ローヌの5つ星生産者ドメーヌ・デュ・ペゴーのシャトー・ヌフ・デュ・パブ・キュヴェ・レゼルヴ。フランス全土で猛暑だった2003年ヴィンテージ、ローヌのトップ生産者の手によるCNDPは如何に?
ドメーヌ・デュ・ペゴーは、家族経営ながら、シャトー・ヌフ・デュ・パブ(CNDP)に21haの畑を所有しています。ペゴー家のワイン造りは18世紀まで遡るようですが、ネゴシアン時代も長く、現在のドメーヌ・デュ・ペゴーを名乗ったのは意外にも1987年と比較的新しいようです。発酵にフードル(大樽)を使った伝統的な造りを採用しています。
このドメーヌの名声を高めたのが、優良年のみに生産される「シャトーヌフ・デュ・パプ・キュヴェ・ダ・カポ」で、ローヌ好きのロバート・パーカーが何回も100点を付けています。キュヴェ・ダ・カポは5万円を超えており、ちょっと手が出ません。今回のキュヴェ・レゼルヴも1万円前後とそこそこの価格なので、同価格のノーマルのCNDPとしては、ジャナスやボーカステルを、そして低価格のものであれば、最近評価の高いドメーヌ・ド・フェランとかを選んでしまいます。ただ、ペゴーのテーブルワイン「プラン・ベコー」はコスパの高いデイリーワインとして時々飲んでいました。
CNDPは、ローヌ地方の13種の混醸が認められていますが、ペゴーのCNDPは、グルナッシュ主体ながら、珍しく、13種すべての品種をブレンドしているようです。
ドメーヌ・デュ・ペゴー シャトー・ヌフ・デュ・パブ・キュヴェ・レゼルヴ 2003年
[2003] Domaine du Pegau Chateauneuf du Pape Rouge Cuvee Reservee
黒みがかったダークチェリーレッド、縁にわずかにレンガ色も混ざるが、まだまだ濃さが残る色調。レッグはやや長く、粘性はそこそこ強い。
カシス、ダークチェリーやプルーンのコンポート、牡丹の花、ドライハーブ、バニラ、なめし皮、肉、ヨード香、リコリス、黒胡椒、湿った大地とスーボワの香りが複雑に混ざり合う。アタックには黒蜜のような甘みを感じ、酸は柔らかく、タンニンは円やかで、完全に溶け込んで滑らか。余韻も長い。
(3.8)
▼やっぱり、濃厚なローヌには、肉(鴨のパストラミと牛肉)で。
▼左上:アメリカの熟成チェダー、右上:ボーフォール、左下:フルムダンベール、右下:オッソーイラティ
どれも、相性はOKですが、このワインは、やはりブルーチーズがベストマッチのようです。
2003年のCNDPは、多分初めてだったと思いますが、猛暑の2003年のローヌということで、過熟気味のブドウからの濃厚な甘味を予想していました。確かに甘みは強めなものの、思ったほどジャミーではなく、豊かな果実味にフローラルな香りもあり、何よりもブレンドの妙からくる複雑性が感じられるすばらしいCNDPでした。
<了>