2021年元旦のメインのワインは、ドメーヌ・クロード・デュガの2008年のジュヴレ・シャンベルタン・ラヴォー・サンジャックです。若干評価の難しいワインでした。
コロナ禍の外出自粛もあり、今年は、正月から家で飲みまくることに。
本年最初は、イタリアの泡、コントラットのコントラット・ミレッジマート・パ・ドゼ(Conratto Millesimato Pas Dose)2014年です。「パ・ドセ」が示すようにノン・ドサージュのスプマンテです。
このスプマンテ、昨年7月にも飲んでいるのですが、時間が経ち温度が上がってくると甘さやふくよかさが出てきて美味しいのですが、この日は、あっという間に飲んでしまったので、味わいは、ノン・ドサージュの性格そのもので、柑橘系の果実とミネラルの香りはありますが、溌溂とした酸をもつシャープな辛口という印象でした。
朝におせち料理といただきました。
夜のメインは、クロ―ド・デュガのジュヴレ・シャンベルタン・ラヴォー・サンジャックの2008年ヴィンテージです。
[2008] Dom.Claude Dugat Gevery Chambertin 1erCru Labaux St.Jaccques
▼一昨年の9月に訪れた時のラヴォー・サン・ジャックの畑です。南向き斜面で日当たりは良いものの標高の高いラヴォー渓谷のまさに麓に位置しており、夏でも渓谷からの冷涼な風が吹き降ろす場所にあります。当日はやや曇がかかっていたこともあり、見た目でも涼しさが伝わってきます。ちなみに右端の石垣で囲まれている畑が、クロ・サン・ジャックです。
この地の冷涼な気候と石灰粘土質の土壌からは、骨格のしっかりとした長熟タイプのワインを生み出すブドウが取れることで知られています。
以下、このワインの感想です(右側のグラス)。
縁に熟成を感じるレンガ色がかったやや濃い目のルビーレッド。ブラックベリーやダークチェリーの黒系果実を中心としたアロマ、ロースト、ドライハーブ、ナツメグや甘草のスパイス、そして大地を感じさせる深い香り。腐葉土の熟成のブーケも。好きな香りで期待が持てます。
ただ、口に含むとかなり強い酸と若干収斂性を感じるタンニンを感じます。期待した豊かな果実味としっかり骨格については、片鱗は感じられるもののやはり酸の高さがちょっと気になります。
個人的には、香りの素晴らしさもあり、それほど悪い印象ではなかったのですが、一緒に飲んだ娘からはこの高い酸とタニックな印象にNGが出てしまいました(笑)...
今考えると、少し、できれば1日ほど時間をおいて再度試した方が良かったと思いますか、何度も味を確認しているうちに、結構2時間ほどで飲みきってしまいました。
2008年のデュガは、2年ほど前にジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュを都内の某レストランに持ち込み飲んだのですが、その時は、良い感じに熟成しており、酸もそれほど突出して感じませんでした。今回は、その記憶があったので、期待したのですが、やはり、このワインは、2008年のブルゴーニュの特徴でもある酸の強さが突出している1本だったようです。ただ、決して痩せた感じではなく、じっくり味うと酸やタンニンの後ろにまだ閉じこもった凝縮果実を感じました。おそらく、開かせるのにはもう少し時間が必要なようです。
(今飲んで3.4)
娘に対するリカバリ(?)の意味もあり、この日は、別なブル赤を開けました。
リシュ―・エ・オーギャスト・リニエのモレ・サン=ドニ・クロ・レ・シオニエールの2005年です。このワインは、1ヶ月ほど前に飲んだばかりですが、よく開いており、安定の美味しさでした。ヴィンテージの恩恵もあるのか、今回の2008年のデュガよりも濃厚で若々しく感じました。
▼今回のワイン、メインの和牛のすき焼きに合わせる目的がありました。この肉のあまりの美味しさにワインも進み、あっという間に2本とも飲みきってしまいました。
やはり、2008年のブルゴーニュは、高めの酸を意識しておく必要があるかと思いますが、酸が過剰にならないように上手く抑えている作り手のワインも結構経験してはいます。同じジュヴレの名門であるセラファンやデュガ・ピィなどです。
まあ、ポジティブに考えれば、高い酸をもちながらも、骨格も感じられるこの手のワインは長期熟成も期待できるので、もう少し待って落ち着かせた方が良いのかもしれません。
<了>