梅雨入りと同時にノーザンハイブッシュ系のブルーベリー収穫がピークを迎えました。この時期、スパルタン、エチョータ、プルといった豊産種が成熟することから収穫量も期待できます。更に、最大サイズのチャンドラーが収穫できました。
まず、「プル」です。結構ポピュラーな「レカ(ブルーレカ)」と「ヌイ」と同じニュージーランド原産で、比較的育てやすい品種です。いずれもブルークロップという品種を交配親とする兄弟品種です。ブルークロップもレカの栽培していますが、プルは、最も豊産で風味も優れており、最近のお気に入り品種です。
何といっても、青とブルーム(白い果紛)の非常に綺麗な実がクラスタ(房)状に成ります。やや厚みのある葉も綺麗な緑で、見栄えがする品種です。特段大実という訳ではありませんが、粒の大きさが結構揃っています。
つづいて、スパルタンです。
こちらもプル同様クラスター状に果実が成りますが、大きさがやや不ぞろいで、大実~小粒までばらつきます。
ノーザンハイブッシュの中では、早くから色付きますが、収穫できるようになるまで、やや時間を要します。ブルーベリーの王様と称されるだけあって、風味はトップクラスです。
▼前回、品種不明と書いた品種ですが、やはりスパルタンでした。
接ぎ木であっても枯れることも多く、若干気難しい品種ですが、大きく育てば、素晴らしい成果が期待できる品種です。
次に、エチョータです。これも超豊産種です。接ぎ木しか経験ありませんが、樹勢が強く、5年ほどでかなりの収穫が得られます。
果実のサイズはばらつきますが、結構大実が成ります。
スパルタン同様、色付き始めてから、成熟するまでやや時間を要す品種です。
プルやスパルタンのように大きなクラスタ(房)にはなりませんが、結果的に豊産で、結構大きな果実が成ります。完熟実の糖度は13度。酸味を残した甘みの理想的な風味です。
ハイブッシュ系のブルーベリーについては、特許品種を含めて様々な品種を栽培してきましたが、やはり、以上に挙げた3品種は、安定した収穫量とブルーベリーらしい酸味の利いた風味という観点で個人的には高く評価しています。
▼続いて、チャンドラーです。
この品種は、ホーム・センター等で自根・接木問わず、必ず見かける品種です。大実ブルーベリーの代表格で、500円サイズの実が成るということをアピールしています。この文句に惹かれ、結構栽培してきましたが、当地(練馬)の暑さには向かないのか、自根については、ほとんど枯れてしまいまい、現在は、接木の1本しか残っていません。
購入して直ぐに謳い文句の500円サイズの大実ができる訳ではなく、5年以上経って、ようやく、そのサイズの大実ができるようになりました。写真で分かるように、500円硬貨とほぼ同じサイズ(26.5cm)ありました。ただ、このサイズの大実が、大量に成る訳ではなく、多くは1.5~2cm程度で、ところどころ2.5cm近い特大の実が成ります。
肝心な風味ですが、ちょうど良いと思われるタイミングで、糖度は11度でした。さらに樹上熟成させたものでも12度と数値上はそれほど甘くないようです。
この品種の難しいのは、収穫のタイミングです。多品種同様、大きな実から成熟しますが、早摘みすると結構酸味が強く、樹上熟成をそのまま続けると過熟で柔らかくなり、一部が蕩けてしまいます。実が大きい分、暑さにも弱いようで、暑い日が続くと一気に熟成が進んでしまいます。通常、取り時を判断する実の付け根の色(赤くなっていれば取り時)が、実の大きさ故に、結構見にくく、なかなか収穫の判断が付きません。
小さなクラスタを形成しますが、豊産とも言えず、上記の性質から考えると、あまり万人向けとは言えない品種ではないかと評価しています。
以下、ノーザン・ハイブッシュ系ブルーベリー以外の収穫です。
▼4年ほど前から栽培しているオーゼキブルーです。
ハイブッシュ系、ラビットアイ系、ローブッシュ系等いろいろな品種をく混成させた、ハイブリッド種です。樹勢は強いのですが、果実の大きさは中粒で、大きいものでも1.6cm程度です。
逆光(補正済)だったのであまり、良い写真ではありませんが.....
この品種の特徴は、とにかく甘いということです。糖度を実測すると16度あります。風味としては、素晴らしいのですが、いかんせん、果実が小さめで、凄く豊産という訳ではありません。
▼これくらいの収穫の日が、数日続きます。
ブルーベリーではありませんが、こんなベリーも成熟し始めました。
▼プライム・アークという、アメリカ原産のブラックベリーです。
赤い実は、成熟途中のもので酸っぱくて食べれません。
▼ラズベリーです。
本日で、ハイブッシュ系は、ほぼ9割程度収穫を終えました。10年近く色々な品種を栽培してみて、当地に向いている品種と向いていない品種や各品種の特性(生産量や樹勢、風味)が見えてきました。マンションのルーフバルコニーという、制約のある場所ということもあり、今後、収穫の効率を考えて品種を絞り込んでいきたいと思います。
(了)