バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

ジュヴレ・シャンベルタンの隠れた名門ドメーヌ・デ・ヴァロワイユ

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メジャーな評価誌等には、あまり取り上げられないジュヴレ・シャンベルタンの名門、ドメーヌ・デ・ヴァロワイユです。ドメーヌが、4つ所有する単独所有畑のうちの村名とグランクリュ、シャルムシャンベルタンを飲んでみました。 

ドメーヌ・デ・ヴァロワイユは、12世紀に設立された由緒あるワイナリーです。

現オーナーのハンメル氏は、元々スイスにおいてワイン造りや輸入商社の経営に携わっていましたが、1990年に元々ドメーヌ・デ・ヴァロワイユのワインをスイスへ輸入していた彼に、跡継ぎに恵まれなかった前オーナーから「信頼の置ける貴方にこのドメーヌを引き継いで欲しい」と提案を受けます。ブルゴーニュのワインを愛していたハンメル氏はこの申し出を受け、正式にヴァロワイユのオーナーとなりました。 

ドメーヌを引き継いでからは、各畑の土壌に合った醸造方法や低温浸漬、醸造設備の刷新等、種々の改革に取り組み、飛躍的に品質を向上させ、今では所有している畑(特に4つのモノポール)の重要性とも相まってジュヴレ・シャンベルタンでも高い評判を得るようになっています。

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▼ドメーヌは、ジュヴレ・シャンベルタンの中心部近く近く(下の★印)にあります。

今回の村名格のモノポール、「クロ・デュ・ク―ヴァン」は、ドメーヌのすぐ裏手に広がる畑のようです。

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ドメーヌ・デ・ヴァロワイユ・ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・デュ ク―ヴァン 2014年
Domane des Vaoilles [2014] Gevrey Chambertin Clos du Couvent

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やや濃いめのルビー。抜栓直後から深く、良い香り。ラズベリーブラックベリー、ダークチェリーの赤黒系果実、ドライハーブ、ミントの冷涼な香りも。甘草、紅茶、スーボワ、鉱物的な香り、時間と共に腐葉土香も。酸はやや高めだが気にならないレベル。タンニンのレベルは中庸であるが滑らか。村名ながらしっかりとした骨格を持った、まさにジュヴレ・シャンベルタンらしいワイン。

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料理は、豚肉とキノコの炒め物。

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 続いて1週間後に開けたヴァロワイユのグラン・クリュです。

ドメーヌ・デ・ヴァロワイユ・シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ 2012年
Domane des Vaoilles [2012] Charmes-Chambertin Grand Cru

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濃いめのガーネット。レッグはやや長め。カシス、ブラックベリー、ダークチェリーの黒系の果実。薔薇、牡丹、ロースト香、鉄っぽさ、生肉、なめし皮、リコリス、ヨード香、胡椒、紅茶や腐葉土の熟成アロマ。これもクロ・デュ ク―ヴァン同様ジュヴレ・シャンベルタンらしいワインだが、より濃く、複雑で、強い骨格をもつ。1時間半くらい経つと、柔らかさが顔を出し、女性的とまでは言えないが、気のせいかシャルム・シャンベルタンらしい特徴が出てくる。
酸とタンニン、スパイス感のバランスが絶妙に取れたグラン・クリュ。

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▼コンテ18ヶ月とイタリアの変わり種ブルーチーズ「オロ・ロッソ」と合わせました。ブルーチーズをパッシート(甘口赤ワイン)に30日近く浸し、さらにラズベリー、りんご、エルダーベリーの果実と食用花(薔薇、ローズヒップ、ハイビスカス、コーンフラワーマリーゴールド)で覆って熟成させたチーズです。洋酒で漬け込んだチーズは結構ありますが、ここまで手の込んだものは、ちょっと記憶にありません。

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ブルーチーズの塩味とパッシートの甘さ、フルーツや花の香りと酸味が混然とした特徴的な風味です。当然ながら赤ワインに良く合います。

▼豚肉と木耳の炒め物。

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評価誌に取り上げられたのを見たこともなく、知名度的には、いまいちのようですが、非常にジュヴレ・シャンベルタンの特徴が良く顕れたワインだと思います。村名のクロ・デュ ク―ヴァンも若いながら充分開いており、果実味と力強さを兼ね備えた1本でした。シャルム・シャンベルタンは、少し飲むのは早いかと思いましたが、抜栓してしばらくすると、華やか香りが現れ、力強い骨格のなかにも、複雑さと柔らかさを感じさせるグラン・クリュに変身しました。比較的、濃厚な造りのようで、更に10年以上の熟成で、より素晴らしくなると思われます。今回は、モノポールのプルミエ・クリュは購入しませんでしたが、見つけたら是非入手してみたいと思います。

(了)