コート・ド・ニュイの南端、コルゴロアン村にあるドメーヌ、ドメーヌ・ド・ラ・プレットのフラッグシップワイン、ヴォーヌ・ロマネ・レ・スショの2010年ヴィンテージです。
以前は耳にしたことのないドメーヌでしたが、先月このドメーヌのレジョナルの赤の最新ヴィンテージ(2018年)を初めて飲み、興味を持ちました。
ドメーヌ・ド・ラ・プレットは、プリモ・プラセ村の南に隣接し、コート・ド・ニュイの南端の村になるコルゴロアン村で18世紀から続く歴史のあるドメーヌで、6代に渡って女性当主が運営してきたようです。ドメーヌの名前の由来は、ニュイ・サン=ジョルジュに所有している1級畑の名前です。この畑もあまり聞いたことがありませんが、比較的標高の高い位置にある1級畑のようで、何人かの所有者はいるようですが、あまり有名なドメーヌの名前は見かけません。
▼これは、先に飲んだ、2018年のブルゴーニュ ・ラ・コルヴェ・オ・プレートルです。
2018年らしい濃いめの色調のラズベリーレッド、赤黒系果実の香りと樽からのやや強めのロースト香に甘味のある熟度の高い果実味が印象的で、2千円台で買えるレジョナルのブル赤としては、なかなか良くできたワインといういう印象をもちました。
レジョナルがそこそこ美味しかったので、上級ワインも飲んでみたく、探したところ、ヴォーヌ・ロマネの1級レ・スショのバックヴィンテージ(2010年)が見つかり、僅かに1万円を切る価格だったので購入してみました。
ドメーヌ・ド・ラ・プレット ヴォーヌ・ロマネ・1er・レ・スショ 2010年
[2010] Domaine de la Poulette Vosne Romanee 1erCru Les Suchot
樹齢40年の畑から。100%除梗。新樽50%で18ヶ月熟成
やや淡い色合い。先日飲んだ2018年のブルゴーニュとは全然違います。縁にレンガ色が少し入りますが、(光の関係か、写真では中心部まで淡く見えますが)中心部はまだ艶を残すラズベリーレッド。
デキャンタしたものの、抜栓直後は、香りは、殆ど立たず閉じており、やや冷涼な印象。時間が経つと徐々にラズベリーやブラックベリーの赤黒系果実の香りやシダ、バニラ、更に紅茶やタバコの熟成香が僅かに出てきます。アタックには、やや強めの酸。タンニンは丸いが、未だやや収斂性も感じます。1時間ほどすると、ヨードっぽいミネラル、甘草、ミント、ドライハーブの香りも加わり、さらに時間が経つと腐葉土のブーケも。ただ、やや依然として内向的で、ヴォーヌ・ロマネに期待する華やかさは抑えられている印象。
少し残して、2日後に再度、トライ。
すると初日とは異なり甘く華やかな香りが。香水とまではいかないものの、ベリーや薔薇に少しジャスミンが入ったような良い香り。タンニンも丸くなっている。
(初日は、3.1、3日目は3.3)
▼チーズはアルザスのプティ・マンステール。
本来は、同郷のゲヴェルツトラミネール等のアルザスの白が定石ですが、賞味期限間近で熟成が進み匂いも強烈になっているので、赤でも良いかなと思い合わせてみました。
クミンシードで香りを和らげますが、やはり強烈な香りと濃厚な味わいにワインが負けます。
2018年のレジョナルの外向的な印象とは全く異なり、薄い色合いで最初は完全に閉じている印象でしたが、3日目になって、やっとヴォーヌ・ロマネらしいフローラルで華やかな香りが少し出てきました。このドメーヌ、語れるほど飲んでいるわけではありませんが、昔のクラシカルな造りから、早くから楽しめる造り変わってきているように思います。
最近は、2010年のブルゴーニュを開ける機会も出てきましたが、プルミエ・クリュ以上のワインは、まだ閉じている印象をもつことが多く、デキャンタージュや少し時間をかけて楽しんだ方が良いようです。
<了>