Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブルゴーニュ旅行2023年~南部ブルゴーニュ編

2023年9月後半に訪れたブルゴーニュ旅行、過去2度は、ワイン銘醸地のコート・ドール(黄金の丘)を中心に、そして、前回2019年は、加えて北部のシャブリ地方を訪れましたが、今回は、これまでに訪れる機会のなかった南部ブルゴーニュをターゲットとしました。

3度目のブルゴーニュは、コート・シャロネーゼ、マコネといった南部ブルゴーニュボジョレーを訪れるつもりで、初日のリヨンからボーヌへの移動途中にも立ち寄ることを予定していました。ところが、初日のトリノ-リヨン間のバスでのバック盗難のゴタゴタもあり、前半の予定が大幅に狂うハメとなりました。そんな中で、とりあえず、今回最も訪れたいと思っていた白ワインの銘醸地マコネのプイィ・フッセを最優先としました。

9月22日。当日朝は、コート・ド・ボーヌのヴォルネイ村に立ち寄りました。

高騰するコート・ド・ニュイの赤ワインに対して、コート・ド・ボーヌの赤ワインも決して手頃な価格とは言えなくなっていますが、比較的入手は容易です。そのなかでも、ヴォルネイのワインは、最近のお気に入りで、ミシェル・ラファルジュやマルキ・ダンジェルヴィーユ等のヴォルネイの造り手のワインに嵌っています。

↓このドメーヌのワインも比較的お手頃で、結構、お世話になっています。
ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドール(Domaine de La Pousse d'Or)です。ヴォルネイを本拠に置きながらも、シャンボール・ミュジニーのレ・ザムルーズやボンヌ・マール等のニュイの銘醸畑も所有している歴史のある名門生産者です。

↓ラ・プス・ドールとは関係ありませんが、ここは、ヴォルネイの銘醸1級畑、クロ・デ・シェーヌ(Clos des Chênes)です。ヴォルネイの街の中心からは少し離れていますが、結構大きな畑で、名前のとおり、Clos(石垣)が見られました。

ここヴォルネイから、昼食をとるため、この日予約していたコルポー(Corpeau)村のレストランに向かいました。コルポーは、コート・ド・ボーヌとコート・シャロネーズの境にある村で、コート・シャロネーゼの北端のシャニー村と隣接しています。ワイン産地としては、殆ど知られていませんが、そこそこ大きな村でした。↓目的のレストランは、Corpeauの立派な教会近くにありました。↓Auberge du vieux vigneronというレストランです。直訳すると「古いワイン生産者の宿」という意味のようです。少量ながらワインも生産しているようです。このレストランは、初日にお世話になったロコ(花岡さん)の旦那さんのお奨めのレストランだそうで、「日本人が思い描くとおりのフランス料理を味わえる」とのことで、予約もお願いしました。そこそこのテーブル数ですが、当日は、平日ながら満員の状態でした。
ここでは、ブルゴーニュワインを選ぶのが定石かとも思いましたが、結局、いつもフランスのランチでオーダする万能ワイン、プロヴァンスのロゼをオーダしました。

前菜は、ブルゴーニュと言えばコレ、エスカルゴ(フォンデュソース)です。↓メインです。手前は、鶏肉のグリル トランペット(茸)クリームソース添え。
奥の料理ですが、なんとザリガニの尾のグラタンです。ソースにはブルゴーニュのブランデー(マール)を使っているようです。ザリガニは中国やアメリカでよく食べられていることは知っていましたが、まさかフレンチで出てくるとは思いませんでした。ただし、殻付きのものではなく、さすがにフランス料理らしい調理方法です。
どちらも、絶品でした。
このランチ、デザート、コーヒー付きのセットで36€/人でした。このレストラン、人気がある理由が良く分かりました。ただ、予約は必須のようです。

昼食後、今回の目的地、マコネの南端で白ワインの名産地、プイィ・フッセに向かいました。ボーヌから高速(A6)を使えば1時間ほどの距離ですが、コート・シャロネーズのブドウ畑を眺めながら、下道を2時間ほどかけて走りました。

↓ジヴリGivryです。地味なアペラシオンですが、コスパに優れた赤ワインが魅力的です。最近は、ドメーヌ・ジョブロのワインがお気に入りです。↓Saint-Vallerinあたりの畑。白ワインに特化したAOCモンタニー(Montagny)の隣の村ですが、殆ど目にすることはありません。もちろん収穫はすでに終わっています。↓ここからプイィ・フュッセの北部の村、ソリュトレ・プィイとヴェルジッソン村に入ります。

今回、プィイ・フュッセを訪れたのは、高騰するブルゴーニュワインにあって、もともとコスパに優れた白ワインの産地であり、結構飲む機会が多いお気に入りだったことに加えて、有名な2つの丘、ヴェルジッソンの丘とソリュトレの丘を実際に見たかったこと。更に、この産地、2020年ヴィンテージから22のクリマが、1級畑(プルミエ・クリュ)に昇格したことで、大きな注目を浴びていることが動機です。

↓こちらが、ヴェルジッソンの丘(山)です。トレイルコースがあり、登れるようですが、夕方近かったのと不安定な天気で、早々に諦めました。少し大きめの石灰岩がゴロゴロしている土壌です。ヴェルジッソン村の土壌は、モンラッシェのあるピュリニィ・モンラッシェ村と同じ土壌とも言われています。

このヴェルジソン山のすぐ麓にワイナリーがあります。
ドメーヌ・ダニエル・エ・ジュリアン・バローです。このドメーヌがここにあることは知らなかったのですが、この入り口の看板で気づきました。

1級畑がリリースされ、注目を浴びることになったプイィ・フュッセですが、2021年にエクセレンスの試験を受けた際に、さっそく出題されました。しかも2問です。
・プイィ・フッセの1級畑のある4つの村(コミューン)を北?から原語で書け
・ヴェルジッソン村の1級畑を全て原語で書け
といった問題だったと記憶しています。1番目の回答(Vergisson、Solutré-Pouilly、Fuissé 、Chaintré)は問題なかったのですが、2番目(Les Crays、Sur la Roche、En France、La Maréchaude)の問題は1つ(La Maréchaude)外しました。
ダニエル・バローは、このヴェルジッソン村の4つの畑を全て所有しており、実は4つとも良く飲んでおりました。ただ、バローのPouilly-Fuissé "La Verchère"は、"La Maréchaude"に含まれる小区画だということを後日知りました。ということで、2020年ヴィンテージからダニエル・バローのラ・ヴェルシェールは、ラ・マレショードに改名されています。

この辺りを歩くと、いくつか聞いたことのあるワイナリーがあります。
↓ドメーヌ・カレット(Carrette)です。

↓ドメーヌ・ロジェ・ラサラ(Roger Lassarat)です。

↓こちらは、ヴェルジッソンの丘から見るソリュトレの丘です。麓にブドウ畑が広がっており、まさにこれが見たかったプイィ・フュッセの風景です。
↓ヴェルジッソンの丘の中腹の畑です。今回の写真は全て同じ日に撮影したものですが、青空が見えたと思ったら、すぐに雨といった、目まぐるしく変わる天気でした。この虹がそれを象徴しています。
本来2日で周る予定であった南部ブルゴーニュですが、駆け足の訪問になってしまいましたが、やはり好きなワインの産地を巡るのは、楽しいものです。
また、この地を訪れる機会があれば、ぜひ、今回断念したボジョレーにも足を延ばしてみたいと思っています。

(→ブルゴーニュの美しい村編に続く)