Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ブル赤に近いピノノワールワインは?

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最近高騰の著しいブルゴーニュワイン。ブル赤ワインに替えてデイリーワインとしてもでも楽しめるピノノワール赤ワインを探してみました。

最近リアル・ワインガイド誌でもこの手の企画を取り上げた記事がありました。そこで、高評価を得て同紙の表紙を飾った2本のピノノワールを含め4本を比較してみました。 

比較したのは以下のワインです。

1.カナレット ピノ・ノワール パヴィア [2013]  カーサ・ジレッリ 1,100円

2.ラ・ヴィ・ピノ・ノワール [2017]  サハティーニ 1,090円

3.ピノ・ノワール [2016]  フォリス・ヴィンヤーズ・ワイナリー   2,000円

4.ヴィラ・ヴォルフ シュペートブルグンダー  [2016] ヴィラ・ヴォルフ 1,980円

価格はいずれも税抜きです。

1000円前後のワイン2本と2000円前後のワイン2本です。産地は、イタリア、ルーマニアアメリカ(オレゴン)、ドイツ(ファルツ)です。今回は、安旨の南半球については、敢えて外してみました。いずれ南半球のピノについても比較してみたいと思います。

まず1000円前後のピノノワール比較です。

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カナレット ピノ・ノワール パヴィア [2013]  カーサ・ジレッリ

イタリア ロンバルディア州のIGT(地域特性表示)ワインです。イタリアのピノノワールはあまり馴染みがありませんが、北・中部のいくつかの州で造られているようです。裏ラベル英語で書かれており(輸出用?)、パヴィアという町の周辺の丘陵地帯で造られているようです。ミラノに近い場所なので、ミラノへの供給産地になっていると思われます。

ちなみにイタリアでは、ピノ・ネーロのシノニム(別名)で呼ばれています。

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外観はやや濃いめのラズベリーレッド。ダークチェリー、ブルーベリー、黒胡椒、なめし革、少し土っぽさ。結構スパイシーで冷涼な産地のワインの印象です。甘みはあまり感じず、中盤にややシャープな酸を感じます。

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ラ・ヴィ・ピノ・ノワール [2017]  サハティー

珍しいルーマニアのワインです。世界最古のワイン産地のひとつであるブルガリアに隣接するルーマニアのワインの歴史は古く、6000年以上の歴史があるようです。殆どが国内消費用でしたが、EU加盟後、輸出にも力を入れだしたようです。

ドメーニレ・サハティーニは、2003年に女性醸造家のアウレリア・ヴィシネスク氏によって創業されたワイナリーです。テロワールに強く影響を受けたブドウを使い、品種の個性をしっかり反映させたワインを造っているようです。

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かなり淡いラズベリーレッド、いちご、クランベリー、レッドチェリー、バラ、スミレ。ジャミ―ではありませんが、フレッシュで甘くチャーミングな風味です。恐らく樽は使っていないと思われます。タンニンも殆ど感じず、シンプルで飲みやすいワインですが、夕食と一緒に飲むワインとしては、もう味に複雑実が欲しいです。

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ちなみにこのワインは、リアルワインガイド誌64号の表紙を飾っています。いかにもRWG誌が好みそうな旨安ワインです。

このイタリアとルーマニアワインの色を比較したものが下の写真です。同じピノ・ノワールと思えないくらい違います。今回、カナレットは、初めてですが、ラ・ヴィの方は、過去2度飲んでいます。最初に飲んだ時に、あまりに薄い色調に驚きました。

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左がラ・ヴィ、右がカナレット

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次に2000円前後ワインの比較です。

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ピノ・ノワール [2016]  フォリス・ヴィンヤーズ・ワイナリー

冷涼な気候を活かした高品質のピノノワールの産地として高い評価を受けているオレゴンピノノワールワインです。オレゴン州の産地と言えば、ウィラメメット・ヴァレーが有名ですが、このワインは、オレゴン南端のローグ・ヴァレー産のワインです。

こちらは、リアルワインガイド誌65号の表紙を飾っています。

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やや濃いめのラズベリーレッド。ラズベリー、プラム、バラ、すみれ、バニラ、なめし皮、時間の経過とともに消えましたが、最初少しミントっぽいハーブの香りを感じました。甘みと酸味のバランスの取れた風味です。カリピノと呼ばれるカリフォルニア州ピノには、甘みが強く感じられるワインも少なくなく、ブルゴーニュワインを飲みなれていると違和感を感じることがありますが、このワインを含めて、過去に飲んだオレゴン州のワインは、いずれも突出した甘みは無く、ブルゴーニュワインに近いと感じています。テロワールもあるかとは思いますが、冷涼な気候が生み出すものでしょうか?

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ヴィラ・ヴォルフ シュペートブルグンダー  [2016] ヴィラ・ヴォルフ

ドイツのファルツ地区ヴァッヘンハイム村にあるJ.L.ヴォルフ醸造所をモーゼルの銘醸造家エルンスト・ローゼン氏引継ぎ、契約農家から買いブドウから醸造・瓶詰めしている会社「ヴィラ・ヴォルフ」で生産しているワインです。シュペートブルグンダー(ピノノワールのドイツでのシノニム)以外に、リースリングやゲヴァルツトラミネールも生産しているようです。

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少し淡いラズベリーレッド。フランボワーズ、レッドチェリー、バラ、すみれ、僅かなスパイス、甘酸のバランスの取れた滑らかでチャーミングなワインです。コメント的には、ラ・ヴィに似ていますが、こちらの方が複雑で力強い風味です。

世田谷代田の信濃屋で進められて以来、何回か飲んでおり、お気に入りのピノノワールディリーワインになっています。飲み疲れしない優しいワインで、あまりワインを飲みなれない人でも気に入るワインだと思います。出張の際に何度か行った札幌のワインビストロ「祥瑞」でもグラスワインとして提供されていました。

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右がヴィラ・ヴォルフ、左がフォリス

この2本の色調の比較です。ややフォリスの方が濃いことが分かります。

4本の中で、今回の主題である最もブルゴーニュワインに近いと感じたのは、やはりオレゴンのフォリスです。リアルワインガイド誌が書いていたように一般的にやや高価なイメージのあるオレゴンワインの中でこのワインのコストパフォーマンスは特筆すべきものだと思います。また、ヴィラ・ヴォルフも何度も飲んでいるワインですが、フォリスに複雑性ではやや劣るもののやはり美味しいピノノワールワインだと思います。少し疲れた時に飲むとピノノワールのもつ甘酸が体に滲み渡ります。

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翌日、ブルゴーニュが飲みたくなってトロ・ボーを飲みました。

最近評価の高いトロ・ボーを比較するのは反則かもしれませんが、やはり、香り・酸・風味どれをとっても素晴らしいです。ただ、3千円半ばの価格なので、やはり、デイリーワインとして毎日飲むにはちょっと抵抗があります。

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今回は対象としなかった南半球(チリやニュージーランド)のピノノワールも近々、飲み比べてみたいと思います。

<了>