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ルー デュモン・レア・セレクション・サントネイ・1er・ラ・コム 1999年

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ルー・デュモンの古酒セレクション(レア・セレクション)、サントネイ・プルミエ・クリュ・ラ・コムの1999年です。このシリーズ、結構当たり外れの多い印象ですが、このワインは、間違いなく当たりの1本だと思います。

レジョナルからグランクリュまで、多くの銘柄の古酒が、手頃な値段で出てくるルー・デュモンのレア・セレクションですが、仲田さんが、様々な生産者を訪ね歩いて試飲して、見つけ出す蔵出し古酒として知られています。ヴィンテージの割に信じられないような価格で手に入るので、ブル古酒のファンとしては、以前は、レジョナルやヴィラージュを中心に結構飲んでいました。印象としては、飲めない状態のようなものにはあたらない反面、それほど印象に残るほどのものにもあたらず、価格相応かなという感じでした。もっとも、プルミエ・クリュの銘醸畑やグラン・クリュは経験していないので、奮発してトライしてみれば、印象は大きく違ったかもしれません。
生産者はバラバラで、そこで熟成させた古酒の状態で買い取っているものなので、ヴィンテージや銘柄はあくまで参考に過ぎず、このシリーズは、ある程度信用できる口コミに頼るのも、割と正しい選び方かもしれないと思います。

ルー デュモン・レア・セレクション・サントネイ1級・ラ・コム 1999年
[1999] Lou Dumont Lea Selection Santenay 1er Cru La Comme

コート・ド・ボーヌの南端近く(現在の最南端はマランジェ)に位置するサントネイは比較的地味なアペラシオンですが、多くのプルミエ・クリュの畑が存在するシャサーニュ・モンラッシェに隣接しており、土壌的にも決して悪くなく、しばしば、掘り出し物が見つかることがあります。今回のラ・コムもまさに、シャサーニュ・モンラッシェに接したところに位置する1級畑です。

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縁に少しレンガ色が入っているものの、このヴィンテージにしては驚くほどまだ若い色調も残るラズベリーレッド。色合いからは、期待が膨らみます。
ブルーベリーやアメリカンチェリーの赤黒系果実やドライハーブの心地よい香り。少し間を置いて、紅茶やスーボア、キノコの熟成を感じさせるブーケが混じり複雑な香りに。味わいは、熟度の高い果実味からの甘みを感じるアタック。酸は柔らかく、タンニンは完全に溶け込んでいる印象。アフターに感じる僅かな苦みが心地よい。1時間ほどで腐葉土の古酒らしい妖艶な熟成香も。これは、香りや味わいにバランスのとれた心地よい古酒。

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 ▼24ヶ月熟成のパルミジャーノ・レッジャーノと。
適度な塩味と旨味が、このワインの甘酸との相性をもたらしてくれます。

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冒頭に若干ネガティブなことも書きましたが、このワインは、少なくとも4K円台半ばの価格を大きく超えるパフォーマンスを持つと思います。レア・セレクションは、買い付けの古酒なので、バラつきは覚悟のうえですが、5K円前後であれば、冒険したくなります。数万円のドメーヌもののグラン・クリュ古酒がブショネだったことを考えると遥かにリーゾナブルな賭けかもしれません。
<了>

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