Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

オーストラリア旅行2022~タスマニア編②

2022年10月末から11月初めに訪れたオーストラリアのタスマニア島。滞在3日目は、ホバートの南東に位置し、世界遺産としても登録されているかつてのオーストラリア最大の流刑植民地であるポートアーサーへ、最終日は、ホバート港と歴史的な町、リッチモンドを散策しました。

オーストラリアは、18世紀から19世紀にかけて英国の植民地となったことなり、この時代に多くのヨーロッパ人が入植しましたが、同時に多くの囚人が収監された流刑の地としても知られています。英国流刑の歴史を伝承する貴重な遺跡として、計11か所の囚人遺跡が2010年7月に文化遺産に登録されています。その中で、最も最大の流刑地が、タスマニアにあるポートアーサーです。
ちなみに、1788年に最初の植民地行政総督となったのが、英国海軍の軍人でもあるアーサー・フィリップ(Arther Philip)という人物です。ワインの勉強をした方は、良くご存じと思いますが、オーストラリアに最初にワイン用のドウの樹を持ち込んだ人物です。苗木は、は南アフリカ喜望峰とブラジルからシドニーに持ち込まれています。シドニーに上陸したアーサー・フィリップの一行には多くの囚人が含まれており、この地に最初の流刑場が作られたといわれています。

ポートアーサーはホバートから約1時間と近いことから、定番の観光スポットになっているようです。ポートアーサーのあるタスマン半島は断崖絶壁が続く景勝地としてもとも知られています。

地図出典元:旅行のとも、ZenTech

遊歩道からは、こんな感じの断崖絶壁が見られます。

ここタスマン半島で自然が作り出した代表的な観光名所が、「タスマン・アーチ」と「デビルズ・キッチン」です。
↓タスマン・アーチは、海水の浸食によって生み出された高さ64mの巨大なアーチ状の断層です。写真では、伝わりにくいですが、近くから見ると圧倒的な迫力です。

↓デビルズ・キッチンは、水平に侵食された堆積岩の断崖が縦に向きを変え火成岩の柱状の岸壁とのこと。写真は、白波で分かりにくいですが,,,

目的地のポートアーサーの史跡地区です。かつてのオーストラリア最大の流刑地で、1830年代から1877年まで12000人以上の囚人や役人が滞在していました。特に重犯罪者が収監されていた刑務所であったようです。

ビジターセンターで入場料の47$(結構高い)を払って、敷地内に入ります。

広大な敷地内に独居房、協会、官舎等30もの歴史的な建造物や美しい庭園が芝生の中に点在しています。

↓湖のようにも見えますが海です。

↓敷地の中に建つちょっと違和感のある新しい教会(St.David's Church)。こちらは、流刑地時代のものではなく、1927年に建てられたもののようです。

19世紀末の大火事により、レンガ造りの刑務所の中は、外壁を残して崩れ去っていますが、独居房になっていた跡が見られます。

↓こんな風に所々、収監されていた囚人の説明があります。

当時の刑務所全体の模型が展示されています。

刑務所内で使われていた鎖に加えて、日常品も数多く展示されています。

刑務所として使われていた期間は、40年ほどで、それほど長くないようですが、植民地の歴史を感じさせる史跡であるとともに、豊かな自然の中に点在するレンガ造りの建物は、19世紀のヨーロッパの田舎を想像させるような印象的な風景でした。

以上、単なる旅行記になってしまいましたが、ワインのブログなので、ここタスマニアで飲んだワインについて触れたいと思います。

Goaty Hill MAIA
タスマニア、TamarValleyのスパークリングワインです。
Goaty Hill(ヤギの丘)という名のワイナリーですが、現在は、Small Wonderという名前になっているようです。

ワイナリーは知りませんが、タスマニアは、スパークリングワインの産地として有名です。

トラディショナル方式のスパークリングワインですが、価格は30豪ドル程度だったと思います。断続性のあるきめ細かい泡、色合いはやや熟成を感じるイエローで光線の関係かもしれませんがやや赤みがかっているようにも見えます。よく熟した柑橘果実に蜜の入った黄リンゴに瓶内熟成由来のパンドミーやトーストの香りが複雑さを与えています。味わいには酸よりも成熟した果実の特徴が目立ちます。ピノ・ノワール中心で、シャルドネブレンドしたスパークリングと思われます。余韻は、それほど長くありません。欲を言えば酸の伸びがもう少しほしいところですが、価格を考えるとなかなか良くできたスパークリングワインだと思います。

↓魚介マリネと

↓ちょっと贅沢にWoolworths(スーパ)で購入したロブスターです。一尾9豪ドルでした。

タスマニア3泊の滞在で飲んだワインです。これ以外にNinth Islandというワイナリのリースリングの計5本になります。

右2本のワインが、Hurly Burlyというワイナリーの赤ワインです。
Hurly Burlyは、2日目に通った東海岸にあるワイナリーのようです。

www.hurlyburlywines.com.au

HPによると、ラベルのイラストは、ホロホロチョウ (Numida meleagris) で、害虫駆除に役立っている鳥とのこと。
ピノ・ノワールは、前日飲んだTamar Ridgeと似ており、果実味中心の味わいにやや甘みを感じるチャーミングなワインです。

もう1本は、カベルネ・ソーヴィニヨンメルローカベルネ・フランブレンドワインです。濃い目のダークチェリーの外観。カシス(ブラックカラント)、ブラックベリーの黒系果実に木樽からのロースト香、カカオ。やや甘みを伴う凝縮した果実味主体で、タンニンはそれに隠れているせいかやや円やかに感じます。濃厚ですが、フランからのグリーンペッパーのテーストが、熱量を少し下げるアクセントとなっており、なかなかのバランスです。

<了>~タスマニア編③に続く