グロファミリーの一角、ドメーヌ・アンヌ・グロ、クロ・ヴージョ・グラン・モーペルテュイのです。熟成したクロ・ヴージョを味わいたく、2005年ヴィンテージと更に、1998年ヴィンテージを開けてみました。
半年ほど前に2009年のアンヌ・グロのクロ・ヴージョを飲みましたが、実力を発揮するには、未だ若い印象を受けました(→グロファミリーのクロ・ヴージョ飲み比べ) 。
そこで、同じ良年の2005年と22年熟成の1998年を飲んでみました。
クロ・ヴージョは、50haを超えるブルゴーニュ最大のグラン・クリュ畑で、80もの所有者がいます。アンヌ・グロが所有する上部に位置する、グラン・モーペルテュイの区画は、クロ・ヴージョの中でも最良の区画のひとつとして知られています。
ちなみに左側に隣接している区画は、同じグロ・ファミリーのミシェル・グロの畑です。アンヌ・グロの畑は0.93haほどですが、ミシェル・グロは、0.2haと極小で、結構レアなのですが、価格的にはミシェル・グロのほうが安めです。
▼クロ・ヴージョの畑(シャトー・ド・ラトゥール・クロ・ヴージョから南方向を撮影)です。この特急畑、実際に目にするとその大きさに圧倒されます。
グラン・モーペルテュイの区画は、奥に見える矢印のあたり。
▼ヴォーヌ・ロマネ村にあるドメーヌです。ブルーがシンボルカラーなのでしょうか?
ドメーヌ・アンヌ グロ クロ ド ヴージョ グラン モーペルテュイ グラン クリュ 2005年
DomaineAnne Gros [2005] Clos Vougeot Grand Maupertuis Grand Cru
深みのある少し濃いめの色調のラズベリーレッド。
ブルーベリー、ブラックベリー、ダークチェリーの黒系寄りの果実香。牡丹の赤い花に凛とした清涼感のあるドライハーブ、ミントにブラックペッパーや甘草の香り。わずかな甘み、きめの細かいタンニン。伸びやかで奇麗な酸。凝縮した果実の甘みとスパイス、豊かな酸、タンニンのバランスが絶妙にとれており、流石に素晴らしいグランクリュですが、期待した妖艶な香り(獣香?)や腐葉土的な熟成アロマは未だそれほど感じられません。最良を味わうには、もう少し寝かしておくべきワインかと思います。
(3.8)
▼つまみは、自家栽培の採れたて焼きナス。ガーリック&フライドオニオン入りのオリーブオイルと。
▼メインは、モモ肉のステーキで。
アンヌ・グロのクロ・ヴージョ、さらに熟成したらどうなるかを試したく、1998年、22年前のクロ・ヴージョを1週間後に開けてみました。
ドメーヌ・アンヌ グロ クロ ド ヴージョ グラン モーペルテュイ グラン クリュ 1998年
DomaineAnne Gros [1998] Clos Vougeot Grand Maupertuis Grand Cru
当時のラベルは、今の洗練されたデザインとは異なります。今のラベルは2001年頃から使われているようです。1999年~2000年は、また異なるデザインのラベルです。
縁にレンガ色が入った中程度の色調のラズベリーレッド。ラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリーの熟度の高い果実香とベリーのドライフルーツの香り。ドライハーブ、ナツメグ、リコリス、紅茶、わずかにマッシュルームの熟成香。豊かだが、過度ではない酸と完全に溶け込んだタンニン。先に飲んだ2005年の比べると、腐葉土の熟成のアロマが漂う。余韻にややペパーミントの冷涼感を残す。時間とともに、甘みも感じられるようになり、熟成のアロマは更に妖艶に。すばらしくきれいに熟成したグランクリュ。
(4.0)
▼マグロのステーキとチキン。
▼今回も、また、ステーキ。こちらは、オーストラリアのサーロインです。
1週間間をおいて、2005年と1998年のクロ・ヴージョを味わいましたが、2005年については、半年前に飲んだ2009年に比べて酸やタンニンに落ち着きを感じましたが、ヴィンテージの特徴は似ていることもあり、それほど熟成感に違いは感じられませんでした。1998年については、熟成によるブーケがはっきり感じられるワインでした。ただ、色合いや酸から、枯れた感じは全くなく、まだまだ熟成の余地が感じられるワインでした。
どちらかといえば、骨格のある男性的なイメージのあるクロ・ヴージョですが、この女性醸造家が造るクロ・ヴージョは、派手さはないものの、きめ細かく、より洗練された印象を持ちあわせているワインだと思います。
<了>