家飲みを中心に2024年4月に飲んだワインの記録をアップします。
初めて飲んだフランソワーズ・ジャニアールのペルナン・ヴェルジュレスとトルブレック ザ・スティディング ブランの美味しさが印象的でした。
フランソワーズ・ジャニアール ペルナン・ヴェルジュレス VV ルージュ 2020
[2020] Francoise Jeanniard Pernand Vergelesses VV Rouge
初めて飲む造り手のワインです。以下、インポーター情報要約です。
コルトンの麓、ペルナン・ヴェルジュレス村にあるドメーヌ。2002年からフランソワーズ・アルぺランジュ女史がドメーヌ運営を引き継いで現在で4代目。アロース・コルトンとペルナン・ヴェルジュレスに僅か2.5haの畑を所有する小さな造り手です。ペルナン・ヴェルジュレスの畑は、南東向きの急斜面で日当たりと風通しが良く繊細なテロワールを持つ「Les Pins(レ パン)」という区画と1級畑に囲まれたなだらかな斜面で複雑さを表現する「Les Boutieres(レ ブティエール)」の2区画にあり、樹齢60年以上の古木。
↓ペルナン・ヴェルジェレスは、コルトンの丘のこの裏手側になります。手前は、アロースコルトン。右奥は、ラドワ村です。
以下、ワインの感想です。
やや濃い目ながら、紫は消え、落ち着いた色合いのラズベリーレッド。
香りは良く開いており、ラズベリー、レッドチェリー、レッドプラムの赤系果実、スミレ、リコリス、ヴァニラ、ナツメグに熟成を示すイチジクや下草のブーケ。味わいのアタックは、中程度の柔らかい酸と熟度を感じる果実味、タンニンも中程度で滑らかな質感。2020年らしい濃さは感じらるものの甘みはぎりぎり抑えられている。甘・酸・タンニンのバランスが取れており、若いものの、そこそこの複雑さも感じられる。ヴィンテージの恩恵もあるかと思いますが、予想以上に美味しく、あっという間にボトルが空いてしまいました。
(3.3)
このワインは、オークションで4千円以下で購入したものですが、知名度も手伝い、ショップ価格でも6千円台前後と2020年のブル村名としては、お手頃価格で、コスパは結構高いと思います。
トルブレック ザ・スティディング ブラン 2018年
[2018] Torbreck The Steading Blanc
ラン・リグで有名なバロッサ・バレーのトルブレックです。
↓2022年に訪れました。
トルブレックの白は初めて飲みました(The Steadingは、赤白があるようです)
白は、ルーサンヌ50%・マルサンヌ30%、ヴィオニエ20%のローヌブレンドです。
輝きのあるやや淡いレモン色。洋ナシ、ピーチ、パイナップル、アカシア、ディル。ヴィオニエに由来すると思われる僅かなトロピカルな香りや、ヴァニラやバター、蜂蜜のアロマ。味わいのアタックに中程度の酸、中盤に熟度の高い上記果実とやや高めのアルコールからの厚み、ミネラル、ブレンドによる複雑さが感じられ、ややスパイシーな苦みの余韻に続く。美味しい。
(3.4)
ドメーヌ・レシュノー ニュイ・サン・ジョルジュ シュイエ V.V. 2018年
[2018] Lécheneaut Nuits Saint Georges Au Chouillet Vieilles Vignes
ドメーヌ・レシュノーのニュイ・サンジョルジュ村の北側、ヴォーヌロマネ側の村名畑Au Chouilletのワインです。樹齢60年のヴィエーユ ヴィーニュです。
D974側から見たニュイ・サンジョルジュ北部の畑です。
地形的に分かり易く、奥の斜面部分がプレミア・クリュの畑、手前に続く平坦な畑が、広大な村名畑です。左端が、ニュイ・サンジョルジュの街になるので、Au Chouilletは、写真の中央やや左寄あたりになるかと思います。
以下、ワインの印象です。
やや濃いめのラズベリーレッド。ブルーベリー、ブラックベリー、ダークチェリー等のやや黒系寄りの果実香。フィグ、スミレ、ヴァニラ、ナツメグ、土、林床。味わいのアタックは、中程度の酸。ダークチェリー、ブルーベリの果実にドライフィグ、ナツメグ、リコリス、土っぽさ。タンニンは中庸だが滑らか。2018年ヴィンテージにしては、甘さは抑えられ、熱量は高くない。風味はやや閉じ気味の印象だが、骨格感があり、熟成で美味しくなると思われる。
(今は3.1)
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セラファン・ペール・エ・フィス ジュヴレ・シャンベルタン V.V. 2012年
[2012]Sérafin Père & Fils Gevrey Chambertin Vieilles Vignes
お気に入りのセラファンのジュヴレ・シャンベルタンVVです。飲み頃を迎えたと思います。
外観はダークチェリーレッドに近い。ブルーベリー、ブラックベリー、ブラックチェリー、ドライローズ、ドライハーブにクローヴ、ヴァニラ、リコリス、シナモンの甘苦スパイスやジュヴレらしい鉄のニュアンスも。林床やスーボワの熟成香も出ており、複雑。アタックの酸は中程度、タンニンは未だ豊かに感じられるが滑らかな質感。熟度の高い果実からの柔らかな甘みが感じられるが、しっかりとしたストラクチャーと旨味は、やはりセラファンのワインらしい。
(3.5)
↓自家製低温料理のローストポークといただきました。
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ルモワスネ・ペール・エ・フィス ジヴリ ブラン レ・プレフェール・デュ・アンリ・キャトル 2019年
[2019]Remoissenet Père et Fils Givry Blanc Le Préféré du Roi Henri IV
蔵出し古酒のイメージが強いルモワスネのワインですが、最近は、新しいヴィンテージもよく見かけるようになりました。
やや濃いめの輝きのあるレモン色の外観。香りの強さは中程度。熟したリンゴ、洋ナシ、ピーチ、アプリコットの果実香。アカシアの花、バニラ、バター、クリーム。僅かに蜂蜜やママレードの熟成香も。アタックの酸はやや控えめで柔らかく感じる、完熟果実からの甘い果実味が広がる。ボディは、ミディアム。ヴィンテージの影響を映してか、ジューシーな甘さが優勢で、相対的に酸が弱く感じられる為、現時点では、バランス的にちょっと気になる。おそらくあと2,3年後に飲めば甘みが落ち着き、バランスが取れて印象は変わるはず。
(3.2)
ベル・コッレ バローロ シンポジオ 2019年
[2019]Bel Colle Barolo Simposio
38ヶ月の熟成期間が義務付けられている故、高価になりがちなバローロにあって、3千円前後で購入できるお手頃バローロです。
ベル・コッレは、ルカ・ボジオ氏によってピエモンテ州に設立されたボジオ・ファミリー・エステートが所有するワイナリーです。バローロ地区ヴェルドゥーノ村に1970年代に設立され、1980年にボジオ・ファミリー・エステートの傘下に入り、近代化を進めています。
縁にオレンジ色が混ざるやや淡いラズベリーレッド(ガーネット)。バローロにしては濃い色調。抜栓直後は、香りは、やや閉じ気味ながら、タンニンはネッビオーロと思えないくらい円やかで、甘やか。暫く経って徐々に、ラズベリーやドライアプリコット、スミレやドライローズ。ミントやセージのハーブ香にブラックペッパーやクローブ、リコリスのスパイス香。味わいのアタックにやや強めの酸と抜栓直後と打って変わって引き締まった収斂性を伴うタンニンが感じられ、余韻まで続く。香りの複雑さや深みは、やはり高価なバローロに及ばないが、ネッビオーロを気軽に楽しむと考えれば、お奨めのワインです。
(3.1)
ドメーヌ フォンカリュ サンシニアン ブラン カラクテール ユニーク 2019年
[2019] Caractère Unique Saint Chinian Blanc
昨年、初めて飲んで、コスパの高さを感じたランクドック・ルージョン、サン・シニアンの白です。グルナッシュ・ブラン45%、マルサンヌ45%、ヴェルメンティーノ10%。
輝きのあるレモンイエロー。抜栓直後の低い温度では、青リンゴにレモン、ライムの完熟柑橘果実、温度が上がると洋梨やピーチのストーンフルーツの香りも。石灰からのミネラルやホワイトペッパー。僅かな樽由来のヴァニラ、ココナッツ。味わいのアタックに心地よい伸びやかな酸、最初はドライでやや軽く感じたが、温度が上がると、どんどんボリューム感が感じられるように。心地よい苦みのニュアンスの中程度の余韻。
千円ちょっとのワインとしては、シャバ感は全くなく、秀逸だと思います。
(3.1)
リアルワインガイドでも88+の評価で旨安賞を受賞していたようです。
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ゴールディング ロッコ・シラーズ 2019年
[2019] Golding Rocco Shiraz
2022年9月にアデレード・ヒルズにあるワイナリーを訪問し、ハンドキャリーしたシラーズです。
Goldingは、ダレンとルーシー・ゴールディング夫妻により、アデレード・ヒルズのレンズウッドに2002年に設立されたワイナリーです。非常に美しい庭園とセラードアが印象的でした。
外観は濃いめのダークチェリーレッド。カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブラックプラム、セージ、ブラックペッパーやリコリスのスパイス。カカオ、コーヒー、肉、皮革。味わいのアタックは豊かな酸とやや甘みを伴う果実味。タンニンは中程度で比較的円やか。2日目は、初日にはあまり感じなかったローズマリーの香りも。
濃い色合いの割には、重さを感じさせないシラーズ。アデレード・ヒルズを代表するショウ・アンド・スミスほどではないが、バロッサヴァレーのシラーズに比べるとエレガントで飲み易い。
(3.3)
残念ながら、現時点では日本には輸出されていないようです。
ドメーヌ・ド・ヴェルニュス シルーブル 2021年
[2021] Domaine de Vernus Chiroubles
2019年にボジョレー地区にブルゴーニュ生まれのフレデリック・ジェムトン氏により設立されたドメーヌです。エマニュエル・ルジェ氏の次男のギョーム・ルジェ氏がコンサルタントとなっていることで、ちょっと話題になったドメーヌです。
昨年、2020年と2021年のモルゴン(Morgon)を飲んでいます
→ドメーヌ・ド・ヴェルニュスのモルゴン2020/2021比較はこちら
外観は紫色が残るやや淡いラズベリーレッド。抜栓直後の香りはやや控えめで閉じている印象。ラズベリー、ワイルドベリーの赤系果実、キャンディ、スミレ、リコリスの香り。味わいのアタックに強い酸味を感じる。甘みは少なくドライ。タンニンはやや少ない。赤いベリーとややスパイシーな味わい。同じヴィンテージのモルゴンも飲んでいるが、(同時期の飲み比べでないので正確は比較ではないかもしれませんが、)モルゴンに比べるとやや軽く、少し厚みに欠ける印象。ただ、モルゴン同様、ジャミーなニュアンスはなく、エレガントで冷涼さを感じるクリュ・ボージョレ。
(3.0)
ラ・プス・ドール ヴォルネイ プルミエ・クリュ・アン・カイユレ 2015年
[2015] La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets
ヴォルネイのムルソー寄りの1級畑。ラ・プス・ドールは、2.27haを所有しています。
濃い目のラズベリーレッドの外観。縁にかけて熟成を示す色合いのグラデーション。香りは強く良く開いている。ブルーベリー、ダークチェリー、ブラックプラムのやや黒系寄りの果実のアロマ。ドライローズ、タイムやセージ等のハーブ、リコリスやシナモンの甘苦スパイス、土、トースト。イチジク、紅茶、スーボア。味わいのアタックにやや高めの酸、特に高い凝縮度ではないが、熟度が感じられる果実味と心地よいドライハーブ。タンニンは中程度だが滑らかな質感。甘みは少なくクラシカルなブルゴーニュ。飲み頃ではあるが、更なる熟成も期待できそう。
(3.2)
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了