

Hospices de Beaune Mazis Chambertin Grand Cru Cuvée Madeleine Collignon 2005

コート・ド・ボーヌ寄贈畑が殆どを占める中で、数少ないコート・ド・ニュイのグランクリュ寄贈畑です。1991年にクロ・ド・ラ・ロシュ(キュヴェ・ジョルジュ・クリテール)が加わっていますが、今でもこのマジ・シャンベルタンは・マドレーヌ・コリニョンは最も落札価格が高いワインのひとつかと思います。
1985年にルロワが落札・樽熟成(エルバージュ)したワインがパーカー・ポイント100点を付けています。この2005年は、クロード・デュガのネゴシアン部門であるラ・ジブリオットによって落札されたものです。4年ほど前にも自宅で飲んでいますが、なかなか感動のワインでした。

縁に熟成を示すレンガ色が混ざるが、まだまだ中心部に濃さの残る深みのあるダークチェリーレッド。抜栓して15分ほどで、華やかな香りが全開に。カシス、プルーン、ブラックベリーアメリカンチェリーの黒系果実寄りのアロマ。バラや牡丹の花、グローブ、ナツメグ、シナモンの甘苦スパイス。レザーや紅茶に、少しタバコの熟成香も。味わいは熟度を感じる果実味、酸も豊かだが、凝縮した果実味のおかげで中程度に感じられる。タンニンはきめ細かく滑らかで、余韻も長い。とにかく香りが素晴らしい。味わい的にも甘酸苦のバランスがとれているグランクリュ

(4.5)

サーブしていただいたソムリエさんも感動していました。
4年前とほぼ同じ印象にはなりましたが、腐葉土香や獣香は未だ果実味の後ろに隠れている印象です。数年後、残りのストックの1本を開けるのを楽しみにしたいと思います。
このワインは、地元とちぎ霧降高原牛フィレのソテーと愉しみました。

デザートの「アールグレーのムースとバニラのアイス」です。

持ち込んだ3本のワインは、いずれも好評で、4人で3本があっという間に空きました。
個人的には、マジ・シャンベルタンについては、一度飲んでいることもあり、予想通りの素晴らしさでしたが、アンドレ・ボノームのヴィレ・クラッセのフラッグシップの美味しさには驚きました。2020年ヴィンテージ以降は、10k円を超える価格になってしまったようですが、追いかける価値はありそうです。

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