Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ドイツ&オーストリアのピノノワールから

最近飲んだドイツとオーストリアピノノワールワインを紹介します。ドイツは、ファルツのベルンハルト・コッホの日本市場向けの特別キュヴェ、オーストリアは、ブルゲンランドのハインリッヒのピノ・ノワールです。ピュアな果実味溢れる味わいを楽しめました。

ベルンハルト・コッホ ピノ・ノワール キュヴェ チエ 2021年
Bernhard Koch Pinot Noir Cuvée Chie 2021

ドイツを代表するシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の産地として知られているファルツ(Pfalz)ハインリッヒ村のワイナリー、ベルンハルト・コッホの赤です。
ワイナリー所有の畑は、50~52ha、年生産量4550万本ということなので、ドイツでは、大規模な生産者と言って良いかと思います。
ベルンハルト・コッホのワインのラベルは、シンプルながら描かれたマーク(ハインリッヒ村の紋章のようです)が印象的でショップの店頭でもしばしば見かけます。ここのシュペートブルグンダ―は、過去に飲んだ記憶がありますが、今回のワインは、ワイナリーの醸造長を務める日本人女性の坂田千枝さんが、日本市場向けに醸造した特別キュヴェのようです。ラベルには、通常、ピノ・ノワールのドイツでのシノニム(別称)であるSpätburgunderの表記がされますが、このワインは、Pinot Noirの表記になっています。日本市場向けということで、日本人に分かり易いこの表記になっているのかと思います。

明るいラズベリーレッドの外観。意外にも縁には僅かにオレンジ色も混ざる。
香りは抜栓直後からよく開いており、クランベリーラズベリー、レッドチェリーの赤系果実。スミレ、シナモン、ダージリンミルクティに心地よいオークが香ります。
味わいは、熟した果実からの綺麗な酸のアタック、タンニンは、きめ細かく滑らか、そこそこの甘みは感じますが、ダレた感じは全くなく、酸やタンニンと上手くバランスが取れています。チャーミングで優しいながらそれなりの骨格を持っている印象。

(3.4)

日本市場にターゲットを合わせているようで、あまり赤ワインを飲み馴れていない人でも美味しい、飲み易いと感じられるワインだと思います。

楽天市場でベルンハルト・コッホのピノ・ノワールを探す

次にオーストリアピノ・ノワールです。

オーストリアのワインといえば、土着品種であるグリューナ・フェルトリーナに代表される白ワインがイメージされますが、黒ブドウも3分の1程度栽培されています。ドイツでは、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の伸びが著しいですが、オーストリアの黒ブドウは、ツヴァイゲルドとブラウフレンキッシュが上位ベスト2と占めており、ピノ・ノワール(ブラウアー・ブルグンダ―)の栽培面積は、1.3%(2021年)にすぎません。オーストリアでは、いわば、マイナーな品種といえます。

ハインリッヒ ピノ・ノワール 2017
 [2017] Heinrich Pinot Freyheit 

こちらは、もらいもので、初めて飲む造り手のワインですが、オーストリア自然派ワインの造り手として知られているようです。ラベルに”Pinot Freiheit”とありますが、品種はピノ・ノワール、Freiheitはドイツ語で「自由」の意味で、ここのワインによく使われているようです。アルコール度数は11.5%と低めです。

このワイン、ガラス栓が採用されています。栓を開けると、まず、火打石(フリント)や火薬っぽい香り、いわゆる還元香があります。先のベルンハルト・コッホ同様、外観は、明るめのラズベリーレッド。還元香の背後に、レッドカラントやラズベリークランベリー、サワーチェリーの赤いフルーツの香りが溢れています。石灰からのミネラル、森林の香りが加わります。味わいには、凝縮した赤系果実味と中程度の酸が感じられ、タンニンは比較的穏やかです。強めに感じた還元香は30分ほどで弱くなりますが、それとともに、酸が強まります。最終的には、強めの酸が少し気になりますが、短時間で変化を楽しめるワインでした。前半に強く感じるフリントな香りも還元香と言えば、そうかもしれませんが、嫌なものではなく、むしろ心地よさを感じるものでした。ちょっと個性的な味わいのピノ・ノワールです。

(3.3)

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