スペイン・バレンシア産の100%有機栽培のブドウからの旨安ワイン、パゴ・カサ・グランの「カサ・ペナサル」です。こここのアロマティックな白ワインは、お気に入りのデイリーワインですが、今回は、赤ワインも飲んでみました。いずれも、1500円前後で、手に入るコストパフォーマンの高いワインだと思います。
パゴ・カサ・グラン(Pago Casa Gran)は、スペインの地中海に面したバレンシアの南部クラリアノにあるワィナリーです。現当主は、カルロス・ラソ・ガルビ氏で、ワイナリー自体は2004年設立と若いようですが、母親が何十年も前から地元で消費されるワイン造りを行ってようです。
エチケットにある、蝶のデザインが気になっており、HPで調べたところ、
「Bで家を表し、その屋根には線があり、その上には、ボトルの中のワインがみえるように型抜きされら水滴が描かれています。蝶は組成物に温かみを与え、殺虫剤を使用すると最初に姿を消す昆虫の1つであるため、選ばれました」とありました。
蝶を有機栽培のシンボルとして表現しているようです。
カサ・ベナサル ブランコ (Casa Bernasal Blanco) 2021
ゲヴュルツトラミネールとモスカテルのブレンドワイン。ヴィンテージにより比率は変わるようですが、2021年は、4:6のようです。ゲヴェルツトラミネールは、スペインでは珍しい品種ですが、祖父がドイツから持ち込んだもののようです。
裏ラベルには、Organic White Wineと書かれています。
ここ2年ほど、信濃屋で、デイリーワインのひとつとして、しばしば購入しているお気に入りのワインです。
やや濃いめのクリームイエロー。アロマティックな品種どおしのブレンドなので、当然ながらアロマティックなワインです。このヴィンテージは、モスカテルの比率がやや高いせいか、(そのまんまですが)マスカット香が結構特徴的で、それに、ライムやグレープフルーツ等の柑橘や甘い香りのライチ、ジャスミン等の華やかな香りが加わります。味わいも華やかで、口当たりの良い果実味と柔らかいながら豊かな酸。時間が経ち、温度が上がると甘みが出てきます。好みとしては、キリっと冷やした状態で楽しみたいワインです。海老とアボガドのサラダに良く合いました。
(3.0)
カサ ベナサル ティント (Casa Bernasal Tinto) 2021
モナストレル、シラー、ガルナッチャ・ティントレラを主体とするブレンドワインですが、このヴィンテージは、シラー 40%、ガルナッチャ・ティントレラ 40%、モナストレル 20%のようです。ステンレスタンク熟成で樽は使っていないようです。
かなり濃い色調のダークチェリーレッド。カシス、プラム、ブラックベリーの黒系果実の香り、スミレ、牡丹の花。若いせいかアタックにちょっとガスを感じます。やや酸も立っている印象、このヴィンテージは、シラーの割合がモナステルよりも多いですが、味わい的にはシラーのスパイス感よりも甘みのあるモナステルがやや強く感じられます。2日目は、やや雑味を感じました。凄く安く(1230円)コスパは高いとは思いますが、好み的には、リピートはちょっと迷う印象です。
(2.7)
カサ ベナサル エレガント (Casa Bernasal Elegant) 2020
上記の上級版ワインで、モナストレル 40%、ガルナッチャ・ティントレラ 30%、シラー 30%と品種構成は似ていますが、こちらは、一部樽熟成(50%オーク樽12か月)です。
ティントに比べるとやや淡めの色調。ラズベリーやブルベリー、ダークチェリーの少し赤系も混ざる果実香。スミレの花、僅かにナッツのニュアンスも。アタックは円やかな甘みと酸と果実味。モナストレルやガルナッチャ主体なのでタンニンは円やか。モナステルからの甘さはありますが、各要素が突出せず、バランスがとれており、名前のとおりエレガントなワイン。2日目も雑味は出ず、円やかさは変わりません。モナストレルが好きな方には、これは、お奨めのワインです。
(3.0)
あらゆるワインが高騰しているなかで、カサ・ベナサルのコスト・パフォーマンスは、際立っていると思います。スタンダードの赤(Tinto)については、早すぎたのか、ちょっとバランスを崩している印象でしたが、万人受けする白(ゲヴァルツトラミネール/モスカテル)とバランスの良い赤のElegantは、お奨めです。
了