Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

写楽 赤磐雄町と会津宮泉のアッサンブラージュ純米酒

福島県会津のお気に入りの造り手、宮泉銘醸の2本、写楽会津宮泉です。前者は、飲食店向けブランドで、後者は一般販売向けのブランドになります。造りの違う2本なので、比較という訳ではありませんが、たまたま同時期に2本ストックしたので、飲み比べてみました。

宮泉は、福島県会津若松市内、観光名所になっている鶴ヶ城跡のすぐ近くにある蔵元です。昔、この近くに住んでいましたが、それとはあまり関係なく、ここ数年、年に1~2回、蔵元を訪れて、こちらの日本酒を購入しています。

全国的には、「宮泉」という名前よりも、「写楽」の名前で知られているかと思います。実は同じ蔵元で、「写楽」は、居酒屋等の飲食店向けに卸されているブランドで、「会津宮泉」は、酒販店向けのブランドになります。蔵元では、「会津宮泉」は購入できますが、「写楽」は入手できません。
ただ、同じ日本酒でブランド名だけ変えているわけではないようです。「写楽」は、どちらかと言えば、メジャーな酒米、メジャーな産地の山田錦や雄町等を主に使用しているのに対して、「会津宮泉」は、夢の香(福島)や河北四号(山形)、福島産の五百万石などの地元や東北産の酒米を使用しています。
同じ会津若松の人気な銘酒に「飛露喜」がありますが、こちらも写楽同様、主に飲食店向けのようで、酒販店での一般入手はなかなか難しい銘柄です。地元の会津若松でも、販売日に行列に並んで購入するようです。酒販店で全く入手できない訳ではありませんが、結構プレミアな価格で販売されています。写楽については、最近は酒販店でも見かけることもあります。今回の写楽も、西武池袋店の地下に昨年9月にオープンした「酒蔵」で普通に販売されていました。店員に聞いたところ、卸経由ではなく、直販とのことです。ちなみに、このショップでは、やはり特約店が限られ入手が難しい島根の「王禄」も常時販売されているようです。

前置きが長くなりましたが、まず会津宮泉の限定酒「会津宮泉:re(リヴァース)」から。
この日本酒の説明は、下記の裏ラベルをご覧ください。精米歩合60%の夢の香からの純米酒精米歩合60%の夢の香の酵母無添加生酛純米酒精米歩合50%の山田錦からの純米吟醸酒のアンサンブラージュとのこと。複数の酒米からの日本酒は珍しくありませんが、これはちょっと珍しいブレンド酒かと思います。生酛純米酒純米吟醸ブレンドというのは、あまり記憶がありません。

吟醸香はやや控えめながら、フルーティーさは感じます。アタックに旨味とともに、比較的強めの酸を感じます。生酛から酸かと思われます。後半から余韻にかけては、心地よい苦みが感じられます。フルーティで甘めの日本酒が比較的多い宮泉にとっては、これは、やや辛口に感じられます。白ワインのようなフルーティーさと酸が感じられる日本酒です。生酛純米酒の旨味と酸味、純米吟醸の華やかさの両方を兼ね備えた特徴をもっています。
↓焼き鳥とさつま揚げに合わせて楽しみましたが、甘さがやや抑えられている分、幅広い料理に合いそうです。

次に、写楽の岡山赤磐雄町からの純米吟醸です。
この純米吟醸は、数年前に、札幌の居酒屋で飲んだことがありますが、それ以来になります。ちなみに、その居酒屋では、同じ写楽の「備前雄町」もあり、飲み比べました(酔っていたので違いは記憶に残っていません)。

↓外観(左側)は、純粋なクリスタルカラーです。写真では分かりにくいですが、右側の「会津宮泉re:」は、僅かに黄色が入っています。1年熟成(2020年産)によるものと思われます(一般に生酛酒に色がついているのは、醸造方法の理由ではなく、少し熟成させて出荷したほうが生酛の良さが顕れる為です)

メロンやみずみずしい白桃のような華やかな吟醸香と上品な炊いた米の香りが感じられます。まるで生酒のようですが、実際は1回火入酒です。
味わいのアタックに甘みと旨味が広がります。ボリューム感が凄く、とろみを感じます。中盤から酸も広がり、心地よい苦みの余韻が長く続きます。

↓こちらは、魚介類(タコとエビ)のシンプルな和え物が良く会います。

↓ちなみに2ヶ月ほど前に、同じ写楽の「吉川山田錦」を飲んでいます。酒造好適米としては最高の兵庫県吉川町からの純米吟醸酒です。
流石に華やかで山田錦の力強さが感じられる1本でしたが、今回の赤磐雄町もそれに負けない美味しい純米吟醸でした。

会津宮泉:re」はこの酒蔵の意欲作を感じる日本酒です。香りは、やや抑え気味で、生酛の旨味とアンサンブラージュからの複雑性が特徴として感じられます。この酒蔵には珍しく(?)やや辛口に振っているのも興味があります。色々な料理に合いそうな純米酒だと思います。ここの河北四号からのにごり生酒とともに、また蔵元で見つければリピートしたいと思います。

写楽の雄町酒、ふくよかで、酸も感じられる雄町の特徴をよく表わしており、加えて山田錦のような力強く華やかな香りもある素晴らしい純米吟醸でした。なかなか手に入れにくい銘柄ですが、間違いなく、見つければ買いです。

やはり、会津宮泉と写楽、美味しいです!

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