Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

最近飲んだニュージーランドワイン2種

最近飲んで気に入ったニュージーランドワイン白と赤です。白は、マルボーロのグレイワッキ ソーヴィニヨン・ブラン2022、典型的なNZのソーヴィニヨン・ブランです。赤は、ワイパラ・ヴァレーの最近見かける機会が多くなったブラック・エステートという造り手のダムスティープ・ピノ・ノワール2013年です。

まず、グレイワッキから。
ニュージーランドソーヴィニヨン・ブランを世に知らしめた有名なクラウディ・ベイで長年醸造長をつとめたケヴィン・ジュッド氏が2009年に立ち上げたブランドです。
名前の由来は、裏ラベルにも記されていますが、”ニュージーランドでポピュラーな堆積岩「Greywacke」にちなみ「国を代表するワインになりたい」という思いを込めた”とのこと。
良く利用しているネットショップで最近目にすることが多く、気になっていたワインでもあります。

Greywacke Sauvignon Blanc 2022

僅かにグリーンがかったやや淡いクリームイエローの外観。
柑橘系果実、グリーングラスパッションフルーツスイカズラレモングラス等のフレッシュハーブ。グリーンノートがありながらも、熟度の高い果実が感じられる香りです。味わいのアタックは、フレッシュで溌溂な酸、そして完熟果実からの甘みが広がり、グレープフルーツの皮の苦みの余韻。

(3.3)

ソーヴィニヨンブランのブドウに前駆体として存在し、発酵によって発現する所謂チオール化合物の香りが特に強く顕れる傾向があるのがニュージーランド、マルボーロ地区のワインですが、まさにこのワインにはその特徴がくっきり感じられます。
冷涼地域からのソーヴィニヨンブランで感じられる冷涼感のあるピーマン香とも捉えられるこの香りは、嫌われる傾向もありますが、このワインは、華やかで甘やかな温暖地域のトロピカルフルーツの要素が補っている感じで、良いところ取りをしている印象を感じます。
くっきりとした味付きは、数年前に初めて飲んで衝撃を受けた同じマールボロのドックポイントのソーヴィニヨンブランを思い起させます。
(ちなみに、ドックポイントのオーナもクラウディ・ベイの栽培責任者だった人です)

基本的には辛口ですが、甘みもやや強めに感じるところが好みによるかもしれませんが、ワインを飲み馴れていない人も含めて、万人受けするワインだと思います。

ステンレスタンク熟成のフレッシュなソービニヨンブランに関して、かつて、やまやで良く購入したクラウディ・ベイは3K円台に、ドックポイントも3K円台後半まで上がってしまいましたが、このグレイワッキーは、探せば未だ2K円台で購入できます。
普段飲みにもお奨めできるコスパに優れたワインだと思います。

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次に、最近飲んで印象的だったニュージーランドの赤、ブラック・エステートのダムスティープ・ピノ・ノワールです。

Black Estate Damsteep Pinot Noir 2013

ブラック・エステートは、ニュージーランド南島ノース・カンタベリーのワイパラ・ヴァレーに本拠を構えるワイナリーです。冷涼で降水量が少なく、オーガニック栽培に適した地であることから、このワイナリーもビオ・グロ(ニュージーランドのオーガニック認証機関)の認証を取得しているようで、さらにデメターの認証に転換中とのこと。畑の土壌は石灰粘土質で、ブルゴーニュテロワールに似ているようです。

中庸~やや濃いめのラズベリーレッド。10年経っていますが、それほど熟成感の感じられな色合いです。トップノーズは、ブルーベリーやプラム、ダークチェリーのやや黒系の果実香。薔薇の花、ドライハーブ、シナモンや甘草の甘苦系のスパイス、僅かにミントを感じる冷涼な香りも。
味わいのアタックは、豊かながらも抑制の聞いた酸、凝縮した果実味からの甘みも感じられますが、こちらも過度ではありません。タンニンはシルキーで滑らか。熟成香は期待したほど強くは感じられませんが、尖った要素のとれた落ち着いた熟成のテーストは感じられます。
薄旨系ではなく、骨格の感じられながらも、ニューワールドや最近の温暖な気候の影響を受けているような熱量はギリギリ抑えられており、どちらかと言えばクラシカルなブルゴーニュワインを感じさせるワインです。旨味の乗った味付きも含め、これはバッチリ好みのピノでした。

(3.5)

ブルゴーニュのワインが高騰する中で、代替できるピノノワールワイン探しが注目されていますが、なかなか容易には「これぞ」というものにあたりません。そんな中で、最近は、ニージーランドの南島の冷涼地区のワインに注目しています。セントラルオタゴのフェルトン・ロードやリッポン・ヴィンヤードのピノノワールは、ブラインドで飲んでもブルピノと答えてしまうようなワインだと思います。今回のブラック・エステートもそれに近いものがあると感じました。
リピートの価値ありと思い、探しましたが、2013年のものは、入手が難しくなっているようです。2014年以降のものは、比較的流通しているようなので、他の銘柄含めてトライしてみたいと思います。価格的にも3~4K円台とブルゴーニュのレジョナル並みながら、村名以上の価値が十分にあると感じています。お奨めです。

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