Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブルーベリーの収穫(2019/7)

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7月に入っても天候が冴えません。雨がちで日照時間が少なく、果実の品質もいまいちです。ハイブッシュ系については、ほぼ終わり、ラビットアイ系が色付き始めてきます。この時期、名前のとおりウサギの目の色と紫色の美しいコントラストが楽しめます。ここ数年、栽培品種をハイブッシュ系品種にシフトしており、ラビットアイ系品種は絞り込んでいますが、ハイブッシュ系の収穫が終わった後で収穫を楽しめ、甘みの多いこの品種は夏の楽しみのひとつです。

大きさ:A 総じて大きい B 大粒~中粒  C 中粒が中心  D 小粒が中心
風味: A 特に優れる  B 優れる  C やや優れる~普通 D 劣る
収穫量:A 非常に多い  B 多い  C 普通  D 少ない

いずれの評価もあくまで我が家での実績であり、個人的な評価もあります。糖度も実測値です。一般の評価とは異なるものもありますので、予めご理解ください。

 REオクラッカニー(Ochlockonee)

大きさ:A 風味:A  収穫量:A 糖度:未評価
大関ナーセリー 自根4~6年生

我が家で最も多く栽培している品種が、オクラッカニーです。オクラッカニーは、日本では大関ナーセリーの専売になっています。一般市場には出回らないので、大関ナーセリーから直接購入する必要があります。ティフブルーとメンディトの交配種でジョージア大学で開発されています。日本での品種登録は2008年なので、登場して10年程度しか経っていません。樹勢、豊産性、果実の大きさ・硬さ(保存性)、そして風味、甘い完熟味、種の少なさ、全てが一流です。個人的には、ラビットアイ系でNo1の評価をしています。

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7月末の状態です

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一見すると果実は小粒~中粒のように見えますが、不思議なことに、熟す際に実が大きくなり、大実として収穫できます。完熟味は、上品な甘さですが、早採りするとやや薄い味になります。ラビットアイ系の欠点である皮やざらついた種は殆ど感じられません。果実のピークは遅く、7月末~8月中旬にかけて大量に収穫できます。紫に色つく前のオレンジっぽいピンク色も非常にきれいです。

 REバルドウィン(Baldwin)

 大きさ:B 風味:A  収穫量:B 糖度:未評価
ホームセンターで購入 自根5年生

中粒が中心ですが、収量は安定して多く、パウダースノーと並んで人気が高い品種ですが、収量の安定性という面では、こちらの方が優れているように感じます。

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天候不順な中で早採りしたためか、糖度は12度程度でしたが、完熟すればもう少し甘かったと思います。種の多さについてはラビットアイ系の平均的なものです。

REパウダーブルー(PauderBrue)

 大きさ:A~B 風味:A  収穫量:A 糖度:13度
ホームセンターで購入 自根6年生

オクラッカニーと並んで比較的晩生の種類です。中粒~大粒の実が鈴成りになります。ブルームが非常美しい果実です。比較的実も締まっています。

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完熟実は、甘く美味しく、種のざらつきはあまり感じません。非パテント品種としては、非常に優秀な品種だと思います。

REオンスロー(Onslow)

大きさ:特A 風味:B  収穫量:B 糖度:未評価
ホームセンターで購入 自根6年生

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中粒も混ざりますが、丸い大きな実を付けます。収量はそこそこ、特段に豊産性という訳ではありません。早採りしたせいか、それほど甘みは感じませんでした。種のざらつきは普通ですが、皮の厚さが気になる品種です。

REブライトウェル(Brightwell)

大きさ: B  風味:B  収穫量:A 糖度:未評価
ホームセンターで購入 自根8年生

ホームセンター等で容易に購入可能で、ティブルーと並んで人気品種です。中粒から大粒の実をつけます。豊産性で毎年安定した収量があります。

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実も甘いのですが、皮の厚さや種のざらつきについては、やや感じられます。

REノビリスT100(Nobilis)

大きさ: A(Max2.0cm) 風味:B  収穫量:A 糖度:13度
ホームセンターで購入 自根6年生

ノビリスという名前はあるものの、未だにT100という開発コードそのままの名前で呼ばれている不思議な品種です。ホームセンター等で容易に入手できますが、どちらの名前も使われています。熟し始めるのは早いですが、一方で8月位にならないと熟さない実もあり、収穫時期はばらつきます。

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これは、あまり良い写真ではありませんが、毎年安定して大実を付け、収穫量も多いほうです。完熟味は甘いのですが、大きめの種が目立ちます。

REヤドキン(Yadkin)

大きさ: B 風味:A 収穫量:C 糖度:13度
ホームセンターで購入 自根4年生

樹齢が低いせいか、未だ収量が安定しません。実は中粒ですが、硬いため保存性は良いと思います。

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1本しか栽培していないので、風味の評価はなんとも言えませんが、硬い割には甘みもそこそこあり、優れているように思います。

REフェスティバル(festival)

大きさ: A 風味:B 収穫量:B 糖度:13度
ホームセンターで購入 自根4年生、7年生

写真は、あまり適切なものではありませんが、7年経った樹は、例年通り多くの果実を付けました。ラビットアイのなかでは、比較的早く熟します。

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昨年末に4年生と思われる大苗を追加購入しましたが、思ったより結実しませんでした。これは、おそらく受粉の関係かと思います。樹勢はかなり強い品種ですが、種はやや感じられます。

REウィトゥ(Whitu)

大きさ: C 風味:B 収穫量:C 糖度:未評価
ホームセンターで購入 自根4年生

オノやラヒと並んでニュージーランドで開発された品種です。ちなみにオノやラヒも栽培していましたが、環境が合わなかったか、風味はいまいちだった為、昨年ドナドナしました。葉の色が薄いのは、クロロシスという症状で土壌のpH値が適切で無いために発生します。植え替えが必要なようです。そのせいか、樹勢が弱く、購入後2年経っても大きく成長しません。

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REフクベリー(Fuku Berry)

大きさ: A 風味:A 収穫量:B 糖度:未評価
生産者から直接購入 自根7年生

練馬区在住の福田さんという方が、ティフブルーの突然異変種から発見した品種のようでPVP品種になります。通販でも購入できるようですが、数年前に自宅を直接訪ねて苗を2本売って頂きました。畑は埼玉にあるようです。樹勢は強いのですが、極端な開帳性を持っているため、マンション等で鉢栽培するには枝の適当な誘因が必須です。

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大きな実は甘く、ティフブルーに似ず種のざらつきは少なく、風味・食感は優れています。超晩成品種と謳っていますが、確かに例年8月末くらいまで収穫できます。ただ、7月中旬に熟す実もあり、収穫時期はばらつきます。

ラビットアイ系は、土壌(pH)をあまり選ばず、比較的気候によらず強健、果実も甘い等良い面もあるのですが、最大の欠点は、皮が厚めで、種がざらつくものが多く、いわゆる「食感」がやや劣るということです。その為、最近は、ブルーベリーをある程度知っている人は、ハイブッシュ系を好む傾向があります。

今回収穫した品種で比較してみました。

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これを見ると、T100(ノビリス)は実も大きいですが、種も大きく、数も多いことが分かります。実際の食感も少し硬い種のざらつきが目立ちます。オクラッカニーやフクベリーも種は見られますが、実際食べてみるとそれほど感じません。種が硬い・柔らかいというのもあるのかもしれません。

ラビットアイ系のは、多くの種類があり、これまでも多くの品種を栽培してみました。栽培経験があるものの現在は、自宅では栽培していないのは以下の品種です。

ホームベル、モンゴメリー、プレミア、クライマックス、ウッダード、オースティン、アイラ、コロンブス、ブライトブルー、デライト、マル、オノ、ラヒ、ベッキーブル、アリスブルー、タカヘ

栽培していない理由は、さまざまで、樹勢弱い・食味いまいち・収穫量少ない等々ですが、ウッダード、クライマックス、アイラ、ベッキービル等は、仙台の実家の庭に植え替え、結構、大樹になっています。ハイブッシュの地植えは、失敗する確率も高いのですが、やはり強健・丈夫という点では、この品種系統は優位なようです。

最近の新品種が、フロリダやオーストラリアで開発されたサウスハイブッシュ系が多い中で、最近、タイタンやクレイワーといった大実系のラビットアイ系新品種がリリースされています。両方とも栽培していますが、タイタンについては、確かに非常に大きな実で、世間の評価も高いようですが、雨等で実が落ち易く、収穫のタイミングが難しかったりで、我が家では、いまいち評価が安定しません。プロの栽培家用の品種と感じています。クレイワーについては、個体の問題かもしれませんが、成長が遅いです。4年生になりますが、未だ結実しません。

ラビットアイ系で、現状、個人的に最も気に入っている品種が、「オクラッカニー」と「パウダーブルー」です。次点で、「フクベリー」と「バルドウィン」になります。「ブライトウェル」もやや皮と種を感じますが甘い品種です。

「オクラッカニー」と「フクベリー」については、専売のパテント品種なので、苗入手のハードルは高いです。ホームセンタで比較的容易に入手できる「パウダーブルー」「バルドウィン」「ブライトウェル」は、是非、栽培してみることをお奨めします。

<了>

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