5月最後の土曜日、久々に朝から晴れたので、ブルーベリーの今年初めての本格的な収穫を行いました。成熟の早いハイブッシュの中でもいくつかの極早生種の収穫ができました。
5月に入って雨が結構降り寒の戻りもありましたが、成熟の状況は昨年と凡そ同じで、この時期に収穫が可能になる品種もほぼ同じでした。
今年も1番手は、オーストラリア原産のサザンハイブッシュ系の「ユーリカ」という品種です。
日本では、大関ナーセリのみで販売されており、購入時に誓約書が必要な品種です。5本単位での購入が前提となる業者向けの品種です。長細い大きな花が3月に満開になりますが、この時期受粉昆虫がいないので、人工授粉が必須ですが、同じ時期に開花する品種が少ないので毎年苦労しています。
重みで枝がたわむほど非常に大きい実がなりますが、収穫量は少なめです。他品種による受粉が難しいので、その影響があるのかもしれません。どちらかと言えば、ハウス内で蜂を放ち、受粉させるような品種かと思います。樹勢は凄く強い品種なのですが....
甘いですが、収穫時期が少し難しいようで、タイミングによっては少し薄く感じられます。大きさは、最大で2.2cm、糖度は、13度とでした。
▼なお開花時期では、今年も、フロリダ原産の「スノーチェイサー」が一番でしたが、今年は結実率がいまいちで、昨年同様小粒です。非常に甘いので、個人的には一昨年の購入時は高く評価しましたが、昨年、今年で評価は下がりそうです。
▼ブラデン(サウスハイブッシュ系)です。1.6~1.7cm程度のまん丸い形状の実です。
ごちゃごちゃしていますが、色付いているのが殆どブラデンです。
▼花はこんな感じで、すさまじい数です。
何回か書きましたが、この品種の花の美しさは、ピカ一です。
毎年のことですが、この品種、花の多さと比較すると、結実率は低いです。まあ、この花が殆ど結実すると樹には相当な負担になるかと思いますので、自らコントロールしているのかもしれません。酷かった去年に比べると、今年は少しは多く結実したようです。
風味は、非常に甘いですが、酸がかなり弱いので、余計甘く感じるようです(糖度計では13度ほど)
▼アーリーブルー(ノーザン・ハイブッシュ系)
1.8mほどの大型樹として数年前に購入し、長らく最も多くの収穫量を誇ってきましたが、ここ数年は、寿命なのか、枯れこみも目立つようになり、収穫もめっきり少なくなりました。房状に大小入り混ざる実のなり方は昔と変わらず、甘酸のバランスがとれた風味も変わりありません。ノーザン・ハイブッシュ系の中では、最も早く熟し、色付いてから収穫できるまでの時間が短いのも特徴です。果実のサイズは最大で2.0cmほど、糖度は14度ありました。
▼オニール(サザン・ハイブッシュ系)
サザン・ハイブッシュ系の中では、最も人気が高く、ほとんどのホームセンターで買うことができます。自生根でもそこそこ実がなりますが、過湿にやや弱い等、やや繊細に感じ、大抵数年で元気がなくなったり、枯れてしまいす。接ぎ木に関しては、結構樹勢も強く、あっという間に大きくなります。実のなり方については、あまり大きな房状にはならず、豊産という程ではありません。
この品種が人気の理由は、完熟リンゴのコンポートのような独特の甘さです。完熟前に収獲しても甘いのが特徴です、甘いブルーベリーが好みであれば間違いなく嵌ると思います。大きさは1.7cm程度。
▼エチョータ(ノーザン・ハイブッシュ系)
ハイブッシュ系では、ここ最近は最も評価している品種です。写真では分かりにくいですが、かなりの豊産種です。かつ、極大実です。
花も実同様に大きいです。
▼最大2.5cm近い実が成ります。しかも平均的に大実になります。ノーザン・ハイブッシュの中でも早生種ですが、アーリーブルーよりは、完熟するのはワンテンポ遅れます。下記の糖度は13度ですから、極端に甘い訳でなく、甘みと酸味のバランスがとれた風味で、熟成時期がほぼ同じかちょっと遅れるスパルタンと似ています。大きさ的には、スパルタンを大きく凌駕します。これも接ぎ木苗ですが、ホームセンター等ではあまり見かけない品種です。7年生程で樹高2mを超えています。
▼スプリングハイ(サザン・ハイブッシュ系)
フロリダ大学の契約品種でオーシャン貿易でのみ扱っている品種です。購入後3年目(5年生?)ほどですが、それほど大きくはなってはいません。豊産と言うほどではありませんが、最大1.9cmの丸い形状の大実がそこそこ成ります。
完熟している大実は、甘いです。個人的には、もう少し酸が利いた味を期待しますが、これはこれでありかと。樹勢は普通かと思うので、安定した収量を得るには、ある程度時間が必要な品種かと思います。
▼サンタフェ(サザン・ハイブッシュ系)
こちらもオーシャン貿易で販売されている品種で、フロリダ大学の契約品種です。上記のスプリングハイに比べると、実はやや小ぶりで、中粒~やや大粒という感じです。サイズは1.6cmほど、糖度は13度、黄リンゴの甘い風味があります。他のノーザンハイブッシュと同様、今は大実のみが色付いています。
▼エメラルド(サザン・ハイブッシュ系)
大関ナーセリーで扱っている、上記同様フロリダ大学の契約品種です。カタログ上は、晩生種で豊産性となっています。一度枯死し、再度2年前に購入していますが、樹勢はそれほど強くなく、収量はムラがあります。中粒の品種です。
▼ミスティ(サザン・ハイブッシュ系)
オニール同様、レガシーなサザンハイブッシュ系の品種として、人気があります。1.6~1.7cmほどの大実に小粒の実が混ざります。アップルミントの独特の風味があり、お気に入りの品種です。糖度は、12度ほどでしたが、完熟するともう少し高くなると思います。
ブラデン同様多数の花が早くから咲きます。但し、かなり小ぶりの花で、ブラデンに比べると迫力はありません。
▼スパルタン(ノーザン・ハイブッシュ系)
ブルーベリーの王様とも称される優良種です。この時期は、ごく一部が色づいている状況です。甘酸のバランスが絶妙です。
▼サザンスプレンダー(サザン・ハイブッシュ系)
米ジョージア大学育成のパテント品種です。数年前に購入した当時はパッとしませんでしたが、樹齢があがるに従い、果実のサイズも安定し、1.6~1.7cmほどのそこそこの大きな実が成るようになりました。樹勢が強く、収量もそこそこあります。果実は、非常に甘く、完熟の手前ながら、糖度は、測定したら14度でした。
▼品種不明
最も収量の多そうな樹ですが、何と品種が分からなくなってしまいました、房成りと、この時期は完熟一歩手前ということから考えるとスパルタンっぽいですが、味で確認するしかなさそうです。
ということで、一日の収穫は、以下のようになりました。
<了>