Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

プス・ドール コルトン・ブレッサンド・グラン・クリュ2006

ヴォルネイに本拠を置くドメーヌ・プス・ドールのグラン・クリュ、コルトン・ブレッサンドです。ヴィンテージは、2006年。冷涼でやや難しい年ですが、骨格のあるクラシカルな印象のブルゴーニュワインでした。4種のチーズと家飲み定番の焼き鳥と合わせて、愉しみました。

「黄金の新芽(La Pousse d'Or)」という名を冠するドメーヌ・ラ・プスドール。16世紀初めからの歴史のあるドメーヌですが、このドメーヌの名声を築いたのが、ジェラール・ポテル氏、そしてその息子の二コラ・ポテル氏です。私が、ちょうどブルゴーニュワインに興味を持ち始めた頃に市場に出ていたのは、その頃のラ・プスドールでした。
エチケットのデザインも現在のものとは違っています。
1997年にジェラール・ポテル氏が亡くなるとともに、二コラ・ポテル氏が独立してネゴシアンを立ち上げ、ドメーヌは、現在のオーナのパトリック・ランダンジェが買収しています。確かこのタイミングでラベルも変わったと思います。その後。2008年にシャンボール・ミュジニーのドメーヌ・モワンヌ・ユドロを買い取り、レ・ザムルーズやボンヌ・マールの畑を手に入れています。

↓今年9月にヴォルネイを訪れた際に、このドメーヌを見つけました。ブルゴーニュのワイナリーの建物としては、結構立派で、ボルドーのシャトーのようです。すぐ前には、ブドウ畑が広がっています。

ドメーヌ・モワンヌ・ユドロのコート・ド・ニュイ畑を引き継いだことで、コート・ドール全体に18haの畑を所有する大きなドメーヌになりましたが、やはりプス・ドールと言えば、ヴォルネイやポマール等のコート・ド・ボーヌのワインに馴染を感じます。その中でも、頂点に位置づけられるのが、このコルトン・ブレッサンドかと思います。

La Pousse d'Or Corton Bressandes Grand Cru 2006

東向きの斜面で、石灰質と粘土質土壌の畑のブドウから。年産は1500本。バリックで4樽分ほどの生産量になります。ドメーヌは、コルトン・クロ・デュ・ロワも所有していますが、ブレッサンドの畑は、その3分の1(0.48ha)程度なので、ややレアなワインと言えるかと思います。

外観は深みのあるラズベリーレッド。縁に僅かにオレンジが混ざりますが、17年経ってるとは思えない色調。抜栓直後は、やや香りが控えめながら、徐々にカシスやブラックベリー、ダークチェリーのどちらかと言えば黒系果実の香りとドライローズ、ドライハーブ。胡椒、丁子のスパイス香に土っぽさのある下草やなめし皮、キノコ等の熟成香。華やかさよりも重厚さを感じる香り。味わいは、骨格を感じる凝縮した果実味と未だしっかりとしたタンニンを酸が支えている印象。余韻に僅かに甘みが広がるが、まだタンニンが支配気味。2時間ほどで、腐葉土や獣香のブーケが加わり、タンニンもやや円やかになります。

(3.4)

2006年のブル赤はビッグヴィンテージの2005年に比べると難しい天候だったせいか、内向的で、冷涼さのあるクラシカルなワインが多いような気がしますが、あまりハズレにはあたったことはありません。このワインもちょうど飲み頃だと思いますが、しっかりとした骨格を感じるブルピノで、あと5年は熟成による進化が期待できそうです。
最近は、2018~2020年のブルゴーニュを開ける機会が多いのですが、暑い気候を反映して、同じように濃い色調なでも、外交的で、やや甘く、熱量の高いワインが多いのですが、久しぶりにこのようなワインに出会うと、なんとなく懐かしさを感じました。

比較的しっかり目のブルゴーニュなので、ブルーチーズと味が濃いめのにセミハードチーズと合わせてみました。セミハードチーズが、エルキュール(左上)、ボーフォールエテ(中央)、ブルーチーズは、フルムダンベール(左下)とローグリヴァー(右上)の4種です。

エルキューレは、今回初めて購入したもので、フランスピレネー産の羊乳・山羊乳チーズのようです。ピレネーと言えば、羊乳製のオッソー・イラティが有名ですが、旨味とコクはこちらの方が上手のように感じます。
とはいえ、ボディのある赤ワインには若干負け気味です。ボーフォールエテも同様ですが、ワインと同時に口に入れなければ、相性は、問題ありません。
ちなみにこれらのチーズは、同じ日に飲んだこんな白ワインが良く合いました。珍しいサンシニアンの白、「フォンカリュ カラクテール ユニック サン シニアン ブラン 2021」です。酸が控えめで、柔らかい果実の甘み、僅かな酸化のニュアンスのアクセントがありますが、ワインが主張すぎない分、チーズと良く合います。

ブルーチーズは、軽めのピノワインは、ワインが負けてしまうのですが、骨格のしっかりしたこのワインとの相性は悪くありません。ロックフォールのような強烈な塩味があるチーズでは、極甘口ワインがベストですが、優しい風味のフルムダンベールは、中重口以上のピノノワールワインには合うと思います。
最後に、ローグ・リヴァーです。アメリカの南オレゴン産の季節限定のブルーチーズです。洋梨のブランデーが染みており、ブルーチーズの塩味とともの濃厚な甘みを感じるチーズです。ロックフォールとは別な意味でインパクトのあるチーズですが、重めの赤ワインとは、合います。一般的には、ピノノワールとの相性は、ややワインが負け気味ですが、骨格があるやや重めのこのピノとは、そこそこ楽しめるという印象でした(このチーズとワインとの相性については、別途書きたいと思います)

やはり、ブルゴーニュ赤には、焼き鳥が良く合います。家飲みの最高の愉しみです。近所の焼き鳥店調達ですが、鳥以外に、鴨、豚、牛が揃っています。
ちなみに、このワインには、スモーキーなハツと濃厚な牛とニンニク串がピッタリでした。

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