先日モルドバワイン協会&ワイナリー試飲会に参加しました。今回の試飲会は、モルドバワイン協会と主要なワイナリー6社の生産者が来日にして、JICA(独立行政法人国際協力機構)の協力のもと、品川のグランドプリンスホテル高輪にて開催されました。
今回は、JICAにお勤めのエクセレンス仲間からの誘いを受けたもので、試飲会には、JICAの職員の方々とエクセレンス資格(ソムリエ&ワイン・エキスパート)を有する12名が参加しました。
会場となったのは、グランドプリンスホテル高輪の「ル・トリアノン」です。本来は、会場の庭の桜を愛でながらモルドバワインを嗜む会だったのですが、今年は残念ながら桜の開花が遅れ、当日(3月25日)までに開花宣言は出ず、あいにく小雨の肌寒い天候でした。
参加したワイナリーは、以下の6社で、合計27種類ものワインが試飲アイテムとして提供されていました。
Chateau Vartely
Chateau Purcari
Redacini Wines
FCP Asconi SRL
CVC Cricova
Gitana Winery
まず最初にモルドバワインについて、簡単に触れたいと思います。
モルドバ共和国は、ルーマニアとウクライナに国境を接する面積は(九州よりやや小さい)3万3851平方キロメートルの内陸国です。主要なワイン産地として、コドゥル(Codru)、シュテファン・ヴォダ(Stefan Vodă)、ヴァルル・ルイ・トラヤン(Valul lui Traian)がI.G.P(地理的表示保護ワイン)として登録されています。
(AGRIさんのパンフレットから引用)
モルドバのワインは、ワインスクール等でテイスティングした記憶はありますが、腰を据えて飲んだことはなく、特にモルドバの土着品種を味わってみたいというのが、今回の試飲会に参加した動機のひとつになっていました。
モルドバの主な土着品種として、ソムリエ協本に記載されているのは以下の5つです。
Fetească Albă : ルーマニア語で「白い乙女」の意の白ワイン品種
Fetească Regală : 同「高貴な乙女」の意の白ワイン品種
Viorica : 1969年に開発された白ワイン品種、セイベル13666とアレアティコの交配種
Fetească Neagră : ルーマニア語で「黒い乙女」の意の赤ワイン品種
Rară Neagră : 古くから栽培されている赤ワイン品種。「Rară」は貴重の意。
土着品種の割合は意外に少なく10% ほどで、今では国際品種が73%を占める(残りの17%は、ルカッテリやサペラヴィ等のコーカサス品種)とのことです。
以下、今回の試飲会で飲んだワインについて書きたいと思います。
FCP Asconi SRL
1994年創業の家族経営のワイナリーのようです。今回、赤2種、ロゼ1種、赤4種の計7種ものワインを出展していました。
まずエントリークラス?のワインから。
Sol Negru Sauvignon Blanc 2023 / IGP Codru
グリーンがかった淡いクリームイエロー、グレープフルーツ、シトラスの爽やかな柑橘果実やレモンバームの香り。フレッシュで溌溂な酸とミネラル。典型的な若いソーヴィニョンブランの香りだが、ニュージーランド等新世界のソーヴィニョンブランほどハーバルやトロピカルなニュアンスは強くなく、適度な爽やかさを感じる飲み疲れないワイン。
Sol Negru Chardonney 2020 / IGP Codru
アメリカン、フレンチ、ハンガリアンの3種のオークで別々に熟成・ブレンドしているとのこと。輝きのあるイエロー、青リンゴ、洋梨、パイナップル、白い花のアロマ、バニラ。凝った樽熟成をしていることから、さぞかしオーキーなテーストかと想像したが、果実味と樽のバランスが絶妙にとれたフルーティ&クリーミーな味わいで、ほどよいボリューム感もあり、これは、素直に美味しいシャルドネ。
Sol Negru Cabernet Sauvignon 2023 / IGP Codru
カベルネ・ソーヴィニョンからのロゼ。輝きのあるサーモンピンクの外観。ラズベリー、サワーチェリーの香り。味わいはドライで、広がりのある酸と余韻にタンニンからの僅かな苦み。色々な料理に合わせられそう。
続いて、赤ワインです。
Penumbra 2018 / Centru(Codru)
このワイナリーのフラッグシップワインのようです(右端)
Fetească Neagrăが半分ほど、残りが、MerlotとSyrahのブレンドのようです。Alc14.0%
ダークチェリーレッドの外観。カシス、ワイルドベリー、プラム、ダークチェリーの黒系果実のアロマ、甘草、ブラックペッパー、樽熟からのレザー、バニリン。酸は中程度で少し甘みを感じる凝縮した黒い果実の味わい。タンニンはきめ細かく滑らか。
この時点では、半分を占めるFetească Neagrăの特徴が良くわからなかったので、この品種の特性が強く出ているのかは判断できませんでしたが、少なくとも甘みやボリューム感からは、シラー種の存在は感じました。説明者によると、Fetească Neagrăは、カベルネ・ソーヴィニョンに似ているとのこと。
今回の会場で、一番最初に飲んだ赤ワインでしたが、最も印象に残る赤ワインでした。
正確な価格がよく判らないのですが、1万円前後のワインではないかと思います。
Saperavi / Centru(Codru)
ショージアの主要品種であるSaperaviからの赤ワインです。ショージアでは、セミスイートワインも造られていますが、概ねドライなワインになります。隣国のウクライナでも栽培されており、かつてウクライナのサペラヴィも飲んだことがありますが、結構タニックな印象があります。Penumbraの後でこのワインを飲んだこともあり、収斂性のある強めのタンニンが感じられました。
左の2本は、エントリーラインのSol Negru Cabernet Sauvignon 2020とSol Negru Merlot 2020ですが、残念ながら、今回は飲んでいません。
つづいて、Radacini Winesです。
Radacini Wines
「モルドバ・ベスト・ワイナリー2020」に選出されたモルドバを代表するワイナリーのようです。日本では、横浜に本社を置くインポータAGRIさんが扱われているようで、いくつかの銘柄は目にした記憶があります。
以下のワイナリーの紹介文は、AGRIさんのパンフレットからの引用です。
”1998年創業の国際企業。イタリアの著名な醸造か兼ワインコンサルタント、ウンベルト・メニーニ氏と、志の高いワインメーカチームのコラボレーションから、良質なワインが生み出されています。約1,000haの広大な自社畑で大切に育てたブドウを100%使用(大半が手摘み)し生み出されるワイン。一口飲めば誰もが納得の、抜群のコストパフォーマンスはラダチーニの誇りです”
今回は、泡3種、白赤各1種の提供で、特にスパーリングワインを中心にアピールされていました。
Radacini Fetească Albă 2022 / Stefan Voda
まず、土着品種のFetească Albăのスパークリングワインです。こちらは、シャルマ方式による製法とのこと。
グリーンがかった輝きのある淡いクリームイエロー。シトラスやライムの柑橘果実とフレッシュハーブのアロマ。溌溂とした酸、フレッシュ&フルーティーでアルコール度数も低め(11%)でスルスルと飲めてしまうスパークリングワイン。軽口ですが、しっかりと果実味も感じられ、決して薄いワインではありません。この清涼感、特に暑い夏のランチで楽しむのにはピッタリな泡。価格は2,000円とのことで、下手なカヴァよりコスパは高いと思います。
Radacini Metier Zero Dosage 2019 / Stefan Voda
珍しいカベルネソーヴィニヨン100%の白のスパークリング。しかも、ドサージュ(補糖)なしです。メティエとは”長い経験によって培われた熟練の技”という意味のフランス語とのこと。トラディショナル方式のスパークリングで18ヶ月瓶内熟成。
シトラス等の柑橘系果実に加え、青リンゴや洋梨のアロマも。ノンドサージュなので、確かにドライですが、活き活きとした酸に豊かな果実味からのリッチさもあり、食中酒にピッタリかと思います。カベルネソーヴィニヨン100%の白のスティルワインは飲んだことがありますが、白の泡は記憶にありません。AGRIさんのカタログには未掲載なので正式には輸入はされていないかもしれません。
Radacini Redacini Reserve Brut 2018 / Stefan Voda
こちらは、シャルドネ70%、ピノ・ブラン15%、ピノ・ムニエ15%のシャンパニュー方式によるスパークリング白です。瓶内熟成24ヶ月。特別なヴィンテージのみに生産されているレセルヴァのようで、重厚瓶でいかにも高級そうなスパークリングワインです。
輝きのあるやや淡いゴールデンイエロー。細かな泡立ち。熟した柑橘果実に青リンゴ、少し黄色い果実、アカシアの花にブリオッシュやナッツの香り。豊かな酸と瓶内長期熟成による複雑な味わい。
価格は6000円と大手NMメゾンによるNVシャンパンと重なる価格ですが、コスパ的には勝るとも劣らないレベルだと思います。
以下2本は、スティルワインです。
Fiori Viorica 2021 / Codru
セイベル13666とアレアティコの交配種、ヴィオリカ種の白ワインです。この品種は飲んだことがなく、今回トライしたかったワインです。
輝きのあるクリームイエロー、華やかでアロマティックな香り。ブラインドなら、香りだけでヴィオニエやアルゼンチンのトロンテスと答えそう。ライトボディで、柑橘果実のすっきりとした味わい。かなり冷えた状態での提供だったが、もう少し温度が上がった方が果実味が楽しめそう。
Fiori Fetească Neagră 2019 / Stefan Voda
フェテアスカ・ネアグラ100%。フレンチオークで6ヶ月熟成。
漆黒ではなくグラスの底がかろうじて見える程度の濃さのダークチェリーレッド。カシスやチェリーの黒系果実、味わいは豊かなベリー系の果実味で、酸は中程度、タンニンはやや強め。国際品種で言えば、マルベックやメルローも想起させますが、ほんの僅かに感じたグリーンノートとタンニンから、やはりカベルネ・ソーヴィニヨンに近いか?
思っていたよりも洗練されている印象の土着品種。
このワイナリのブースには、日本でのインポーターのAGRIさんの小沢さんが立ち会われており、少し話を聞くことができました。
Q. 今回提供はないが、単独品種としての)ピノ・ノワールの可能性は?
A. 気候条件よりも土壌の適性の問題。モルドバの土壌は、Chernozem(チェルノーゼ ム)という黒土が大部分を占める。肥沃な土質でブドウの成長は早いが、ピノ・ノワールにはあまり向かない。
確かに、チェルノーゼムは、ピノ・ノワールに適した石灰粘土質や砂質粘土岩のような土壌とは、対照的かもしれません。
そして、少しセンシティブな質問も
Q. 隣国ウクライナの戦争がモルドバのワイン産業に与えている影響は?
A. 以前使用していたウクライナのオデーサ港が使用できなくなったため、ルーマニアの港を使わざるを得なくなったため輸出の流通コストが高くなった。
海に面していない内陸国としての悩みがあるようです。
Gitana Winery
1999年創業のワイナリー。ワイナリーは、南部のプロピ村というところにあり、ヴァルル・ルイ・トラヤンに330haの畑を所有しているようです。
Manastirea 2021 / Valul lui Traian
上の写真の左端のワインです。ラインリースリング100%。フレンチバリック(225L樽)で4ヶ月熟成とのこと。
輝きのあるイエローの外観。フローラルなアロマにバニラ香が混ざる。活き活きとした綺麗な酸のアタック。基本的にドライだが、白桃やアプリコット、蜂蜜、ミネラル感も強く、結構複雑な味わいで美味しい。
La Petite Sophie 2021 / Valul lui Traian
下の写真の左下のワインです。シャルドネ、ラインリースリング、フィテアスカ・レガーラのブレンド。こちらは、アメリカンオークを使用しているとのこと。
輝きのあるパステルイエローの外観。洋梨やパイナップルの黄色果実のアロマ、バニラ、僅かなペトロ香。いきいきとした酸。ややアルコールの高さを感じさせるコクのあるボディ(14.5%)、余韻も長め。
写真では分かりにくいですが、ラベルのモチーフが一部(絵柄とヴィンテージ表記)が立体になっており、あまり見たことのない高級感のある洒落たデザインのボトルです。
Lupi 2018 / Valul lui Traian
ルピーとは「オオカミ」いう意味で葡萄畑周辺の森に住んでいる狼の為に捧げる大切な意味合いが込められているようです。カベルネソーヴィニヨン、メルロー、サペラヴィ―のブレンド。alc14.5%
確か黒系果実とオークの強い香りにしっかりとした骨格をもつワインという印象でしたが、多少酔いが回って書いたメモが読めません笑。オーク3年熟成とのことだったと思います。
Saperavi 2021 / Valul lui Traian
サペラヴィー100%、alc14.5%。アンフォラ9か月熟成ということだったと思います。
メモには(Saperaviのワインにしては)「意外にマイルド」と印象をひとこと記しています。タニックなSaperaviに対して発酵・熟成にアンフォラを使用することで果実味主体の柔らかさを出しているのではないかと思います。
ここは、ミドルレンジ以上のワインを提供されていたこともあり、白・赤とも結構レベルの高いワインという印象でした。
次にCVC Cricovaです。
CVC Cricova
ソムリエ教本にも登場するcodruにある同名の町にあるワイナリーです。全長120kmに及ぶ巨大な地下セラーを有しており、観光名所にもなっているようです。
今回の試飲会では、スパークリング2種と赤ワイン1種を提供していました。
Cricova 2022 (White)
Cuvee Prestige 2018 (Rose)
どちらもChardonnayとPinot Noirのブレンドでトラディショナル方式によるスパークリングワインとのこと。白はalc.12.0%、ロゼはalc.13.0%。
白は、溌溂とした酸でフレッシュ&フルーティな印象。熟した柑橘果実や青リンゴ、クリスピーな味わいで、瓶内二次発酵による複雑さはあまり感じない。一口飲んでシャルドネの比率の高さを感じました。確認したところシャルドネ70%とのこと。
ロゼは、逆にピノ・ノワールの比率が高いと思われます。ラズベリーや柑橘果実にトーストやナッツの香りが混ざる複雑な香り。溌溂とした酸、バランスのとれたロゼスパークリングだと思います。日本での販売価格は、3,850円(Amazon)のようです。
Fetească Neagră Limited Edition 2023
フェテアスカ・ネアグラ100% alc.14%
艶のあるダークルビー。それほど濃い色調ではない。ブルーベリー、プルーン、ダークチェリー、バニラ、リコリス、少し土っぽい香りも。酸は中程度で若いワインにしては、タンニンは滑らか。重すぎず豊かな果実味をもつ比較的エレガントな赤ワイン。
つづいて、Chateau Vartelyのブースです。
Chateau Vartely
首都キシナウから北へ約45kmに位置する「オルヘイ村」に位置するワイナリー。モルドヴァの中部と南部に250haのブドウ畑を所有し、自社畑で栽培したブドウは100%手摘み(エノテカHPより)
Inspiro Spumant Fetească Regală
フェテアスカ・レガーラ100%のスパークリング。alc11.9%
輝きのあるクリームイエローの外観。華やかでアロマティックなフルーツ香。青リング、オレンジ、ピーチ、パイナップルにフレッシュハーブ。酸は爽やかだが、それほど強くない印象。味わい的には複雑さはないが、香りが素晴らしい。品種の「高貴な乙女」というのがふさわしい華やかさが感じられる。
Individo Fet.R&Riesling 2023
フェテアスカ・レガーラとリースリングのブレンド白。alc.12.7%
輝きのあるグリーンがかった淡いクリームイエロの外観。シトラス、グレープフルーツの柑橘果実に青リンゴに、少しのピーチやアプリコットの甘い香り、カモミール。樽熟成しているようで香りに複雑さがプラスされている。ジューシーな味わいで心地よい苦みを伴う余韻。
Taraboste Rosu 2018
下の写真右。カベルネ・ソーヴィニョン、メルローのブレンド。alc.14.9%
フレンチバリックで熟成とのこと。
ダークチェリーレッドの外観。カシス、プラム、ダークチェリー、バニラ、グローブ、黒胡椒の複雑な香り。中程度の酸、熟度の高い果実とアルコールからの骨格感と厚みを感じる。タンニンは豊かだが滑らか。良くできたボルドーブレンドのワイン。
IGPCabernet Sauvignon 2018
メモが残っておらず、飲んでないかも。
最後は、Chateau Purcariのブースです。
Chateau Purcari
モルドバの南東部シュテファン・ヴォダのプルカリ村にあるワイナリー。
1827年にロシア皇帝ニコライ1世からベッサラビア(旧ロシア領で現在のモルドバの殆ど)初の専門ワイナリーの地位を与えられた生産者。ソムリエ教本のモルドバの章でラCuvee de Purcari de ラ・ネアグラのの古くからの生産者として、唯一名前が記されています。
まず、白から。
Cuvee de Purcari de Fetească Albă NV / Stefan Voda,Purcari micro-zone
右から3番目のテタンジュのコント・ド・シャンパーニュの首を短くしたような変形ボトルです。フェテアスカ・アルバ100%。alc.12%。12ヶ月の瓶内二次熟成とのこと。
輝きのあるクリームイエローの外観。持続性のある泡立ち。シトラスや青リンゴ、白い花、蜂蜜、軽いブリオッシュの香り。爽やかで綺麗な酸。熟成感や複雑性よりもエレガントでフルーティな香りを楽しむスパークリング。
Nocturn Viorica de Purcari 2023 / Stefan Voda,Purcari micro-zone
RadaciniのFioriに次いで、本日2本目のViorica種100%のワイン。Fioricaは、ヴィオニエやトロンテスっぽい香りと書きましたが、こちらはライチの香りが感じられ、ゲヴァルツ・トラミネールを想起させる香り。いずれにせよ、アロマティックな香りを特徴とするエレガントな白品種ということがわかりました。
続いて赤です。
Nocturn Rară Neagră de Purcari 2022 / Stefan Voda,Purcari micro-zone
左端のワイン。今回の試飲会で唯一のRară Neagră100%。
艶のある濃いめのルビーカラー。ラズベリー、チェリー、ブラックベリー、カシスコンポートの赤黒果実のアロマ。バニラ、甘草。味わいはやや酸が強く、果実からの甘みを感じる。果実味豊かながらエレガントさも。イタリアのバルベーラにも似ている。今回試飲した中では、最もピノノワールに近いかも。
Maluri de Prut 2021 / Stefan Voda,Purcari micro-zone
写真右のワイン。フェテアスカ・ネアグラ65%、ララ・ネアグラ35%。
試飲時のメモが残っておらず、飲んでないかもしれません。2大土着黒品種のブレンドだったようで、惜しいことをしました。
↓モルドバ駐日大使のドゥミトル・ソコラン氏も駆けつけてくれました。
以上ですが、なかなか充実した試飲会でした。
資格習得のために散々勉強したモルドバワインですが、いまいち特徴を掴みかねていたのですが、今回の試飲をとおして、その素晴らしさを認識するきっかけになったような気がします。
今回の印象をまとめると次のような感じでしょうか?(あくまで、個人的な感想です)
・スパークリングワインが秀逸。土着品種のFetească Albăを使用した白のスパークリングは暑い夏にピッタリ。本格的な瓶内二次熟成は、シャンパンにも劣らず、総じてコストパフォーマンスは高い。
・生産量の7割を占める国際品種のワインも洗練されたものが多い。樽の使い方が絶妙なワインが多く、テクニカル面でも高さを感じさせる。土着品種とのブレンドも面白い。
・土着品種のワインは、コーカサス品種よりも概ねエレガントな印象。白はアロマティックで香りを楽しめる。赤は果実味豊かながら、タンニンは比較的柔らかい。
特に印象的だった幾つかのワインは、できれば、食事と共にゆっくり楽しんでみたいと思っています。ただ、国内での入手が難しそうなものもあるようです。
最後に今回の試飲会を企画していただいたモルドバワイン協会、素晴らしいワインを提供して頂いたワイナリーの方々、通訳いただいたインポータのAGRIさん、ユウ・コーポレーションさん、JICAの関係者の皆様。そして、試飲会にお誘い頂いたJICA職員でエクセレント仲間の坂部英孝さんに深く感謝いたします。
願わくは、隣国のウクライナの戦争が終結して、より安く、様々なモルドバワインが入手できますように!
了