Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブルゴーニュ旅行2023年~ブルゴーニュの美しい村編

16日間に渡った2023年のイタリア・フランス旅行のラストは、フランスの最も美しい村のひとつに選ばれているフラヴィニー・シュル・オズランに宿泊しました。加えて、その近くの美しい村、スミュール・アン・ノーソワを訪れました。ワイン産地以外のブルゴーニュの魅力を改めて知ることになりました。

「フランスの最も美しい村」としてブルゴーニュ地区で認定されているのは、全部で5か所あります。シャトーヌフ、ヴェズレー、ノワイエ・シュル・スラン、スミュール・アン・ブリオネ、そして、今回のフラヴィニー・シュル・オズランです。ちなみに「フランスの最も美しい村」の選定基準ですが、「人口2000人以下であること、保護されている2以上の重要文化財/歴史記念物があること、村議会で承認が得られていることの3つの前提条件を満たした村が応募資格を得ることができ、27項目にもおよぶ厳しい基準によって審査され、資格委員会に認められた村々が加盟しています。」とされています。
ブルゴーニュで選ばれている5つの村のうちこのうち、過去(2019年)に、ヴェズレーとシャトヌフは訪れています。

↓ヴェズレー(Vezelay)です。残念ながらメインの教会は補修工事中でした。↓シャトーヌフ(Châteauneuf)です。ここは、見どころ満載の村です。村の丘から眼下に見渡せる景色も絶景です。↓今回訪れたフラヴィニー・シュル・オズランです。
(全景をとらえた写真がなかったのでsnfc connectのHPでの写真を引用しています)今回、フラヴィニー・シュル・オズランを最後の宿泊地に選んだのは、もちろん、フランスで最も美しい村のひとつを訪れてみたかったという動機ですが、前宿泊地のボーヌからシャルルドゴール空港に向かう途中にあり、利用する高速道路(A6)にも遠くないということもその理由です。
フラヴィニー・シュル・オズランへ向かう前に、もうひとつ美しい村として知られているスミュール・アン・ノーソワを訪ねました。
以下は、この村の歴史について、Wikipediaからの引用です。
「スペインから戻る途中のヘラクレスが、スミュールをつくったという伝説がある。フラヴィニー=シュル=ロズラン修道院が606年に発した憲章にスミュールの名が登場する。sene muroと呼ばれていたスミュールは、天然の防御壁に囲まれた先祖伝来の地であると記されている。」この日は日曜日。街の中心部の広場では、骨董市が開催されていました。食器や装飾品、絵画等が中心ですが、(写真にはありませんが、)日本製の古いカメラも売っていました。村の中心にあるノートルダム・ド・スミュール=アン=ノーソワ参事会教会です。
最古の部分は1225年に建てられたものです。ファサード(正面)は14世紀、ブルゴーニュ公国時代のゴシック・フランボワイヤン様式の傑作とされています(Wikipediaより)ここは、山の上に築かれた城砦都市ですが、円を描くように蛇行している川(アルマンソン川)に囲まれています。街を囲む川辺の自然が非常に美しく、周辺をしばらく散策しました。池と川の違いはありますが、水連と柳の風景は、昔訪れたジヴェルニーのモネの庭を思い起こします。↓ちょっと記憶に残る光景です。

スミュール=アン=ノーソワ、比較的大きなコミューン(人口4000人以上)なので、「最も美しい村」の認定基準に当てはまりませんが、見ごたえのある城砦とそれを取り囲む美しい自然は、必見の価値があるかと思います。

2時間ほどのスミュール=アン=ノーソワの散策を終えて、最後の訪問地、フラヴィニー・シュル・オズラン (Flavigny sur Ozerain) に向かいました。
スミュール=アン=ノーソワからは、車で25分ほどの距離になります。

ここフラヴィニー・シュル・オズランもやはり、中世の城塞都市になりますが、ここは、8世紀にベネディクト会修道者によって建てられたサン・ピエ―ル大修道院で造られてきたアニスキャンディ(ドラジェ=砂糖衣菓子)で有名な産地として知られています。フランスのスーパーや売店でしばしば見かけるアニスキャンディは、ここの修道士によって開発されたものです。

↓村の入り口の城門になります。↓村の中心に小さな教会がありますが、あいにく当日は補修中でした。↓教会前の広場もこじんまりしています。修道院跡兼アニス・ド・フラヴィニーⓇの入り口です。↓この建物の中で、サン・ピエ―ル大修道院の地下礼拝堂が現在も大切に残されています。カロリング朝時代の地下礼拝堂は、フランス最古の宗教建築の一つとして知られている。40本もの柱に支えられており、繊細な彫刻が施されています。最近のフランスの有名観光地でも、日本語のガイドはなく、中国語のガイドのみとなっているところが多いのですが、嬉しいことに、こちらには、日本語のガイドが置いてありました。アニスキャンディの製法についても説明がありました。この修道院跡地の建物の中にアニスキャンディの工場と博物館があります。
↓アニスの種を一粒ずつシロップで2週間かけコーティングします。実際に使用されている釜のようです。↓色々なフレーバ香料のようです。各フレーバの香りを嗅ぐことができます。↓各フレーバのアニスキャンディを試食することができます。手を下に置くと1粒ずつ出てきます。好みは、カシスとコーヒーでしたが、やはりノーマルなアニス味がこのキャンディの特徴を最も顕しています。↓フランス国内の至る所で見られるキャンディですが、日本を含む世界各国に輸出されているようです。何故か日本の小学生の写真があります。↓ショップに並ぶアニスキャンディです。
缶入りのものが標準のようですが、お土産用に小さな箱入りのものもあります。
アニスは独特の風味があるので、好き嫌いを確認して、人にあげた方がよさそうです。
↓ビールやワイン、アイスクリームも販売されています。↓外には観光地でよく見かけるアレも。↓この村は、映画「ショコラ」の撮影地だったようです。映画は見たような記憶がありますが、あまりよく覚えていません。現在は単なる空き家になっているようです。↓当日宿泊したMaison GalimardというB&Bの宿です。表札も出ていないので探すのに結構苦労しました。大家の住居の2階部屋をB&Bとして提供しているようです。ここの飼い犬のSKY君(何故か英語)2歳です。ジャック・ラッセル・テリア犬種とのことですが、凄く人懐っこくて好奇心旺盛のワンちゃんです。帰国日、午前中の村歩きを終えて、シャルルドゴール空港に向かいました。
ワインのブログなので、最後にこの村唯一?のワイナリーにも触れたいと思います。
ワイナリーと畑は、この村の麓にあります。
Domaine de Flavigny-Alésiaというドメーヌのようです。
アポなしに訪れましたが、当日(日曜日)は試飲は行っていないということで、販売しているワインを1本購入しました。シャルドネやアリゴテ等の白がメインのようですが、ピノノワールも生産しているようです。但し、在庫は無いとのことでした。
畑は、ワイナリーのすぐ裏手にあります。↓これを1本購入しました。アリゴテ・シャルドネ・オーセロワのブレンドのようです。
飛行機の出発までは、4時間ほどの時間があったのですが、高速道路の途中で事項渋滞に巻き込まれ、焦りましたが、なんとか無事帰国することができました。
今回の16日間のイタリア・フランス旅行、イタリアでのレンタカーの故障や国境超えのバスでのバック盗難と様々なハプニングに見舞われましたが、目的はほぼ達成できたかと思います。ハプニングへの対応は、色々と勉強になったと前向きにとらえ、早々と次の旅行に思いを馳せています。