Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

ハワイ島での2024年正月~フード&ドリンク編

2023~2024年の年末年始は、ハワイ島で過ごしました。滞在中に飲んだワインと食について書きたいと思います。多様性に富んだ自然が楽しめるのがこの島の大きな魅力ですが、海産物を中心とした食も楽しみのひとつです。ただ、昨今の円高と物価高もあり、外食は極力回避し、夜は自炊に徹し、高価なワインは日本から持ち込みました。

最近、TVでコロナ後のハワイ旅行者へのインタビューで、現地の物価の高騰を嘆く声が、聞かれます。コロナ後、日本人の海外旅行が盛り上がらない一因になっているのは間違いないようです。
ということで、今回は、節約のため、少なくともお酒類は、日本から持ち込むことにしました。
↓ワインの運搬は、昨秋にフランスのボーヌで購入した、発泡スチロールと段ボールを使用しました(これ、絶品です)※写真のワインは今回持ち込んだものではありません

こちらが実際に持ち込んだワインです。あとシャンパン1本、計7本です。

これに、成田空港で購入した日本酒2本の計9本を持ち込みました。
米国のアルコール類持ち込み規制は、1人1リットル(今回は計3リットル)なので、課税対象となることは覚悟していており、申告しましたが、意外にも課税はありませんでした。食品については、ミート類の持ち込みが禁止されていますが、今回は、カップヌードルやインスタントラーメンの類が全て没収されました。ビーフやポークが対象かと思っていたのですが、最近は鶏肉がNG対象のようで、スープに鶏肉エキスが含まれるものも対象になるようです。

滞在したコンドミニア(KingsLand)には、キッチンやオーブン等調理器具が付いており、大型の冷蔵庫も備え付けられています。

お正月と言えば、おせち料理ですが、日系人が多いこの地で手に入ることを期待しましたが、日系人経営の地元スーパーでも全く見かけることはありませんでした。やはり米国なので、お正月を祝う習慣はないようです。
年越しは、まず、シャンパンで乾杯です。ハワイの伝統的なローカル料理といえば、下の写真中央上下のポケ(Poke)です。マグロのポケ(アヒポケ)が代表的で、スパイシーなものやセサミ、カレー、キムチ等の様々なテーストのものが、スーパーで売られていますが、最もポピュラーなポケが、ハワイアンスタイルというごま油や醤油で和えたポケです。

アンドレ クルエのスピリタム キャトル ヴァンセーズ(96)というロゼシャンパンです。名前の由来は、グレートヴィンテージの1996年のワインをベースにしていることのようです。
サーモンピンクの外観、柑橘果実やローズの香りに熟成によるナッツやパンドミの複雑な香りが加わります。未だフレッシュな酸がありながら、果実の厚みを感じるロゼシャンパンでした。

↓年越しそばは、セブンイレブンのそばつゆと共に日本から持ち込みです(肉エキスは含まれていないので問題ありません)日本酒は、菊水と玉乃光の純米大吟醸。成田空港で購入したものです(正月らしいジャケ買いです笑)

食材はもっぱら、現地の大型スーパで調達しました。
↓ハワイ島で7店舗を展開しているKTA Super Storeです。

このスーパは、1916年に日本人によって設立されたスーパーで、ワイコロアビーチリゾートから12kmほど内陸のワイコロアビレッジ内の店舗に滞在中何回か行きました。カイルア・コナの少し南のケアウホウには、より大きな店舗があり、チョコレートやマカデミアナッツのお土産の調達にはベストなストアです。

↓こちらは、ワイコロナビーチリゾート内のショッピングセンター内にあるIsland Gourmet Markets、ABCストア系のスーパーマーケットです。リゾート内にあることから、食料品以外にTシャツ等の土産物が多く売られています。食品の価格は、KTAストアに比べると少し高めです。

↓リゾート内のスーパーということもあり、高級ワインの品ぞろえもなかなかです。

アメリカの高級ワインが中心に並んでいますが、オーパスワンが2018年が、$419(150円/$換算で62,850円)、ハーランエステート・レッドワイン2018年が$1699(254,850円)と価格は日本とあまり変わりませんが、ヨーロッパのワインは、やや高めです(サッシカイア2020が$329)。ブルゴーニュはあまり見かけませんが、高過ぎてスーパではちょっと売れないのかもしれません。いずれにせよ、ここで高級ワインを買うメリットはあまりないようです。もっとも、リゾートに滞在するアメリカ人のお金持ちに価格は関係ないかもしれません。

↓結構目についたのが、このワイン。DECOY(デコイ)。大谷の犬?笑。
このラベル、カリフォルニアワインに詳しい人はピンとくると思いますが、ダックホーンのセカンドラベルです。日本では、2500円位で購入できるので、ミドルレンジのワインは日本の方が安いようです。
ダックホーンと言えば、メルローなので、DECOYのメルローを購入しました。

部屋飲みに戻ります。
キスラー(Kisler)のキュヴェ・エリザベス2008年、これは、日本からの持ち込みのワインです。

やや濃いめのダークチェリーレッド。熟成の色合は混ざりますが、まだまだ若々しさも。ブルーベリー、完熟プルーンのコンポート、リコリスやシダ、オークはやや強め。甘みとともなう酸、タンニンは滑らか。カリフォルニアらしい濃厚さと甘みをもつワイン。欲を言えば、もう少し妖艶な熟成香があれば良いのですが。

↓シャトー・ラグランジュの1996年。
期待どおり、いい感じに熟成していた古酒です。複雑でアーシー、妖艶な香り。力強さよりもしなやかさが顕れ、シルキーなタンニン、心地よい余韻が長く感じられます。

↓ミッシェル・ニーロンのシャサーニュ・モンラッシュ・1er・ショーメ・クロ・ド・ラ・トリュフィエール2017年。後述のアミオ・ギイ・エ・フィスとともに好きなシャサーニュの造り手です。

熟成の入りかけか、少し黄金色が入る輝きのあるイエローの外観。冷蔵庫で冷やし過ぎたせいか、抜栓直後は香りがたちませんが、徐々に柑橘家果実と青リンゴの香り、さらに温度が上がると僅かに洋梨やカリンも。酸は未だいきいきしていますが、味わいにシャサーニュらしい柔らかさも。最初に感じた、甘さは時間と共に抑えられ、石灰からのミネラル、ホワイトペッパ、余韻には心地よい余韻が感じられます。飲み頃ではありますが、まだまだ熟成しそうなワイン。

↓地元産のマグロのソテーとガーリックバターのシュリンプと愉しみました。

↓定番の地元コナ・ブリューイングのビールです。右が最も有名なビッグウエーヴ・ゴールデンエール、左がロングボード・アイランドラガー。ビックウェーヴは、フルーティーで、イースト感がやや強いビール、ロングボードは、日本のビールに似ています。
日本でも購入できるようです。ビーチで飲めば最高かもしれません。
https://konabeer.jp/

↓今回、最も印象的だったワイン。カレラ・セレックの2007年です。
外観は艶のある美しいルビーレッド。
アメリカンチェリーにいちじくやドライフルーツの甘い香り、リコリスやドライハーブ、思ったほど熟成は進んでおらず、獣香や腐葉土というより、スーボアの少し冷涼さを感じる上品な香り。アタックにはやや甘みを感じる完熟した果実味、タンニンはシルキーで滑らか。ワイナリーの売却、創設者のジョシュ・ジェンセンの逝去等もあり、しばらく購入しておらず、久しぶりのカレラですが、やはり、カリピノとは一線を画す、ブルゴニューっぽいワインを感じます。正直、キスラーより、こちらが好みです。
昔、ハワイに来て、レストランでワインリストにカレラを見つけると、迷いなく注文していました(セレックでなくスタンダードキュベですが)。

オーブンで焼いたチキンソテーといただきました。

↓アミオ・ギイ・エ・フィスのシャサーニュ・モンラッシュ・1er・ヴェルジェ2010年です。
輝きのある黄金色。赤リンゴ、洋梨、カリンの熟したドライな果実香,。バニラとヘーゼルナッツの熟成香。柔らかく落ち着いた酸と厚みのある果実味。思ったより熟成が進んでいる印象。

今回は、朝夜は自炊で、昼のみ外食でしたが、唯一ヒロの初詣後、ヒロ市内で朝食を取るために立ち寄ったのが、ケンズ・ハウス・オブ・パンケーキ(Ken's House of Pancakes)です。24時間営業の老舗のレストランで、名前のとおり、パンケーキで有名なようですが、メニューには、ロコモコやオムレツ、ハンバーガ等色々な料理が並んでいます。
↓店内はこのようにレトロな感じで、朝からロコが次々に訪れます。店を訪れたのは、9時過ぎで駐車場も店も比較的すんなりと入れましたが、店を出る頃には、順番待ちのお客さんで溢れていました。

↓もうひとつ、こちらもハワイ島の有名なお店です。ワイピオ渓谷からの帰途、ホノカワで立ち寄ったドライブインTex Drive です。ここは、前回も訪れています。

朝食やハンバーグ等もありますが、何といっても有名なのは、マラサダ(Malasadas)です。砂糖をまぶした揚げパンに様々なフレーバーのフィリングが入ったデザートで、発祥はポルトガルのようですが、この地のローカルフードとして定着しています。

やはり、この島の食の最大な楽しみが、新鮮なアワビです。ハワイ島の極上のアワビは、コナ空港に近い「ビッグアイランド・アバロニ」で海洋深層水を使って養殖され、直販されています。


価格は、1個$2~XXL$40(6千円!)と結構高価です。過去2回来ていますが、これほど高くはなかったと思います。十分大きいプレミアム($29)と14$のものを3個ずつ購入しました。

ここでは、調理済み(ガーリックバター?)の小ぶりのアワビも販売しており、その場で味わうことができます。今回は、活アワビとともに1lbを購入しました(40数ドルだったと思います)
↓これです。

小さなアワビですが、その分、肝も小さく、あまり気にせずに食べられます。
合わせたワインは、前日開けたシャサーニュ・モンラッシュ・1er・ヴェルジェ2010と現地スーパーで購入したニュージーランド マールボロオイスター・ベイ  ソーヴィニヨン・ブラン2022です。柑橘系果実、活き活きとした酸とハーベシャ&トロピカル、まさにマールボロらしさ全開のソーヴィニヨン・ブランでした。アワビとの相性もばっちりです。一方のシャサーニュ・モンラッシュの古酒は、合わなそうな予感がしましたが、ガーリックバターのオイリーなテーストと意外にマッチしていました。

活きアワビの方は、最後の夜にバーベキューでいただきました。
コンドミニアム内のバーベキューコンロです。照明もあり、星空の下のバーベキューを楽しめました。

メインは、活きアワビとステーキです。
ワインは、昨日開けたマルボーロのソーヴィニヨン・ブランとDECOYメルローです。
DECOYのメルローは、黒い果実のコンポート、タンニンは円やかで、甘みを感じる濃厚なテーストのカリフォルニアらしい外向的なメルローワインです。

日本では、あまり食べる機会がないアワビですが、とても柔らかくジューシです。肝も思ったより苦くなく、美味しく食べられました。滞在をとおして、最高に贅沢な夕食になりました。

最後にハワイ島のスーパで見つけた逸品を紹介します。
ワイ島で作られているツナジャーキーです。昔は、ビーフジャーキーがアメリカのお土産として人気でしたが、今は検疫対象となっているため、替わりのものを探していて見つけました。オリジナル、テリヤキ、スパイシー、レモン・ソルトのフレーバがあり、食べてみると、魚っぽさはほとんど感じません。やや柔らかなビーフジャーキーといった触感で、美味しいです。価格も手ごろで、お土産にピッタリな一品です。

以上、今回のハワイ島滞在中に味わったFoods&Drinkを紹介しましたが、ワイン持ち込み+自炊で飲食費節約を目指しましたものの、食材もそれなりに高騰しており、結果的に節約できたのかは微妙です。ただ、自宅感覚でゆっくりと食事を楽しめたという点では、充実した1週間でした。