久々に訪れた軽井沢。リゾートホテルのフレンチレストランで、デュジャックの飲み頃グラン・クリュ、2005年のボンヌ・マールを持ち込み、料理と愉しみました。
モレ・サンドニの名手、ドメーヌ・デュジャックの2005年。これまで、レ・マルコンソール(正確には2005年は、ネゴシアンもの。2006年からドメーヌものに)、そして、5月に飲んだジュヴレ・シャンベルタン・1erCru・オー・コンボット(→こちら)。いずれも、力強さに華やかさを兼ね備えた素晴らしいワインでした。
最近のヴィンテージは飲んでいないのでわかりませんが、若いデュジャックは、樽香が強く、やや苦手なのですが、 15年の熟成を経たデュジャックのこのヴィンテージは、非常に魅力的です。
15.06haの面積をもち、一部がモレ・サンドニ村に属するボンヌ・マールですが、イメージとしては、やはりシャンボール・ミュジニーのイメージが強い特急畑です。ボンヌ・マールの土壌は、斜面下部の「テール・ルージュ」と呼ばれる赤褐色土と斜面上部の「テール・ブランシュ」と呼ばれる白色土の2つの土壌から構成されていることが知られていますが、デュジャックは、両方の区画を所有しています(計0.59ha)。両区画のブドウをブレンドすることにより、ワインに複雑性をもたらすことができる有利な条件を有しています。
▼※所有区画(青色)の形状や大きさは正確なものではありません。
▼テール・ルージュ側のヴォギュエの畑。この上部にデュジャックが所有する区画のひとつがあります。
ドメーヌ・デュジャック ボンヌ・マール グラン・クリュ 2005年
[2005] Domaine Dujac Bonnes Mares Grand Cru
ハーヴェストクラブ軽井沢のフレンチ・レストラン”Maison de Forêt"にて。
強いボディをもつデュジャックなので、一応デキャンタ―ジュをお願いしました。すぐに開いて華やかなアロマが楽しめ、これは正解でした。
紫蘇色の入った艶のある美しいラズベリーレッド。うっとりする色調です。
デキャンタの効果もあり、香りは良く開いており、まず、ベリーやアメリカンチェリーの赤系果実と薔薇やハイビスカスの赤い花のアロマ、バニラやローストのオーク由来の第二アロマが感じられますが、直ぐに華やかな果実香に隠れて目立たなくなります。甘いシナモンや甘草(リコリス)、タンニンは、完全溶け込んでおり、絹のように滑らか。少し時間を経て、腐葉土や紅茶の熟成香(ブーケ)が顕れますが、最後は、お花畑状態に!。艶やかで何層にも重なった、複雑で、華やかな香り、上品な酸と旨味、長い余韻。
素晴らしく綺麗に熟成したボンヌ・マールでした。
(4.8)
▼カリフラワーの冷製フランにキャビア・雲丹・牡丹海老、ゼリー寄せ
▼フォアグラのポワレ、シードル・ソース
前菜に時々登場するフォアグラ。本来は甘口白ワインなのでしょうが、ここから、ボンヌ・マールに合わせました。
▼魚料理のメイン。石鯛のグリエ バジリックの香りのソース。
▼国産牛フィレステーキ 本山葵と岩塩が良く合いました。
▼茄子を使った風変わりなスイーツ
結構オーキーな印象が強く、一時期やや苦手なタイプだったデュジャックのワインですが、この2005年のボンヌ・マールの艶やかさと華やかさは、素晴らしく印象的でした。今年これまで飲んだブルゴーニュでは、ベストの1本といえるワインでした。
まあ、一期一会、2度と飲めないワインかと思いますが。
<了>