ドメーヌ・ロベール・グロフィエのシャンボール・ミュジニー1級レ・サンティエです。グロフィエのシャンボール・ミュジニーのラインアップの中では、レ・ザムルーズに次ぐ位置づけのワインです。綺麗に熟成した良年2009年を味わいました。
シャンボール・ミュジニーの偉大な1級畑、レ・ザムルーズの最大所有者であるロベール・グロフィエは、シャンボール・ミュジニーの造り手のイメージがありますが、実は、モレ・サン・ドニに本拠を置くドメーヌです。
▼2015年にこの地を訪れた時にこのことを初めて知りましたが、シャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニをつなぐモレ通りに面した所にあります。ブルゴーニュの中では、比較的な派手な建物です。現在は、ロベール・グロフィエ氏は既に引退しており、孫の二コラ氏が5代目としてドメーヌを受け継いでいます。
▼ちなみに、すぐ右隣りが、このクロ・ド・タールになります。
今回のレ・サンティエの畑ですが、モレ・サン・ドニ村に接する位置にあります。直ぐ上に位置するボンヌ・マールとともにドメーヌから最も近いところにある畑になります。面積は3.73haで、グロフィエは、このうち1.07haを所有しているようです。シャンボール・ミュジニーの北部にあるこの畑や、グロフィエが所有するボンヌ・マールの区画は、ジュヴレ・シャンベルタンに続く石灰質の岩盤上にあり、シャンボール・ミュジニーの華やかな女性的な性格よりも、ジュヴレ・シャンベルタンやモレ・サンドニの性格に近く、鉄分を感じる骨格のある男性的なワインを生みだすと言われています。
ロベール・グロフィエ 1級 レ・サンティエ 2009年
Domaine Robert Groffier père et fils 2009 Chambolle-Musigny 1erCru Les Sentiers
縁に僅かにオレンジ色が入るやや淡めながら艶のあるラズベリーレッド。
ラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリー、赤黒系果実の華やかな香り、薔薇、スミレ、ドライハーブ、少し時間が経つとスーボワ香、腐葉土、紅茶の熟成アロマ。柔らかいが、豊かな酸。タンニンは甘く溶け込んでいる印象。僅かな鉱物的なミネラルを感じるものの、総じて華やかな香りと時間と共に出てくる柔らかな甘酸からは、モレ・サン・ドニよりも、シャンボール・ミュジニーの性格を感じます。若いうちは感じられるであろうしっかりとした骨格が、熟成により、ほぐれて丸くなった印象です。
少し前に飲んだレ・ザムズール2008年(テースティング記はこちら)に比べても、はるかに外向的な印象のワインです。
(3.8)
▼板橋常盤台の焼鳥屋「稲毛屋」の鴨焼き鳥と練馬光が丘IMAにある中華料理屋「大盛軒」の餃子です。どちらも絶品です(ローカルですいません)
ヴィンテージによらず安定感のあるロベール・グロフィエ。10年を経た2009年も飲み頃を迎えて、凝縮した果実味に熟成アロマが加わり、素晴らしい状態になっています。
リリース時(2011年)の価格は、税別で1万円を僅かに切る価格でしたが、最近のヴィンテージは、2万5千円を超えてしまっているようです。ちなみに、同じ2009年のレ・ザムズールは1万8千円、ボンヌマールは2万円で買えていたようです。
最近はプルミエ・クリュ以上は、ちょっと手を出しにくい価格になってしまい残念ですが、過去に購入したワインをゆっくりと味わっていきたいと思います。
<了>