ヴォルネイの古典的な造り手のミシェル・ラファルジュ。ドメーヌが所有する唯一のポマールの1級畑、レ・ペズロール(Les Pezerolles) の2006年です。飲み頃の見極めがやや難しいドメーヌですが、これは正に熟成のピークを迎えたポマールでした。
派手さはなく、日本では、リアルワインガイド等の評価誌にもあまり取り上げられないどちらかと言えば地味目のドメーヌですが、反面根強いファンも多いのが、ミシェル・ラファルジュかと思います。いわゆる通好みのワインといえるかと思います。残念ながら、このドメーヌの評価を高めたミシェル・ラファルジュ氏は、2020年1月に91歳で亡くなってしまいましたが、息子夫婦が跡を継ぎ、その語、更に評価を高めており、特にここ最近のヴィンテージは、欧米の評論家からは、かなり高い評価を得ているようです。
今年も何度か飲んできたミシェル・ラファルジュですが、正直、なかなかベストな飲み頃が掴めないドメーヌだと思っています。
今回のワインは、ポマールのプルミエ・クリュですが、おそらく初めて飲む畑かと思います。
レ・ペズロールの畑は、ボーヌとの境に近いところにあります。ポマールのなかでも最も評価の高い1級畑、レ・ゼプノの上部・西側に位置しています。
ドメーヌ・ミシェル・ラファルジュ ポマール1級 レ ペズロル 2006年
[2006]Dom. Michel Lafarge Pommard 1erCru Les Pezerolles
艶があり、グラスの中心は少し暗く深みももつラズベリーレッド。縁にかけて少しオレンジがかったグラデーションが熟成を感じさせます。
抜栓後しばらくは、少し控えめながらブラックベリー、ダークチェリーの黒系の果実。牡丹の花や甘草、ドライハーブやシナモン、オリエンタルスパイスの香りに少し土っぽさも。
果実味を感じる味わいは、酸度は低くやや甘味も。タンニンは丸く柔らがだが、僅かに苦みを伴うスパイシーな余韻を感じる。
1時間ほど経ったところで、紅茶や葉腐葉土の香りも。急に酸・甘み・タンニンのバランスが取れてくる。2日目もそれほど変わらない。まさに飲み頃のピークか僅かにピークを少しだけ過ぎたところか?
(3.3)
シャラン鴨のロースト。前回同じ鴨と合わせたダヴィド・デュバンのエシェゾーに比べるとややスパイシーな感じもあり、相性はまずますでした。
ミシェル・ラファルジュは 最近のワインアドヴォケート誌等の高い評価につられて、2015年や2016年も購入しましたが、とても飲むタイミングではないと思いながら、時々市場に出てくる2000年代のバックヴィンテージを楽しんでいます。2006年というヴィンテージのブルゴーニュ赤は、グレートヴィンテージの2005年に隠れがちですが、個人的には、2007年や酸の強い2008年よりも好みです。
ミシェル・ラファルジュは、早飲みでは決して愛想の良いワインではなく、開くまで時間がかかると感じていますが、ある意味、これぞクラシカルなブルゴーニュという味わいを楽しませてくれるワインとして、自身のお気に入りになっています。
<了>