お気に入りの造り手によるお気に入りのヴィンテージ、ドメーヌ・セラファン・ペール・エ・フィスのジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュの2005年ヴィンテージです。否応なしに期待が高まります。
自分を含めて日本でファンの多いジュヴレ・シャンベルタン造り手ですが、意外にも歴史は浅く、ドメーヌの設立は1947年です。ポーランドからの移民のスタニスラ・セラファンがブドウの栽培を始め、息子のクリスチャン・セラファンが元詰めのドメーヌを立ち上げます。ドメーヌの名前がこのセラファン父子(Pere et Fills)に由来しています。現在は、娘のカリーヌと姪のフレデリック・バショテと共同でドメーヌを運営しています。
▼ドメーヌは、ジュヴレ・シャンベルタン村の中心から西側に上ったラヴォー渓谷の近く、裏手には、プルミエ・クリュのレ・カズティエールの畑が広がっています。ちなみに、お隣は、アンリ・マニャンのドメーヌでした。
もはや、なかなか市場には出てこないセラファンの2005年ですが、最近、並行輸入のインデントものを入手できました。15k円ほどの価格なので、リリース時に比べると当然高めですが、まあリーズナブルな価格かと思います。
セラファン・ペール・エ・フィス ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2005年
[2005] DomaineSérafin Père & Fils Gevery-Chambertin Vieilles Vignes
ジュヴレ・シャンベルタン村の平均樹齢50年以上の3つの区画から。
紫色の残るやや濃いめのラズベリーレッド。縁に向かって明るいグラデーションが見られるがそれほど熟成が進んだ色調ではない。抜栓後まもなく、ブラックベリーやダークチェリーの熟した黒系果実の香り。ドライハーブや甘草、樽以来のロースト香とシナモンやリコリスのスパイス香。豊かな酸と甘味を感じるアタック、僅かに土っぽさと鉄のニュアンス。中盤から余韻にかけて割としっかりとしたタンニンを感じるが、先日飲んだ2009年ほど硬質ではなく、ややこなれてきている印象。
村名でも高い新樽率で知られている作り手ですが、凝縮した果実味が樽に負けていません。ジュヴレらしい骨格を持ちながら、2005年の特徴である甘露さも味わえる素晴らしい1本でした。
(3.9)
▼生マッシュルームをつまみに。まだ若々しさを感じるこのワインには、あまり合いませんが...
正に好みドンピシャのブルゴーニュです。もともとセラファンのジュヴレ・シャンベルタンは好みですが、やはり2005年というヴィンテージは、期待を裏切りません。
<了>