Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブルゴーニュ旅行2023年~コート・ドール編

2023年9月、ブルゴーニュを訪れました。2015年、2019年に続く3度目のブルゴーニュですが、今回は、イタリア旅行に合わせて、トリノ~リヨン経由で向かいました。ちょうど収穫期にあたるため、家族経営の多いブルゴーニュのワイナリ訪問は難しいと思い、ゆっくりと初秋のブルゴーニュを楽しむこととしました。

前編で主に収穫期の(正確にはほぼ収穫を終えた)コート・ドールの様子、後編で今回訪れたそれ以外のブルゴーニュの村々のことを中心に書きたいと思います。

今回、当初は、イタリアのトリノからリヨンへ電車で移動し、リヨンでレンタカーを借りて、ボーヌに向かい、最後は、パリ(シャルルドゴール空港)でレンタカーを返却するというプランでした。ところが、トリノ-リヨン間の電車が、8月に発生した崖崩れの為、運休しており、バスでリヨンに向かうことになりました。
ここで、大きなトラブルが...
トリノーリヨン間のバスで荷物室に置いたキャリーバック1つが盗難にあってしまいました。おそらくトリノで乗車時に盗まれたのではないかと想像しています。電車で荷物を座席から離れたところに置く場合は、気を配っているのですが、今回は、電車の運休というアクシデントもあり、少し気が動転しており、注意が足りなかったようです。

盗難届は、盗難にあった場所でなくても、フランス国内どこでもできるということで、ボーヌ到着後に、ジュヴレ・シャンベルタンの警察で手続きを行いました。
フランスの警察は、国家警察とジャンダルムリ(憲兵隊)に大きく分かれ、後者のジャンダルムリは、農村部や都市近郊部を管轄しているようですが、もうひとつの大きな違いは、盗難や空き巣等の届けに関しては、国家警察では扱ってくれず、ジャンダルムリのオフィスに行く必要があるようです。
↓盗難届を出したジュヴレ・シャンベルタン村のジャンダルムリのオフィスです。
(携行品盗難保険請求は、警察への届けを証明する書類が必要になります)

このトラブル対応の為に初日の予定が大幅に狂ってしましましたが、今回唯一事前に予約していたワイナリーで試飲兼昼食を取りました。
↓ジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌ・トラぺ(Domaine Trapet)です。中に入ると広めの試飲ルームがありますが、試飲に合わせて食事が取れるようになっています。食事と試飲がセットになっているというより、試飲すると食事が付いているということのようです。試飲コースは、3種類あり、自分は赤白8種類(145€)、妻は白4種類(70€)のコースを選択しました。試飲料145€というと凄く高く感じますが、シャンベルタン含む3種のシャンベルタン・グランクリュが含まれています。
↓白の2種類。ブルゴーニュではなく、トラぺがアルザスで造っている白ワインです。
シュロスベルグ2019とシェネンブール2019です。いずれもアルザスの特級畑です。特にシュロスベルグは、アルザス最初のグランクリュとして有名です。
トラぺのアルザスワインについては知っていましたが、アルザスグランクリュの存在は知りませんでした。日本でも販売されているようですが、1万円近くします。Minima Blancというアルザスのスタンダードキュヴェ(白品種5種のブレンド)も飲みましたが、やはり、グランクリュは格が違います。厚い果実味とミネラル感に圧倒されます。ボトルでじっくり飲んでみたいワインです。

赤は村名からグランクリュまでの5種類。
・Gevrey-Chambertin 2017(Ostreaだと思います)
・Gevery-Chambertin 1erCru Clos Prieur 2017
村名のオストレアは、以前は、時々飲んでいた銘柄ですが、最後に飲んだのは5年くらい前だったと思います。
中程度の色合いのラズベリーレッド。ジュヴレ・シャンベルタンらしい骨格はあるものの、酸やタンニンは尖っておらず、どちらかと言えば、親しみやすい印象。2017年というヴィンテージの特徴を反映しているように思います。ただ、さすがに熟成香は殆ど感じられず、まだまだ若い印象。プルミエクリュのクロ・プリュエールは、村名に比べ、僅かに濃く、味わいにも少し深みが増し、きめ細かいながらタンニンもそれなりに感じられます。・Chapelle-Chambertin 2017
・Latricieres-Chambertin 2011
・Chambertin 2006

シャペル・シャンベルタン2017年は、黒系果実の要素が少し強くなり、甘草のスパイス香、味わいにジュヴレらしいアーシな感じと、より骨格が感じられます。正直、今飲むのは少し早い印象です。
ラトリシエール・シャンベルタン2011年は、一転して、熟成感が顕わています。魅力的な化粧香が感じられ、エレガント印象。どちらかと言えばオフヴィンテージですが、今飲んで美味しいグランクリュだと思いました。
シャンベルタンは、縁に熟成を感じさせるオレンジ色が混ざる色調、香りにも腐葉土や獣的な熟成香を感じる。重厚な味わいを想像しましたが、意外にもエレガント。2006年は、超優良ヴィンテージの翌年なので、あまり注目されていませんが、グランクリュは、まさに今が飲み頃と感じます。左端がGevrey-Chambertin Ostrea 2017、右端がChambertin 2006です。試飲がメインで、昼食はオマケと聞いていましたが、しっかりとした食事です。
↓前菜のパセリハム。これは、典型的なブルゴーニュ料理です。スーパーでもよく見かけました。これもブルゴーニュの郷土料理、ブッフ・ブルギニヨン、牛肉の赤ワイン煮込みです。
結構なボリュームでした。最後のワインが、ゲヴェルツトラミネール スポーレン2016年です。Sporenもアルザスの特級区画です。
デイリーワインで飲むゲヴェルツトラミネールと違います笑。フローラルでライチの香は、まさにこの品種の特徴ですが、厚みとコクがあり、甘みを強く感じます。ねっとりとした甘みではなく、綺麗な酸を伴うエレガントな甘さです。トラぺのシャンベルタンの2020年ヴィンテージは、高い評価もあり、20万円に近づいています。1年前、2019年を思い切って買いましたが、ここまでくると、もう手が出ません。その意味で、この昼食付でアルザスを含めグランクリュ6種を含む8種類のワインが145€で味わえるのはむしろお得かもしれません。
盗難事件のことを忘れさせてくれる楽しいランチでした。

1日遅れでレンタカーが借りられると、ブルゴーニューの畑を周りました。
まず、どうしても、ヴォーヌ・ロマネに向かってしまいます。
訪れたのは9月20日ですが、ロマネ・コンティやリシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァンといった特級畑では、収穫は前週までに終えたとのことでした。
ロマネ・コンティの畑です。最近は、市場で目にすることもなくなりました。↓ラ・グラン・リュ、こちらも15万越えです。奥(上部)は、村名のヴォーヌ・ロマネ・オー・シャン・ぺルドリです。↓ロベール・アルヌー(現アルヌー・ラショー)のロマネ・サン・ヴィヴァンの畑。
代替わりしてから、とても手の届かない価格になってしまいました。↓リシュブールの畑(DRC区画)ですが、なぜか、収穫されず残っています。
(ちなみに望遠で撮影しています)↓リシュブールの上部、ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥの畑。エマニュエル・ルジェの最新ヴィンテージ2020年は、エノテカで、なんと149万円の値がついていました。ヴォーヌ・ロマネの銘醸畑の収穫が既に終わっている中で、唯一、収穫中の一級畑がありました。
↓ここ、ロマネ・サン・ヴィヴァンの隣に位置する(というより食い込んでいる)1級畑のラ・クロワ・ラモー(La Croix Rameau)です。ここの所有者は僅かに2人しかいないので、どちらかでしょう。
ちょうど、昼の休憩中でした。何故か、白ブドウが混ざっています。↓畑の中の細い道を車で走っていて、カメラを向けると、こんな風にリアクションしてくれました。エシュゾーの東端かヴォーヌ・ロマネのメジエールの畑あたりだったと思います。この時は、まだ青空が見えましたが、実はこの2時間くらい後に大雨が降りました。
あわてて荷台の収穫直後のブドウにシートをかけている姿が見られました。この地も、急変する天候に悩まされているようです。

冒頭に書いたように、今回は、ワイナリー訪問は、トラぺだけ(試飲のみ)でしたが、せっかくなので、いくつかショップ回りをしました。
まず、毎年訪れている、ヴォーヌ・ロマネ唯一?のワイン・ショップ、La MAISON des VINSです。ここは、ドメーヌ・ベルトー・ジェルべのショップです。当然ながら、ドメーヌ・ベルトー・ジェルべのワインが中心ですが、グロ・フレール・エ・スールやフランソワ・ラマルシュ、ジャン・グリヴォー、モンジャール・ミュニュレのワインも置いています。みんなご近所さんです。ちなみに、2015年に訪れた際はDRCのワインも売っていました(エシェゾーが350€)。この日は、ヴォーヌ・ロマネ2020とヴォーヌ・ロマネ・プティ・モン2021を購入しました。54€と95€でした。円安ではありますが、日本で買うより、少しだけ安く買えました。ちなみにエシェゾー2021は、164€でした。試飲もできます。以前もありましたが、日本のリアル・ワイン・ガイド誌が置いてあります。↓すぐそばに、DRCがあります。従業員?お客さん? ↓オスピス・ド・ボーヌ内のショップです。オスピスの見学には入場料が必要ですが、ショップには自由に入れます。
ここでは、Corton Cuvee Charlotte Dumay 2016を1本購入(132€)。落札されたものではなく、ここで熟成されたワインです。そのほか、ジョセフ・ドルーアンや一般のワインショップをまわりましたが、円安のせいもあり、あまりお得感はありません。もちろん、高騰している有名生産者のレアワインは、ショップの店頭には並んでいません。
ちなみに、ボーヌのとあるショップでは、こんなものが・・、ジャパニーズウィスキーです。イタリアで購入したワインとともに、ハンドキャリーで日本に持ち帰りました。前回も利用した発泡スチロールと段ボールを組み合わせた単なる「箱」ですが、海外からのワインの持ち帰り用には、非常に便利です。持ち手がないので、スーツケース用のベルトをクロスにして持ち手を造ります。
厳重に梱包してスーツケースに入れて持ち帰るのが一般的かと思いますが、本数も限られ、万が一破損した場合は、悲惨なことになります。専用のキャリーケースも販売されているようですが、結構高価ですが、こちらは、セットで3千円ほどで購入可能です。
↓これを売っているのは、前回の旅行で知ったボーヌ郊外にある「La Vigne Le Vin」というワイン生産・販売者用の資材を販売しているショップです。ちなみドアの横に積まれているのは、カートではなく、瓶熟成の為のゲージです。
ブドウの収穫で使用されるプラスティックケースです。↓いわゆるプロ向けのショップですが、ここで購入したのがこれです。発泡スチロールのクッションといろいろなサイズの段ボールを組み合わせることで、6本用にも、9本用にも、12本用にもなる優れものです。↓この商品ですが、日本ではおそらく販売されていないと思います。
https://europackwine.fr/
段ボールはやや薄いので、布でカバーを造るとかすれば、万全かと思います。
12本でも国際線であれば問題なく持ち帰れます。

ボーヌ最終日は、次の宿泊地、フラヴィニー・シュル・オズランに向かう国道(D974)を走りながら、この幹線道路の両脇の畑を少し眺めました。
プレモー村の国道沿いのモノポールの銘醸畑、ジャック・フレデリック・ミュニュレのクロ・ド・ラ・マレシャルとラルロのレ・フォレです。
以前は、いずれも1万円以下で買えましたが、最近は2万円前後になってしまいました。こちらは、ジュヴレ・シャンベルタン村のD974を挟んで東側にあるの村名の畑(Creux Brouillardだと思います)です。この辺りは、未だ、ところどころで、収穫が続いているようでした。

バック盗難という思わぬアクシデントに見舞われ、予定していたいくつかのイベント(カシシウム訪問やマスタード造り体験など)はキャンセルせざるを得ませんでしたが、少し気温の落ち着いた初秋のブルゴーニュの風景を堪能することができました。ブルゴーニュラヴァーの自分にとって、ここは、何度訪れても飽きることはありません。

最後に、今回のワイナリー(トラぺ)アテンドやお奨めレストランの予約、さらに
トラブル対応の相談や警察対応のアシストまで親身にご対応いただいた、マルサネ村在住の花岡様に深く感謝します。

後編では、初めて訪れたブルゴーニュ南部のヴェルジッソン村やフランスの美しい村に選ばれたスミュール・アン・ノーソワ、フラヴィニー・シュル・オズランについて書きたいと思います。

(→南部ブルゴーニュ編に続く)