バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

フィリップ・ルクレール 猛暑の2003年ヴィンテージを味わう

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 ドメーヌ・フィリップ・ルクレールのジュヴレ・シャンベルタン・1erCru・コンブ・オー・モワンヌ。好きな造り手で、以前ドメーヌも訪れていますが、猛暑だったブルゴーニュで知られる2003年ヴィンテージは如何に?

 ジュヴレ・シャンベルタン村の中心近くにあるドメーヌ・フィリップ・ルクレールです。あまりメディアには取り上げられないドメーヌですが、一般の観光客へは、結構開放的です。

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風貌がラモス瑠偉(?)にも似ている当主ですが、ワインも結構濃いイメージです。

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ドメーヌの内部ですが、当然ながらワインセラーにはなっており、出荷を待つ多くの瓶詰めされたワインが熟成されています。

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一方で、狩猟を趣味とするフィリップ・ルクレールのさまざまなオブジェが展示されている博物館(?)を兼ねています。

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ワイン造りの道具とか一応、普通のワイン博物館的な展示もありますが、ワインとは全く関係ない、剥製がインパクトがとにかく凄い!

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今回の生産地の1級畑コンブ・オーモワンヌですが、「修道僧たちの小渓谷」という意味があり、コート・サン・ジャックの急な斜面にあります。最近は、人気のドメーヌ・フーリエで有名な畑でもありますが、ラヴォー渓谷に続く地にあり、名立たるジュヴレ・シャンベルタンの1級畑が、連なっています。

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▼これはレ・カズティエールの畑を下部から撮影したものですが、この右奥に存在するのが、コンブ・オー・モワンヌの畑になります。上部に見えるような森に接しています。コート・ド・ニュイにあって、比較的冷涼な気候であることが想像できます。ちなみに左側は、ジュヴレ・シャンベルタンの1級畑として最も評価の高いクロ・サン・ジャックの畑が存在しています。このあたりの1級畑のブドウから造られるワインは、骨格がしっかりしており、濃密な果実味をもつ特徴があります。

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フィリップ・ルクレール ジュヴレ・シャンベルタン 1級 コンブ・オー・モワンヌ 2003年
2003 Domaine Philippe Leclerc Gevery Chambertin 1erCru La Combe aux Moines

特級畑を持たないドメーヌにとっては、隣のシャンボーと並ぶフラッグシップになります。ヴィンテージは、2003年。ブルゴーニュは、猛暑で知られた年です。この天候の為、出来上がったワインは、総じて、酸が足りず、甘いワインという一般的な評価を得ています。

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縁にレンガ色が入ったガーネットカラー。全体的に少し茶色っぽく、熟成を感じさせる色合いです。フィリップ・ルクレールっぽい濃い色あいです。

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ブルーベリー、煮詰めたプルーン、カシス等の完熟した黒系の果実香。ドライハーブ、腐葉土、キノコ、紅茶(ミルクティ)。甘みが強い。酸も感じるものの、甘みが支配的。タンニンは殆ど感じさせないほど溶け込んでいる。このドメールらしく樽もそれなりに感じるものの、やはり甘さが前面に存在し、気にならない。ブラインドで飲めばカリピノと間違えるかもしれないし、ブルゴーニュと分かれば、間違いなく2003年と分かるワイン。

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濃縮した果実味ながら、濃く、タンニンが相当きつい1990年代のPルクレールからは、明らかに変わり始めた時期かと思いますが、やはり、冒頭に書いた良くも悪くも「酸度が低く甘みが強い」という2003年のブル赤の典型的な特徴を備えたワインだと思います。
2003年のバックヴィンテージは、意外にも時々市場に出てきます。多くが、並行輸入もののようで、このワインも裏ラベルを見ると、平行ものと分かります。コルクが柔らかく脆くなっていたので、若干熱劣化が入っている可能性があります。

最近飲んだジュヴレ・シャンベルタンの2003年ワインとしては、クロ―ド・デュガのシャルム・シャンベルタンのワインですが、グランクリュであることは、別にしても、2003年の天候を殆ど感じさせないワインも存在します。
https://www.wine-and-cheese.net/entry/2020/03/05/010255

今回のフィリップ・ルクレールは、まさに2003年の天候を良くも悪くもストレートに反映させたワインで、テクニックに凝らず、奔放なワイン造りを行う当主の性格(風貌から勝手に想像しています)を表しているようにも感じます。
やはり面白い造り手だと思います。

(了)