バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

モンドールのチーズフォンデュ with サヴォワワイン&シャブリ

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冬の定番チーズ、フランス・ジュラ地方のモンドールです。シャブリと、そしてチーズフォンデュにして、サヴォワ産の白ワイン「クレピィ」と味わいました。ちなみにモンドールという名称は、フランスとスイスの国境にあるジュラ山地のMont-d'Orという山の名前に由来します。

秋から翌年の春にかけてチーズショップや高級スーパの店頭に並ぶモンドールです。フランスのジュラ地方(正確にはドゥー県の標高700m以上のところにある地域の指定村落)で生産されるウオッシュタイプのチーズです。製造期間と販売期間の規定があり、製造は8/15~翌年3/15、販売は、9/10~5/10です。従って、今の時期(4月)には製造が既に終わっています。

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ジュラとサヴォワはどちらもスイスと国境を接していますが、ジュラは、ブルゴーニュ=ブランシュ=コンテ圏、サヴォワは、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ圏になります。
ちなみにモンドールは、スイス側でも作られ「ヴァシュラン・モンドール」と呼ばれています。製造・販売期間はフランスのものと微妙に異なります。 

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チーズプロフェッショナル協会「チーズの教本2018」からの引用

モンドールやコンテはジュラ地方産なので、同郷のワインは、ジュラのワインですが、サヴァニャンという白ブドウ品種から造られる「ヴァン・ジョーヌ」というワインが有名です。黄色いワインという意味で、スペインのシェリー酒に似た特殊な製法で6年間樽熟成させたワインです。シェリー香(酸化香)の好き嫌いによって好みは分かれるかと思いますが、ナッツやドライフルーツの複雑な香りとコンテやモンドールといった山のチーズと相性が良いとされています。ただ、手間と時間がかかっているので高価なのが難点で入手しにくいので、今回は、近隣のサヴォワ地方の白ワインと合わせました。

ドメーヌ・メルシエ クレピィ・ラ・ペルシェット 2018年
Domaine Mercier 2018 Crepy la Perchette

レマン湖近くのドメーヌのようです。シャスラ種100%のワインです。

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麦藁色。リンゴ、洋梨、パイナップルの黄色系果実、ミネラル香に加えて弱いペトロール香(石油系の香り)を感じます。酸は柔らかく、まろやか、少し甘みを感じ、フィニュシュに苦みを伴ないます。時間とともに温度があがると、徐々に甘みが強くなります。最初の印象は、ペトロール香からリースリングを思わせます。ただ酸がやや弱いせいか、温度が上がると少しぼんやりした印象になります。

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30年近く前、ヨーロッパ・アルプスでのスキーにはまった時期があります。シャモニやトロワ・ヴァレ―といったスキー場にあるレストランで良く飲んだのが、地元サヴォワ産のワインです。
特に気に入っていたのが、アプルモン(Aperemont)という銘柄です。当時はワインに関する知識も薄く、地元のワインというくらいの認識しかありませんでしたが、スキー場でエスカルゴやフォンデュ、ラクレット等のチーズ料理とギンギンに冷えたアプルモンを味わいました。フレッシュな果実味にキレのある酸が印象的な素晴らしいワインでした。結構微発泡が感じられた記憶もありましたが、日本に持ち帰ったアプルモンには、この微発泡は何故か全く感じられませんでした。アプルモンは、ジャケールという品種を使った白ワインで、シャスラと同様にスイス系の品種ですが、酸の印象はちょっと違うように感じました。
遠い記憶なので、多分に飲んだ環境や雰囲気の影響が大きいのではないかと思いますが、繊細な品種でもあり、やはり産地で味わうものは、日本で飲むものとまるで別物のように感じられました。その意味で、今回のクレピィのペトロール香も本来のものか判断がつきません。

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モンドールのフォンデュですが、作り方はいたって簡単です。
まず、上部の白カビに覆われた表皮をナイフで取り去っておきます(綺麗に取り去るのは難しいので十文字に切れ込みを入れる等でも構いません)
電子レンジでも可能ですが、木枠から取り出したくなかったので、アルミホイルを木枠に巻き付けて、ワインを少量加え、さらにごく少量のニンニクペーストを加えて、オーブントースターで20分ほど熱しました。ワインは20mlほど加えましたが、ちょっと多すぎたようで、少し水っぽくなりました。半分の10ml程度で良いようです。
正統的なチーズフォンデュは、グルイエールチーズとマイルドなエメンタールチーズで作りますが、モンドールを使うと結構濃厚で贅沢なスタイルのチーズフォンデュになります。

クレピィとの相性ですが、正直微妙です。濃厚なモンドールに負けてしまいます。複雑性は期待できないのの、やはり酸がもう少し欲しい気がします。

▼少しだけ残っていた日本酒にも合わせてみました。田酒の純米吟醸生酒です。生酒特有の甘みがあり、相性的には△です。加えたワインの影響もあるようです。

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遡りますが、フォンデュにする前日に、このモンドールをシャブリと合わせました。

ドメーヌ・ドルーアン・ヴォードン シャブリ レゼルヴ・ド・ヴォードン 2014年
Dom. Drouhin Vaudon 2014 Chablis Réserve de Vaudon

ボーヌに本拠を置く大手メゾンのジョゼフ・ドルーアンがシャブリの自社ワイナリー(ムーラン・ド・ヴォードン)で醸造するワインです。2008年からドルーアン・ヴォ―ドンとして市場に出ています。(ジョセフ・ドルーアン訪問記はこちら)

レゼルヴ・ド・ヴォードン は1級畑ではありませんが、1級の銘醸畑モント・ド・トネールとモン・ド・ミュールの間という最高の立地条件のようです。

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中程度のイエロー。シャープだが強すぎない酸。シトラス、ライムの柑橘系の香り、当然シャブリ特有のミネラル香も感じられるが際立って強い訳ではない。レモングラス、ミント等のハーブ香、ホワイトペッパー。2014年ヴィンテージであるが、割とはっきりしたノワゼット(ヘーゼルナッツ)の熟成香も感じられる。

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やはり、ジョゼフ・ドルーアンならではの安定さ。安心して飲めます。
しっかりとした酸とナッティな複雑性を感じさせる熟成香とモンドールの相性は悪くはありません。

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▼タコとアボガドのマリネ。シャブリとの相性は最高です。

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濃厚なモンドールで造るフォンデュは、市販されているチーズフォンデュとは、また違った美味しさがあります。3000円とやや高価なチーズですが、一番おいしい賞味期限間際のモノが、割引されていることが多く、2000円ちょっとで買えることもあります。販売期間は5/10までと決まっているので、今が最後の買い時・食べ時かと思います。

(了)