Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

2023年2月に飲んだワインのレビュー

2023年2月に飲んだワインのレビューです。
デイリークラスとしては、リアス・バイシャスのセテ・セパ アルバリーニョとオーストラリア グレートサザンのアルクーミのリースリングが気に入りました。シモン・ビーズとルイヤールは流石の安定感を感じるブルゴーニュです。

セテ・セパ アルバリーニョ 2019 ボデガ・カルバジャル

リアス・バイシャスのなかでも海に面しているヴァル・ド・サルネスのアルバリーニョです。デイリーワインとして結構お世話になっているアルバリーニョ種のワインの中でも、特にお気に入りの1本です。
ワイン名である「Sete Cepas(セテ・セパス)」は、地元ガリシアの言葉で「7種のぶどう」を意味し、ワイナリーの発展に関わった7人の兄弟に敬意を表し名づけられました。(インポータHPより)
ボーフォール・エテとアッペンツェラーと。

輝きのある少しグリーンがかったクリームイエロー。熟した柑橘果実やリンゴやアプリコットのアロマ、石灰からの強めのミネラルがまず感じられ、ヴェルヴァーナ等のフレッシュハーブと(樽熟していないと思われますが)ちょっとバニラっぽいニュアンスも。味わいにも熟した柑橘果実、豊かな酸と果実の甘み、そして、この品種特有の塩味が口中に広がり、心地よい苦みを感じるやや長い余韻。

(3.4)

昔、実店舗でも良くお世話になった、埼玉のやまいちさん(現在は、実店舗が無くdrageeというインターネットショップになっています)の独占輸入のようですが、何回かリピート購入しています。現在は、在庫切れになっているようですが、是非販売再開して欲しいワインです。

ドメーヌ・レイモン・デュポン・ファン ムルソー・ティレ 2017

レイモン・デュポン・ファンは、ブルゴーニュに代々続くドメーヌの1979年生まれの5代目。幼いころから、祖父のジャン氏や父親の4代目ミシェル氏のドメーヌでワイン造りに関わり、エノロジーの資格を取得後、2001年にドメーヌ・デュポン・ファンとして独立しています。父親のミシェルもムルソーやオーセイ・デュレスの白の生産者として名が知れていますが、レイモン氏は若手ヴュイニュロンとして高い評価を受けており、最近、インターネットショップでもよく見かける生産者のひとりです。

レ・ティレ(Les Tillets)は、ムルソー西部の斜面上部に広がる東向き斜面。ムルソーの1級畑は主に丘陵地の斜面中腹に広がっていますが、その下部は水はけのよい粘土質砂利質、レ・ティレのある上部は固い石灰岩の母岩になります。

バリックで発酵、18ヶ月(新樽10%)熟成

輝きのあるイエローゴールド。洋梨アプリコットの黄色い果実、菩提樹の少しオイリーな香りと石灰からのミネラル。バニラや熟成からのヘーゼルナッツの香りも。
味わいは、豊かな酸と柔らかに熟した果実からの甘み、くっきりとしたミネラル感。やや苦みを伴う余韻はやや長め。時間が経って温度が上がると、バタースコッチの甘くオイリーな味わいも感じられるが、酸もしっかりしているので、ダルくはならない。

(3.3)

美味しいですが、保管状態によるものなのか、少し好気的な造りなのか分かりませんが、ヴィンテージにしては、少し熟成が進んでいるように感じられました。

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ドメーヌ・ド・クロヴァロン レ・ポマレード 2019

以前から気になっていたワインですが、今回初めて飲みました。

インポータ情報によると、
Catherine Roque カトリーヌ・ロックによって1985 年に創設されたドメーヌで、畑は標高250~400 メートルの高地にあり、ラングドックでも冷涼なミクロクリマを特徴とする気候。そのため、もともとアラモン等の大量生産用のブドウが植えられていた畑を、冷涼な気候に向くヴィオニエやシャルドネ、さらにピノ・ノワールに次々に植え替えていきました。1989年植樹されたピノ・ノワールについては、当時ヴァン・ド・ペイ・ドックの指定品種としては認められていなかった(すなわち、テーブルワインとしてのリリースになる)ため、INAOの働きかけた結果、その品質が認められて、ヴァン・ド・ペイの指定品種になったようです。すなわち、カトリーヌ・ロックは、南フランスのピノ・ノワールのパイオニアの存在となっているとのこと。

ブドウの栽培ではビオロジックを実践しており、全てのワインがデメテール認証を受けています。醸造においては、全房発酵と野生酵母のみを使用しています。

1989年に植樹された、標高300m、北向きの1.5ヘクタールの単一区画「レ・ポマレード」に由来するピノ・ノワールのキュヴェ。

↓シポラタ・カンパニャルドと。トントロにあたる部位を多く使用したフランスの粗挽き生ソーセージです。

南仏のワインということで濃い色調を想像しますが、意外にもやや淡め~中程度の濃さの艶のあるラズベリーレッドの外観。全房発酵の影響もあるかと思います。
香りは抜栓直後はやや控えめだが、徐々に熟したレッドベリーやチェリーの柔らかな果実香、スミレ・薔薇、ドライハーブやシナモン。味わいにやや甘みのアタックと伸びやかな酸。タンニンは滑らかだが、余韻にかけて、少し苦みを伴う。

(3.3)

冷涼な地のピノ・ノワールとはいえ、やはり南仏のブドウの甘みを感じるが、決してジャミーという訳でなく、エレガントさを感じるワインです。高騰するブルゴーニュの代替としても十分なワインだと思います。

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ドメーヌ・オリヴィエ・ジュアン モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ 2016

リアルワインガイド誌等で最近絶賛されているオリヴィエ・ジュアンの2016年ヴィンテージになります。この畑名なしのプルミエ・クリュは、同ドメーヌの看板1級畑、ラ・リオットとレ・リュショが40%ずつ、それにレ・シャリエールが20%ブレンドされています。この銘柄でリリースされたのは、2016年のみのようなので、ある意味レアものと言えるかもしれません。理由は、2016年の霜害による大幅な収量減によるものです。

樹齢約50年~62年。新樽比率40%で20ヶ月間樽熟成。

外観は、ブルゴーニュ赤らしからぬダークチェリーレッド。グラスの底が見えません。カシスやブラックベリー、ダークチェリーの黒系果実の香りとミネラル。樽からのロースト香が強い。ドライハーブ、リコリス、なめし皮、コーヒー、モレっぽいアーシーさも。味わいのアタックには凝縮した果実味にしっかりとしたタンニンが感じられ結構スパイシー、酸は豊かだが、タンニンと果実の甘さに隠れている印象。

(3.3+) 

もともと抽出強めで、プルミエ・クリュ以上は、凝縮度の高い濃厚なワインを造ドメーヌですが、この2016年は、タンニンもしっかりしているうえに、酸も豊かで、熟成のポテンシャルは感じるものの、現時点樽香が結構強く、バランス的には、ちょっと微妙です。正直ちょっと飲み疲れします。

↓少し脂肪分の多い肉だったので、このワインを合わせました。

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ランチ 32 メルロー モンテリー 2019

久々のカリフォルニア赤。モントレーカウンティの南部、モントレー湾から吹き込む冷たい風の通り道にある畑のようです。

↓ロバート・モンダヴィのグラスで。

意外に淡めのダークチェリーレッド。ブルーベリーやプラム、ダークチェリーの黒系果実香に、ラズベリーの赤系果実の香りが混ざる。アタックに柔らかい果実味からの甘み、酸もタンニンも比較的円やか。果実味中心の外向的なワイン。甘みはやや強めだが、(自身の)ギリギリ許容範囲。

(3.0)

信濃屋のセール品。15k円以内で再度買えれば、リピートありかも。

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ドメーヌ・ポール・ガローデ ヴォルネイ 2018

モンテリーに拠を置くドメーヌで、当主のポール・ガローデはモンテリーの生産者組合会長を務める重鎮。モンテリーに4つの1級畑を所有するだけでなく、ヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェにも畑を所有(計10.5ha)
過去に飲んだ記憶がありますが、どのキュベだったかも覚えていません。あまり印象に残らなかったと思われます。

中程度の濃さの艶のあるラズベリーレッド。
抜栓直後は、還元香がすごい。他の香りをマスキングしてしまうほど。
アタックには強めの酸、ラズベリー、ブルーベリーやアメリカンチェリー赤黒系の果実味も感じるが、甘みは控えめで結構ドライ。2018年の熱さを感じないクラシカルなブル赤。時間が経つにつれて、還元香は弱くなるが、なかなか抜けきれず、2日目に期待。2日目には、還元香はすっかり消えたが、替わりの本来の香りはやや控えめ。酸の強さは、あまりかわらず、タンニンは中庸。時間が解決してくれるのかもしれないが、現時点では、ちょっと難しいワイン。

(2.9)

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ドメーヌ・シモン・ビーズ・エ・フィル サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ レ・タルメット 2017

サヴィニー村に拠を置くドメーヌ・シモン・ビーズは、サヴィニー・ボーヌの6つのプルミエ・クリュのクリマに畑を所有しています。レ・タルメットは、同ドメーヌのフラッグシップともいえる1級畑オー・ヴェルジュレスと地続きで、標高もほぼ同じ、真南を向いた強い傾斜で、面積も3ha程度の小さな1級畑です。石灰岩質を中心に、粘土質・砂質が入り混じった土壌になります。海外誌の評価を見ても、ヴェルジュレスと同等、ここ最近の評価では、タルメットのほうがやや高いようです、

やや淡いラズベリーレッド。
抜栓直後は香りは閉じているが、30分ほどで徐々に開き始める。まずラズベリー、ブルーベリー、アメリカンチェリーの赤黒系果実の香りが開き出し、徐々にシナモンやリコリスの甘苦スパイスに僅かにオリエンタルスパイスの香りが加わり複雑に。ミントのようなハーブを感じさせる冷涼な印象も。
アタックに柔らかな酸、梅カツオの滋味を感じる味わい。ブドウの熟度を感じるも、熱さは全く感じない。タンニンは滑らか。冷涼でクラシカルながら味わいにバランスの取れたブルゴーニュ赤。かなり時間が経って、スーボアや紅茶っぽい熟成香も出てくるが、同時に酸がやや強めに。2,3時間の間での変化が繊細なブルゴーニュを感じさせるが、日を跨がず飲んだ方が良いと思う。

(3.5) 

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ドメーヌ・ジャン・ルイ・ライヤール ヴォーヌ・ロマネ 2016

DRCで長年働いてきた両親を持ち、自らもDRCで働く経歴をもつジャン・ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ・ロマネです。日本では、DRC信者が多いということもあるかと思いますが、メディアに良く取り上げられていることもあり、名が良く知られていますが、年間生産量は7千本程度の小さなドメーヌです。この2016年は、ブルゴーニュで生産量激減となった年だと思いますので、更に生産量は少なかったと思います。
ジャン・ルイ・ライヤールのヴォーヌ・ロマネは、オ・ラヴィオル、レ・メジエール、そして、ラ・ターシュ上部のオー・シャン・ペルドリの3つの村名畑のブドウのアッサンブラージュです。メジエールとオー・シャン・ぺルドリは単独畑でも出せそうなクリマですが、生産量の関係かと思います。

深みと艶のあるラズベリーレッド。そそられる色調です。
ブラックチェリーやダークチェリーの黒系果実の香り。ミネラルが結構感じられ、薔薇の花、甘草、ナツメグ、カカオ。凝縮した果実味を感じる味わいですが、甘みは少なく、冷涼さも感じます。酸は豊かですが、突出せず。タンニンもしっかりしていますが、収斂性はなく、決め細かく滑らか。時間が経つと香りはどんどん開き、下草や腐葉土の香りも。ヴォーヌ・ロマネの華やかさと2016年の堅牢さを兼ね備えた端正で上質なブルゴーニュ

(3.6)

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ペロ・ミノ ジュヴレ・シャンベルタン 2014

現当主のクリストフ・ペロミノ氏は、ブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエの最後の弟子といわれている人物で、父親のアンリ・ペロ・ミノから1993年にドメーヌを引き継いでいます。昔は、アンリ・ペロ・ミノと表記されたラベルとクリストフ・ペロミノと表記されたラベルが存在しましたが、その後リリースされているものは、シンプルなデザインなものに変わり、ドメーヌもの(自社畑)は、DOMAINE PEROT-MINOT、ネゴシアンもの(買いブドウや賃借畑)は、単にPEROT-MINOTの表記に統一されました。ドメーヌものの方が評価が高いのが一般的ですが、このドメーヌに関しては当てはまらないようで、ペロ・ミノ自身もドメーヌものとネゴシアンで差はないという自信からか、2017年から全て、PEROT-MINOT表記になっています。
今回のワインは、2014年でドメーヌ所有の畑のブドウからのワインになります。

ペロ・ミノのワインを最初に飲んだのは、銘柄をよく覚えていない(多分ジュヴレ・シャンベルタン)のですが、20年ほど前だったと思います。結構固く飲みにくい印象があり、それ以降は敬遠していましたが、3年ほど前に、2005年のマゾイエール(→こちら)と2006年のシャルム(→こちら)を飲んでからイメージががらっと変わりました。その後は、比較的余っていた(?)2011年ヴィンテージくらいから本格的に手に入れ始めています。
日本よりも海外の方が人気が高いのか、Wine-Searcherとかを見ると、海外の方が価格が高騰しているようです。日本でも、グランクリュやプルミエ・クリュは、最近は高騰してしまいましたが、村名は、まだ10K円台前半で購入できるようです。

写真では濃く見えますが、中程度~やや淡いラズベリーレッド。
香りは、開いており、ブルーベリーや少しドライフルーツ的な香りだがハーブやスパイス感のほうが少し際立っている。フルーティなワインというより、ややフェノリックな印象。味わいも、果実の甘さをあまり感じづ、ドライな印象。酸、タンニンとも強い。
最近、ここの2018年の村名ジュヴレ・シャンベルタンのジャスティス・デ・スヴレを飲みましたが、当然ヴィンテージの違いもあるのですが、それに比べると、果実の凝縮感が(酸とタンニンに隠れているせいか)あまり感じられません。おそらく熟成で変わるのかと思いますが、現時点では、あまりバランスがとれていないように感じました。

(3.0)

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以下は、デイリークラスの白ワインです。

グレイジング・コレクション リースリング [2022] アルクーミ

オーストラリアのグレート・サザンに広大な自社畑をもつ西オーストラリア最大の家族経営のワイナリーで、ワイナリ名になっている「アルクーミ(ALKOOMI)というのは、アボリジニ言語で「我らが選びし地」を意味するようです。グレート・サザンは、5つのサブリージョンをもちますが、このワインは、そのなかで、やや内陸に位置するFrankland Riverは、Mount Barkerとならんで、リースリングの名産地として知られています(これらのサブリージョン名は、エクセレンスの試験勉強で一生懸命暗記しました^^;)

(写真では結構透明に見えますが)輝きのあるグリーンがかったかなり淡いクリームイエロー。香りは、まさに下の裏ラベルにかかれているように、「溌溂としたライム、ピンクレモネード、そしてワイルドグアバの香り」、最初にほんの僅かなペトロ香を感じますが、すぐに気になくなります。味わいには、いきいきとしたリニアな酸が広がります。フレッシュでフラワリーな典型的なリースリングワイン。

(3.1)

当然ながら魚介類との相性は抜群です。ランチでシーフードパスタとといった、シチュエーションもピッタリかもしれません。

ジャケ買いでしたが、2K円以内でコスパは高いと思います。お奨めです。

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ラ・パッション ブラン 2021

娘のお気に入りのワインのようです。エチケットデザインもあるかと思いますが。
グルナッシュ・ブラン主体で、グルナッシュ・グリと少量のミュスカのブレンド

輝きのある淡いイエロー。柑橘系よりも、洋ナシやパイナップル、パッションフルーツ等のやや黄色い果実の華やかな香りも(ミュスカのブレンドが効いている?)
酸は円やかで、軽やかな飲み口。

(2.8)

ピザとかに合いそう。欲を言えば、もう少し酸が欲しい。

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