バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

ブルゴーニュの旅~美食と白ワインの銘醸地シャブリ

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8/30~9/8の10日間でフランスのシャンパーニュ地方とブルゴーニュ地方をレンタカーで旅行しました。今回のブルゴーニュ旅行の始まりは、まず北部のシャブリから。ランスを200km、車で2時間半をかけて、ブルゴーニュ白ワインの銘醸地シャブリに到着です。

シャブリは、ブルゴーニュ‐フランシュ‐コンテ地方ヨンヌ県にある村で、ブルゴーニュの中では、北部に位置しています。日本で最も有名なフランス白ワインと言っても良いかと思います。

今回の旅行は、当初ブルゴーニュのみで計画しており、CDG空港からTGVディジョンに向かい、ディジョンでレンタカーを借りて、ブルゴーニュを周る予定でしたが、何とかシャンパニュー地方を訪れたく、全行程、レンタカーで旅することにしました。ランスから今回の旅行のメインである2度目のコート・ドール地方に向かう間にあるシャブリを初めて訪れました。

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シャブリに向かう途中で昼食の為に、小さな村に寄りました。偶然ですが、ランスのスーパで購入して、部屋で食べたチーズの産地シャウルス(Chaource)でした。f:id:turque1991:20190919000553j:plain

▼このチーズの産地です。

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街中いたる所でシャウルスを売っている訳ではありませんが、こんな看板が。

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このチーズを知らない人にとっては、おそらく、ただの素朴な村として通り過ぎてしまうことと思います。

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シャウルスを過ぎるとやがてシャブリのブドウ畑やドメーヌが現れてきます。
▼シャブリの入り口、フレ(FLEYS)村にあるGROSSOT JEAN-PIERRE ET CORINNEというドメーヌです(飲んだことありません)。

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ブドウ畑に赤いバラが植えてあります。より病気に弱いバラの様子を見て、ブドウの異常を知る為のもので、ボルドーでは至る所で見ることができますが、何故かコート・ド―ル地方では、あまり見かけません。畑の所有者があまりにも細分化されている為でしょうか?

今回のシャブリは、僅かに1泊でした。泊まったのは、ホテル デュ ヴュ ムーラン(Hotel Du Vieux Moulin)というホテルで、Domaine Larocheというワイナリーが併設されています。

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ここは、街の中心から近いうえに、テラスからはブドウ畑も眺められ、裏手には、運河が流れており、ロケーションは抜群です。運河を挟んだ裏手には、専用の駐車場もあります。

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部屋にはキッチンも冷蔵庫もありませんが、食堂にセルフのコーヒーメーカーやワイナリーのワインが置いてあります(自己申告制)。レセプションに人はおらず、メールに書かれているパスコードを入力して出入りするという、ちょっと変わったスタイルのホテルです。

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このホテルには、日本人シェフのいるレストランAu fil du zincというレストランが併設されており、ここは、相当に人気があるようです。日曜も営業しているようですが、当日は、何故か営業しておらず、ここでの夕食は諦めました。最もここは、何週間も前から予約していないと難しいようです。ということで、街のレストランに出かけました。Le Bistrot des Grands Crusというレストランです。

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ウィリアム・フェーヴル William Fevreのテースティングショップに併設されていました。ちなみに、ウィリアム・フェーブルのドメーヌは別の場所にありました。f:id:turque1991:20190919010731j:plain

当日は予約はしておらず、少し待つことになりましたが、閉店前に何とか入ることができました。どちらかと言えば、カジュアルな家庭料理という感じで、この日曜の夜は、地元らしき人も多く訪れていました。

ワインはせっかくなので、ウィリアム・フェーヴルのシャブリ1erCruモンマン2017年をチョイスしました。フェーブルの1級の中では最も安く、30ユーロ後半だったと思います。
▼シャブリとエスカルゴ。よく合います。 f:id:turque1991:20190919010750j:plain

新しい2017年のシャブリということで、相当シャープな酸を予想しましたが、意外に柔らかく、しかし、はっきりとした酸です。シャブリ特有の強いミネラルを感じられ、うっとりする香りと味わいです。
▼魚のシチューです。白ワインを加えて煮込んでいるようで美味しいですが、ちょっと量が多いか?

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▼こちらは、シーバス(スズキ)姿揚げです。

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割と素朴ながらも美味しい料理を満喫することができました。

翌朝は、シャブリのブドウ畑を訪れました。有名な畑をひととおり見たかったのですが、今回は時間も限られるため、グラン・クリュの畑のみを訪れました。シャブリのグラン・クリュの畑は、街の中心から徒歩で15分くらいのところに固まって存在しています。

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「地図で見るブルゴーニュ・ワイン」から引用

シャブリ・グラン・クリュは、7つの畑です。
Les Clos、Valmurm、Blanchot、Grenouilles、Vaudesir、Preuses、Bougrosです。

シャブリの街の真ん中を走る道路がD965号線(トネール道路)に交わるところに、グラン・クリュの看板と7つのグラン・クリュの中で最も評価の高い、レ・クロの畑が広がります。「レ・クロ」は石垣の意味です。

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レ・クロの畑の上部に上るとシャブリの街並みが一望できます。

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▼町の中心にある教会です。

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▼レ・クロのブドウです。ブルームがたいへん美しいです。

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少し、ブルゴーニュの地層とシャブリの地質について触れたいと思います。

ディジョンからパリにかけてパリ盆地は緩やかに傾いており。石灰質と泥灰岩質が交互に現れる地層になります。パリへ向かう行程をとると、ジェラ紀から白亜紀にかけて若くなる地層にブドウが植えられています。その途中にあるシャブリの土壌は、約1億5570万年から約1億5080万年前のジュラ紀後期の「キンメリジャン」と呼ばれる時代のもので、地中から貝の化石などが豊富に見つかります。ちなみにシャブリから15kmほど離れたオーセロワ地区のイランシーやサン・ブリは、キンメリジャンから500万年~1000万年前の「オクスフォーディアン」系後期の明るい石灰岩の土壌、翌日訪れたヴェズレイのブドウ畑はジェラ紀中期の「バトニアン」系の泥灰土と石灰岩で構成された土壌と、僅かな距離ながら土壌が異なります。ちなみに「プティ・シャブリ」ですらポートランディアン系という異なる時代の白亜質の土壌になります。

▼キンメリジャンの土壌から育ったブドウからミネラル感に溢れ、シャープな酸をもつワインが生まれます。

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続いて、レ・クロの左に あるグルヌイユの畑です。面積としては、最も小さなグランクリュ畑です。ちなみにグルヌイユは、フランス語で「カエル」の意味です。f:id:turque1991:20190919012212j:plain
▼上から見たグルヌイユです。
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▼道路を挟んだ町側には、畑名を冠したこんなドメーヌがあります。

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▼グルヌイユの上部に見えるのがヴァルミュールの畑です。隣接して存在する特級畑群の中心部「谷」に位置します。

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▼続いてブーグロです。南西向けのゆるやかな斜面で、粘土質でボリューム感のあるワインを生み出すと言われています。ウィリアム・フェ―ヴルが半分を所有しているようです。右上に見える畑が、レ・プリュースです。f:id:turque1991:20190919012356j:plain

▼レ・プリューズは、下部のブーグロに比べて、この畑はより南に面しているようです。粘土分よりも石灰分がより多いと想像できます。力強さよりも繊細さをもつ女性的なワインを生み出すと言われています。 

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↓最近飲んだドゥ―ヴィサのレ・プリューズのテースティング記です。
https://www.wine-and-cheese.net/entry/2019/08/21/005008

▼ヴァーデジールの畑から見るブーグロとレ・プリューズの畑です。

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▼グラン・クリュ畑の中で最も東に位置するブランショの畑になります。南東に向いた畑です。奥の方に1級の銘醸畑モンテ・ド・トルネの畑が見えます。 

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シャブリの街に戻り、有名ドメーヌ探しです。ラヴノー、ドゥ―ヴィサ、ウィリアム・フェーヴルという3大有名ドメーヌを探してみました。

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▼まず、ウィリアム・フェーヴルです。ブルゴーニュではよく見られるようなドメーヌの建物です。

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▼ヴァンサン・ドーヴィサです。意外に質素です。

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▼極めつけはココ。シャブリ最高峰のラヴノー、入手の困難さはピカ一です。ドゥ―ヴィサの一軒挟んで隣にあります。

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普通の家のように見えます。かろうじて、小さな看板で分かりました。

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有名なドメーヌでも意外に質素なのは、コート・ドールのドメーヌでも同じですが、このラヴノーについては、少々驚きでした。ボルドー・ポムロールで見たル・パン以来です。どちらも生産量を考えるとありかもしれませんが...。当たり前ですが、ブルゴーニュに限って言えば、ワインの価格とドメーヌの豪華さは、殆ど関係ありません。

今回のシャブリは、時間も限られていたため、ドメーヌ訪問は無しです。
街を歩いているとジャン・マルク・ブロカールが目につきました。シャブリでビオディナミを早くから実践している生産者として有名です。

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実は、ジャン・マルク・ブロカール自身のワインにはあまり興味な無かったのですが、最近注目を浴びている息子のジュリアン・ブロカールのワインに興味があり、何本か試飲し、Chablis 1erCru Vaudevey 2017(28.5€)とChablis Grand Cru Les Preuses 2017(58€)を購入しました。

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シャブリを離れる前に街中を少し散策しました。

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こじんまりながらもとても美しい村です。
今回の旅行もコート・ドールがメインだったので、シャブリは本当に駆け足で終わってしまいました。ワインもさることながら、ここには、素晴らしいレストランが集まっているようです。次回訪れることがあれば、ぜひ「オ・フィル・デュ・ ザング」に行ってみたいと思います。

(終)