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ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

コート・シャロネーズの掘り出し物ドメーヌ・ピヨ

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コート・シャロネーズでメルキュレのワインを造るドメーヌ・ピヨ(Pillot)です。マイナーなアペラシオンに加え、聞いたことのなかったドメーヌでしたが、インポータによると仏を代表するワイン専門誌「ギド・アシェット」でメルキュレの名手として高く評価されているようです。ブルゴーニュ・レジオナルと村名のワインを試しました。

コート・シャロネーズ地区の位置は、ブルゴーニュワイン好きでなければ、あまりピンこないと思います。コート・ド・ボーヌの南部にあたります。地区名よりも、メルキュレやジブリィやリューリーなどのアぺラシオン名の方が、馴染みはあるかと思います。コート・ドール同様、石灰質と泥灰質の土壌で、平野部よりも、主に西側の丘陵地で良質のブドウが栽培されています。シャルドネピノノワール以外に、アリゴテ種やガメイ種も栽培されています。特級畑はなく、1級畑は存在していますが、いずれも手頃な価格です。この地区に本拠を置く生産者で有名なのがブローズンのドメーヌ・ド・ヴィレーヌ(DRCのオベール・ド・ヴィレーヌが経営)ですが、それ以外、あまり著名なドメーヌの名前が浮かびません。      

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 Domaine Pillot Laurent & Romainは、大手のインポータが扱っていないせいか、日本での知名度は皆無に近いドメーヌです。おそらく、世田谷の信濃屋(田地商店)が唯一の日本でのインポータではないかと思われます。
「ドメーヌ・ピヨ」で検索すると、Domaine Paul Pillotと似たような名前のドメーヌが見つかりますが、こちらは、シャサーニュ・モンラッシェにあるドメーヌです。

以下が、ドメーヌのホームページです。 

http://pillot-mellecey.com/le-domaine/

ピヨ家は、コート・シャロネーズの地で150年前から葡萄作りに携わっており、現在のドメーヌは、5代目のローラン・ピヨと息子の6代目のロマン・ピヨが運営に携わっています。ドメーヌは、メルキュレィ村でなく、メルセ(Mellecey)という村にあります。

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ドメーヌ・ピヨのHPより

メルキュレを中心に17haの畑を所有しており、年間3万本のワインを生産しているようです。ブドウは100%除梗で、浸漬は10〜12日間、コンクリートタンクで行われます。主に自然酵母を使用して発酵、樽でマロラクティック発酵後、村名以上は、12ヶ月樽熟成(新樽率30%)ののち出荷されます。
村名メルキュレ赤は、1950年と1965年に植樹された、それぞれ樹齢69年と54年の古木から造られるワインです(下の赤枠La ChagnéeとLes Arrottesの畑)。正確にはMercurey村でなくSaint-Martin-Sous-Montaiguという村ですが、メルキュレを名乗れるようです。年間生産量は2,000~2,500本。村名にしては少ない生産量ばがら、3千円を切る価格です。
今回は、青枠のEn Sazneyという1級畑のワインも購入していますす。    

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▼レジオナルのブルゴーニュ赤です。2017年と2018年を飲みました。生産量は平均5000本、ステンレスタンクで10ヶ月熟成しています。

まず、ブルゴーニュピノ・ノワール2017年です。

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やや明るめのラズベリーレッド。フランボワーズ、クランベリの赤いベリー系果実。最初は、少し酸味の強い単純な風味でしたが、1時間もすると甘みのある果実味が主張しはじめ、軽いハーブ、スパイス、柔らかく丸いタンニンとともにバランスが取れてきます。デイリーワインとして、軽すぎず、重すぎず、チャーミングなワイン。なかなか美味しいブルゴーニュ・レジオナルです。

▼ブルーチーズ2種(イタリアのグランティン・ブルーとフランスのブッジュ・デ・ネージュ)です。相性的にはワインが負けると思いましたが、グランティン・ブルーの方は、ややマイルドなブルーチーズで、そこそこ合いました。

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▼次にブルゴーニュピノ・ノワール2018年です。2018年のブルゴーニュワイン初呑みです。

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写真でみると僅かに2018年の方が濃く見えますが、同時に比較していないので、色調の違いについては何とも言えません。1年違いなので赤系果実の香りも全く同じですが、抜栓直後は、僅かにキャンディっぽい香りを感じを感じました。1時間ほどすると華やかになり、果実味も甘くなるのは同じです(心持ち、開くのに時間がかかる印象)。ブルゴーニュは、2017、2018、2019いずれも暑い年なので同じような傾向になるかと思います。

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ブルゴーニュ2017年が、予想以上に美味しかったので、調子に乗って村名のメルキュレも開けてみました。

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色調は、レジオナルと同じ明るめのラズベリーレッドですが、僅かながら黒っぽさがみられます。
抜栓後、活き活きとした酸は感じられるものの明らかに閉じており、1時間ほど経ってもあまり香りが立ってきません。さらに時間が経つと、徐々に、ラズベリーアメリカンチェリーの果実香が感じられるようになります。タンニンはそれほど強くなく、比較的滑らかですが、タンニンの陰に果実味が隠れているような印象で、やはり、開けるのは少し早かったようです。

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ということで、右端の1級畑En Saznayは、開けたい衝動を抑えて、少し寝かせることにしました。

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メルキュレ村名については、残念ながら閉じていましたが、凄く複雑という程でないにせよ、果実味のポテンシャルは感じられるワインでした。 

ブルゴーニュについては、コート・シャロネーズのレジオナルワインということで軽いイメージを持っていましたが、赤系果実の甘い香りと豊かな果実味が感じられるなかなか美味しいワインでした。何よりも、20K円を切る価格で、コストパフォーマンスの高い掘り出しものブルゴーニュワインだと思います。

<了>

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