Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

田酒と田友 飲み比べ

産地も蔵元も全く関係ない、ただ頭に「田(でん)」が付くだけの日本酒が揃ったので飲み比べてみました。青森の銘酒「田酒(でんしゅ)」と新潟の「田友(でんゆう)」です。

田酒に関しては、日本酒好きであれば知らない人はいない人気の銘酒かと思います。蔵元は青森県の「西田酒造店」。名前の由来は、「田んぼの米のみを使う酒」ということで、アルコール添加しない純米酒造りにこだわる蔵元です。

一方の田友は、新潟県小千谷市の「高の井酒造」による限定商品です。今回の田友 純米吟醸は、登録店限定のようで、越後湯沢駅の「ぽんしゅ館」で購入しました。

ちなみに、越後湯沢駅には、150種もの新潟の地酒が試飲できる自販機があります。受付で500円を払うと5枚のメダルがもらえ、このメダルを入れて好きな日本酒の試飲ができます。必ずしも5種類飲めるわけではなく、試飲に必要なメダルが2枚とか3枚とか必要なものもあります。セルフで燗にすることもできます。

以下、飲み比べた日本酒の情報です。

田友 純米吟醸
魚沼小千谷産「越淡麗」100% 精米歩合 55%  Alc 16度  酵母は不明

田酒 特別純米酒
山田錦」100% 精米歩合55% Alc 16度 酵母は協会9号?
※以前飲んだ特別純米は「華吹雪」だったと思います。

偶然ながら、精米歩合、アルコール度数は全く同じです。

まず、どちらも冷酒で味わいます。

田酒 特別純米

メロンやマスカットを感じるフルーティーで華やかな香りと柔らかい甘みの味わい。華やかな中に米の旨味を感じます。後味は円やか。山田錦の力強さを感じるかは微妙だが、各要素が突出することなく、絶妙なバランスを保っている感じ。

田酒 特別純米酒

こちらも吟醸特有のフルーティな印象はあるが、こちらはやや辛口。越淡麗は名前どおり端麗辛口な酒を造り出す酒造好適米ですが、この日本酒は端麗というより、ややボリューム感を感じます。特徴的なのは酸。後味の苦みもやや強い。

田酒の特徴は、フルーティな華やかさとバランスの良さ、一方の田友は、華やかながら、コクや酸、苦み等がやや強調されたメリハリのある酒質。
田酒は刺身等、田友はどちらかというと味の濃い煮物や揚げ物に合うような気がします。

下仁田ネギをただ焼いたものです。薬味は、かんずり(新潟妙高の発酵辛子調味料)といぶりがっこのペーストです。

↓北海道白糠町ふるさと納税のホタテです。大粒、甘くてすごく美味しいです。昨年購入したものですが、今年もリピート予定です。

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↓別な日に、燗(ぬる燗)にしてみました。

このぬる燗での比較は、田友に軍配があがります。

冷酒では、やや辛口で少し苦みもありちょっと(端麗さと逆ですが)重さも感じましたが、温度を上げると、滑らかな酒質になり、甘み・酸・旨味のバランスがとれ、苦みも目立たなくなり圧倒的に飲みやすくなります。瓶に「第14回全国燗酒コンテスト金賞」のラベルが貼ってありますが、まさにこれは納得です。
ちなみに、この田友の純米吟醸、フランスで行われた「Kura Master 2020」という日本酒コンクールでプラチナ賞を受賞したようです(店頭のPOPに書いてありました)。

https://hatsuume.co.jp/topics/topics-40/

間違いなくフランス人は冷酒で飲んだと思いますが...

田酒のぬる燗も悪くありませんが、やや甘みが強調され(個人的な感想ですが)バランスが少し崩れる印象があります。やはり、田酒は、冷酒が最高と思います。

以上、頭に田(でん)がつき、精米歩合・アルコール度数だけが共通な2本の感想で、あまり意味のない比較でしたが、どちなも華やでかつ米の旨味を感じる日本酒ながら、造りの方向性の違いが分かり、なかなか興味深い体験でした。

<了>

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