ピエモンテ州セッラルンガ・ダルバに畑を所有するワイナリー、スキアヴェンツァの2012年ヴィンテージのバローロです。久々に購入した同州産の個性的なチーズ、オッチェリ アル バローロに合わせました。
スキアヴェンツァは1956年に現当主ルチアーノピラ氏の義父により設立されたワイナリーです。セッラルンガ・ダルバに9haほどの畑を所有し、年間4万本ほどのバローロを生産しています。セッラルンガ・ダルバは、バローロが造られる11のコネームの一つで、最も厳格で長期熟成能力の高いバローロの村(ソムリエ協会教本より)と言われています。
バローロ セッラルンガ・ダルバ スキアヴェンツァ 2012年
[2012] Barolo Serralunga D'Alba Schiavenza
野生酵母を使用し、コンクリートタンクによる発酵。昔ながらの大樽で熟成するという伝統的な造り。濾過は行わず、SO₂の使用も最低限。
やや淡いルビーカラー。レッグはやや長め(alc14.5度)。クランベリー、ラズベリーやチェリーの赤系果実がぎっしりと詰まった香り、ドライハーブ、ドライフラワー、スミレの花。豊かで伸びやかな酸。タンニンも豊かだが、落ち着いており、シルキーな印象。僅かに感じる収斂性で区別できるかもしれないが、あまり考えずに味わうとピノ・ノワールと間違えそう。
とてもエレガントなバローロ。
(3.5)
▼オッチェリ アル バローロです。ベッピーノ・オッチェリ(Beppino Occelli)社はイタリアのピエモンテ州クネオ県ランゲ地区のチーズ工房で、様々な創作チーズを造っています。黒トリュフ入りのクルティン(→こちら)やウィスキーや栗の葉を使ったチーズなどですが、最も有名なのが、バローロのブドウの搾りかすを使ったこのチーズで、「酔っ払いチーズ」という異名を持っています。
チーズ自体コクがありますが、ワインが染み込んだ独特の味わいと柔らかい酸味が感じられるチーズです。当然ながら、バローロとの相性が最高です。搾りかすは、結構乾燥しており、カリっという食感がありますが、ちゃんと食べられます。
スキアヴェンツァのバローロは、特にレゼルヴァが高い評価を得ているようですが、このスタンダードキュヴェは、バローロとしての骨格感を残しながらも、タンニンはシルキーで、エレガントさが感じられるバローロだと思います。
(了)