6月に入るとハイブッシュ系の多くの品種が色付き始め、早生品種は食べ頃を迎えます。我が家の主力品種のスパルタンも5月後半から色づき始め、6月中旬には、完熟実が楽しめるようになります。主に6月中旬~下旬に食べごろを迎えたブルーべリーやピンク品種をテースティング結果とともにご紹介します。梅雨に入り、なかなか成熟が進まなかったり、収穫できない日も続きます。
大きさ:A 総じて大きい B 大粒~中粒 C 中粒が中心 D 小粒が中心
風味: A 特に優れる B 優れる C やや優れる~普通 D 劣る
収穫量:A 非常に多い B 多い C 普通 D 少ない
いずれの評価もあくまで我が家での実績であり、個人的な評価もあります。糖度も実測値です。一般の評価とは異なるものもありますので、予めご理解ください。
HBオーゼキブルー(Ozeki Blue)
大きさ:C~D(Max1.6cm)風味:A 収穫量:B~C 糖度:13度
大関ナーセリーより購入(PVP品種) 6年生
名前のとおり大関ナーセリの専売品種です。
果実は丸く、中粒~小粒で、比較的豊産性です。
風味は特に甘いのが特徴です。上記実測値はあまり高くありませんが、昨年の果実の印象は、とにかく甘いことです。我が家では、やや果実が小粒に偏ってしまうのが難点です。手入れの問題もあるかもしれませんが、数本栽培して、同じような結果です。
NHシエラ(Siera)
大きさ:B(Max1.7cm)風味:B 収穫量:B 糖度:13度
生産者より直接購入 樹齢不明(6~8年?)
昨年、購入した大苗です。かなり多くの大き目の花が咲きましたが、最終的な結実は、それほど多くありませんでした。ブルームの多い大実が成ります。
ノーザンハイブッシュらしい酸味が少しありますが、風味は良好です。やや硬めの実でで、保存性は結構良さそうです。大苗で場所を取りますが、ある程度安定した収穫が今後も望めそうな品種です。
SHサンタフェ(Santa Fe)
大きさ:A~B(Max2.0cm)風味:B 収穫量:C 糖度:13度
オーシャン貿易より購入(PVP品種)4年生
一昨年、オーシャン貿易から購入した品種です。結構大きな実がなります。
すごく甘いという訳ではありませんが、風味は悪くありません。 まだ若いので、収穫量については、なんとも言えませんが、樹勢は強いので、同じオーシャン貿易のスプリングハイとともに期待したいと思います。
SHノーマン(Norman)
大きさ:A~B(Max1.8cm) 風味:A 収穫量:B~C 糖度:15度
大関ナーセリーより購入(PVP品種) 6年生
この品種はレガシーの子孫のようです。ガクが小さめの大実が房状に成ります。昨年はそれなりに収穫がありましたが、今年はやや少なめです。
実は硬く親のレガシーに似て、熟成には時間を要します。中生~やや晩生の品種のようです。非常に甘く糖度15度を超える実もありました。レガシー並みの豊産になれば有望な品種だと思います。
SHメドーラーク(Medowlark)
大きさ:B(Max1.7cm)風味:- 収穫量:C~D 糖度:13度
大関ナーセリーより購入(PVP品種)5年生
フロリダ原産のパテント品種です。
あまり収獲量が安定しません。環境や手入れの問題もあるのかもしれませんが、正直、現時点では、評価は難しい品種です。
NHプル(Puru)
大きさ:B~C(Max1.8cm) 風味:B 収穫量:A 糖度:13度
中島農園ブルーインパルス 接木7年生
アーリーブルーとブルークロップの交配品種です。若いうちは、あまり感じませんでしたが、樹齢が高まると収穫量がかなり増えました。但し、あまり実を多く成らすと、中粒~小粒になります。
酸味と甘みのバランスのとれた風味です。自根・接木ともにホームセンター等で比較的入手しやすい品種です。中生~やや晩生種のようです。
SHマグノリア(Magnolia)
大きさ:A~B(Max1.8cm) 風味:B 収穫量:B 糖度:12度
中島農園ブルーインパルス 接木6年生
中~大粒の実が房なりに成ります。中~晩生の品種のようです。
完熟すれば甘いですが、色づき始めてから熟すまでやや時間を要します。
SHアイバンホー(Ivanhoe)
大きさ:A(Max1.9cm) 風味:B 収穫量:- 糖度:-
ホームセンターで購入 接木6年生
接ぎ木ですが、樹勢が非常に強い印象を持っています。例年、大実が成りますが、今年は、根を痛めたせいか、収穫はいまいちでした。
熟成果はそこそこ甘い品種ですが、今年はあまり味わえませんでした。
SHピロキシ(Piloxi)
大きさ:C(Max1.5cm) 風味:- 収穫量:- 糖度:-
ホームセンターで購入 2年生
過去に何度か自根苗を購入しましたが、2年ほどで枯れてしまいます。枝は細く、樹勢はあまり強くありません。今回も2年生を購入しましたが、未だ若く評価できる状態ではありません。
NHチャンドラー(Chandler)
大きさ:A(Max2.2cm) 風味:B 収穫量:B~C 糖度:11度
中島農園ブルーインパルス 接木7年生
500円玉級の超特大実が成るのを謳い文句にホームセンターでよく見かける品種です。確かに樹勢も強く、素晴らしく大きな実が成ります。
ただ、当地(東京練馬区)では、なかなか品質が安定しません。晩生で、熟成するまでに時間が掛かりますが、気温が高い日が続くと過熟の状態になり、風味が極端に落ちる傾向があります。一方で、十分に熟す前の実は、強い酸味が残ります。要は、高温に弱く、収穫のタイミングも難しいという印象を持っています。自根も接木でも同じような傾向を示します。この品種の特性なのか、当地の環境と合わないのかは、不明です。
NHレガシー(Lagacy)
大きさ:A~B(Max1.9cm) 風味:B 収穫量:A 糖度:12~13度
中島農園ブルーインパルス 接木7年生
樹勢が非常に強く丈夫な品種です。中~晩生品種で、色づいてから収穫可能になるまでやや時間が掛かりますが、とにかく豊産性で、今年は、スパルタンとほぼ同じ収穫量がありました。中粒~やや大粒の多くの実をつけます。
成熟前の実はそれなりの酸味を感じますが、十分熟すと優れた風味に成ります。
HBピンクレモネード(Pink Lemonade)
大きさ:B~C(Max1.5cm) 風味:B 収穫量:A~B 糖度:14度
ホームセンターで購入 接木5年生
最近ホームセンターでよく見かけるラビットアイとハイブッシュのハイブリット系品種です。接木もしばしば売られています。
なんと言っても名前通りピンクの果実が特徴です。非常に甘く、収穫量もそこそこあります。ラビットアイよりはるかに早く収穫が行えます。ここまで書くと非常に良い品種の印象を受けますが、この品種には大きな欠点があります。果実が日持ちしません。熟したとたんにアッという間に柔らかくなってしまいます。濃いピンクになるまで収穫を待つと、熟し過ぎてしまいます。このような性質なので、市場流通は難しいと思います。逆に言えば、自家栽培でのみ楽しめる品種かと思います。完全にピンクに熟さなくても、十分に甘いです。
SHサウススプレンダー(South Splendour)
大きさ:A~B(Max1.7cm) 風味:A 収穫量:B 糖度:14度
大関ナーセリーより購入(PVP品種) 7年生
3年生で購入して数年は、収穫量はそこそこ多いものの、中粒~やや小粒で、あまりパッとしませんでしたが、今年は大実が収穫できました。ようやくこの品種の本来の性質が顕れたようです。非常に甘い品種ですが、色づき始めてから甘くなるまで少し時間が掛かります。中生品種のようです。
今年は収穫量が少なく、掲載しなかった品種もありますが、また来年、ご紹介したいと思います。
<了>